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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ参

203 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2018/06/01(Fri) 19:09
>>199

>では、ご近所の土地神様のお社に参りましょうか
>かの神様のご友人の長壁姫(おさかべひめ)が遊びに来られているのですよ

まあ、姫路城に戦国末期、江戸初期よりお住まいという、あの方が?
私が長壁姫(おさかべひめ)様を知ったのは、小学生の頃ですね。

その頃に知ったお話では、長壁姫様は生前大阪城で、千姫様にお仕えする侍女であったとか。
しかし、千姫様に落城の際乱心と理不尽な八つ当たりの果てに、斬り殺されたのだとか…。
その後姫路に本多忠刻様とお住まいになった際、祟りを為したというお話なんです。

その頃は御自身は理不尽な仕打ちの果てに斬り殺され、御自身の仇の方が生き延びたとは
お怨みしても無理は無いと思ったのですが…。

成長してからお調べした所、長壁姫様と千姫様の大阪城落城に関するお話というものが
文献等にも見つからない事が分かったのですよ。

勝手な推測なのは承知ですが、千姫様が姫路城にお住まいの際に身内の方々が休止されたのを
姫路城にお住まいの長壁姫様と結び付けてそのような形に、今で言う「ゴシップ」的なものとして
伝わってしまったのではないかと考えているんです…。

千姫様は悪女、長壁姫様は怨霊となってしまうのですからお二方にとっては
何とも迷惑なお話ですね…。(溜息)

でも、姫路城に伝わる伝説の方にお会い出来るのは光栄です。
まさかこの土地神様との親交をお持ちであったとは驚きですね。

少々お待ち下さい。お土産として持参するみたらし団子を焼いて参ります…。

>>201

え?日本屈指の剣豪宮本武蔵様と長壁姫様に接点があったのですか?
それは、初耳です…。
少し、お調べしてみます。知識不足で、申し訳ありません…。

かの宮本武蔵様が、「誰もが恐れる天守閣の夜番を無事に乗り切ったことでここに巣食っていた齢数百年の古狐が恐れをなして逃げ出したと告げ、
武蔵様に褒美として銘刀・郷義弘を授けた。」

というお話でしたか…。
ですが、その名刀が盗品で宮本武蔵様に盗人の罪を着せようという謀(はかりごと)であったと…。

え?>>201さん、あなたにも聞こえたのですか?
なっ!?ま、まさか本当に宮本武蔵様が?

い、いけません!武の象徴として今尚崇められるような方が、
余所様の神域を血で穢すような乱行を働くなど!

過去の経緯までは存じませんが、今そのような事をなさるとは
大剣豪の名に傷が付きます!何卒怒りをお沈めになって下さい!

それともかの「魔界転生」のように怨霊によって無理に眠りを妨げられたのですか?
きゃあっ!?

(とっさに持参していたみたらし団子で太刀を受け止めました)

も、もしかしてお世話になっている和菓子屋さんから教えて頂いた
良きお団子の材料が、魔除けの効果を?

宮本武蔵様!どうか気をお沈めになって下さい!

(お口にお団子を突っ込んでしまいました…)

あ…先程の憤怒の形相が、何とも柔和な御顔に…。
良かった…。

その、お気に召して下さったのでしたらまだまだありますよ?
宜しければ積もるお話もありますでしょうから、召し上がっていかれますか?

>>202

私も、レポート等を仕上げる時にはこの位の時間になってしまう事はありますね。
明日のお仕事もありますから、出来るだけ早くお休みするようにはしておりますが。

最近は夜も暑くなって参りましたね。
もしかして暑さで寝苦しさを感じており、寝付けなくて何かに興じてしまうのですか?

うふふ…眠れないのでしたら私が子守唄を歌ってあげましょうか?(微笑)


204 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2018/06/02(Sat) 10:07
>>203(柚葉さん)
(恐れ入りますが、お返事の順番を変えさせていただきます)

まあ、柚葉さんも長壁姫様をご存じでいらっしゃるのですか
それも小学生のころから…と申しますと、子どものころから心に残るような事績をお持ちの方なのでしょうか

…なるほど、悲劇的な最期を伝えられている方なのですね
戦国の世に生まれた方…特に身分のある女性は、『御家のため』との言葉の下に数奇で過酷な運命を辿られた方が多うございますが、長壁姫様にもそのようなことが…
千姫さまと長壁姫様との間にどのようなことがあったのか、
まだ何か隠れた真実があるのではないか、と推察されます
千姫さまも落城とご夫君との別離を前にその苦悩は一通りではなかったでしょうが…
世間の噂はとかく尾ひれがつきますもの
はたして二人の真実にどこまで触れられておりますやら…

幸い、今その長壁姫様がこの街に来ていらっしゃるのです
姫様が宜しければですが、世間の心無い噂とは別の、二人の姫様の身に起こった本当のことを伺えることもあるかも知れませんわ

>まさかこの土地神様との親交をお持ちであったとは驚きですね。
はい、元々人間の姫であられて、遠い大坂、そして姫路にいらした方ですから、少し意外でした
ですが、長壁姫様は姫路の地にて人間としての生涯を終えられ、それを憐れんだ土地の方々が祠を作って祀られ、後に秀吉公の意向により、姫路城の天守で祀られたそうでございます
それで『明神』となられて後、神在月の出雲で土地神様とお会いになって、すっかり意気投合されたとか

>少々お待ち下さい。お土産として持参するみたらし団子を焼いて参ります…。
あら、それは嬉しいですね、柚葉さんのみたらし団子の焼き加減は本当に絶妙でございます
では、わたくしは純米大吟醸を買ってまいりますわね…


205 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2018/06/02(Sat) 10:15
>>201
>>203(柚葉さん)

(純米大吟醸を買って、土地神様の神社に向かっております)

あらあら、どこからか大きな声が聞こえてまいります
声に張りがあって言い回しがとても決まっていらっしゃいますわ
もしかして学校の演劇部の方かしら?

あら…、長壁姫様のお話のようですね
興味深いので、少し聞き耳を立ててみましょうか
蝙蝠さんもそうですが、この聴覚の鋭さはこういう時にありがたいですね

なんということでしょう、驚きましたわ
かの有名な宮本武蔵様が長壁姫様と因縁浅からぬ関係でいらっしゃっただなんて
それにしましても、随分と不穏なお話ですのね?
長壁姫様は、土地神様のご友人であらせられるのですよ?
武蔵様を陥れるような所業を本当になさったのでしょうか??

…って、ええっ!?
武蔵様…、本物が顕現された?
感じます…、禍々しい、そして強烈な怒りと憎悪のオーラ
わたくしと対峙する人間からしばしば感じられていたあのくすんだ光が…
本当に…長壁姫様を恨み、討ち取りにいらっしゃったのですか?
そんな…、あれは如何に我を忘れた、圧倒的な害意の炸裂
いけません、これは一刻も早く土地神様と姫様にお知らせしなければ!

>い、いけません!武の象徴として今尚崇められるような方が、
>余所様の神域を血で穢すような乱行を働くなど!

な!あ、あの声は!
強烈な害意に隠れて聞き取り難かったですが、あの場に柚葉さんが!?

(気が付いた時には、わたくしの翼が広がりわたくしは空気を切り裂いて飛んでいました)
いけません!いけません!柚葉さん、そのような怪異の前に立ってはなりません!
何故貴女様がそのようなことをなさるの!?

逃げて!逃げて!
貴女に何かあったら、わたくしはどうすれば −
柚葉――!

いた!
あああ、武蔵が太刀を振るって!!
『元素支配』!
届け、火の槍衾!あの邪霊を刺し貫け!!

……
…え?お団子の串で太刀を受け止めて…?
柚葉―!

(矢も楯もたまらず、わたくしは柚葉さんの許に駆け寄る)
柚葉さん!生きてますよね?
怪我をしてらっしゃいませんよね?
よかった、よかったあああああーーーー
(わたくしは彼女に縋りついたまま、膝から崩れかろうじて彼女につかまることしかできません)

無茶をなさらないで…
貴女様に太刀が振り下ろされて…、どうなるかと…

…そのお団子の串は一体?
そうですか、それはあの和菓子さんが作られたものなのですね
その串の原材料の竹は、恐らく土地神様の神社の竹林から下賜されたものなのでしょう
そして、柚葉さんの義侠のお心に串に宿った土地神様の分霊が堪えてくださったのでしょう
それに…、柚葉さんの『贄の血』、ご一族に伝わる霊力のご守護も合わさってのこととお見受けします
本当に良かったですわ…

宮本武蔵様、すっかり温厚な顔になられましたわね
さすがは柚葉さんご謹製の逸品でございます
ですが…、二度はございませんよ、武蔵様?
わたくしの大切な柚葉さんを危険な目に遭わせたことは変わりございません
柚葉さんがご安心のところに敢えて波風を立てるのは控えますが、どうか肝に銘じてくださいませ


206 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2018/06/02(Sat) 10:25
>>203(柚葉さん)(長くて申し訳ございませんが、続きでございます)

(そして、神社でわたくしたちはお酒とお団子で交歓の時を過ごし、そして土地神様から以下のことを伺ったのでございます)

『長壁大明神を祀っていた姫路城の天守閣で怪異が相次いでいた。
そこで宮本武蔵が天守閣の夜番をし無事に乗り切ったことで、城主は改めて天守の怪異の調伏を依頼した。
すると武蔵の前に長壁姫が顕現して、『怪異の正体である古狐は貴方様に恐れをなして去っていった』と告げて名刀をお礼に贈った。
しかし、それは狐の罠で、城主の家宝である名刀を渡して武蔵が着服しているかように城主に思わせようとしたのだった。
狐の企みは上手くいかず、その後人間に化けて武蔵に接近しようとしたが見破られて討ち取られた。

…と伝えられているが、誤解が交っておる。
長壁はな、人であった頃より狐たちをたいそうかわいがっておった。狐たちもその恩を感じて神使として真摯に仕えておったのだ。
しかし、天守閣に祀られたとはいえ城の者は祟りを恐れて寄り付かず、いつしか関係のない低級な魑魅魍魎のなすことまで、姫のせいにされるようになってしもうた。
姫はそれを悲しみ自ら祠の奥に隠遁…まあ、引きこもり状態になってしまったのよ。
そこへもってきて、怪異を調伏するよう城主に頼まれ手練れの剣士がやってくるという。
焦ったのは神使たちじゃ。
『姫様をお守りしなければ!』
そう思った若い狐の一匹が武蔵を陥れようと図って長壁に化けて罠にかけようとした。
これが真相じゃ(なお、『討ち取られた』と伝えられる狐も無事じゃったぞ。)
納得がいかぬか?新免武蔵守・藤原玄信
それが証拠に…、長壁よ、あれを見せてやるがよい』

あらあらあら、長壁姫様が見事な刀を取り出されましたわ
これは…、破邪の力がこもっていますわね
このような力強い光を放つ刀は、ヴァチカンの一流の退魔の剣士でも滅多に持ってはいないのではないかしら?
彼らに負われた身としては、そう思わざるを得ませんわね
なるほど、このような御神刀をお持ちならば、姫路城にて長壁姫様が本気で武蔵様を排除しようとなさるのなら、事は簡単でしたでしょうね…

あらあら、武蔵様が平伏…
『面目次第もござらん!』
とは、さすが武蔵様、潔いですわ…

(その後は皆で、楽しいひと時を過ごしたのでございます。
ただ、柚葉さんが無事であったことの安堵と共に、この身の不甲斐なさへの苦い思いは、わたくしの胸に残らざるを得ませんでした)


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