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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ参

409 名前：吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日：2018/11/10(Sat) 14:52

>>406（柚葉さん）

＞はい、勿論ですよ。（微笑）
＞勢いよく突っ込みを入れるのは苦手なので「灯さん、落ち着いて下さいな。」と
＞やんわりとお止めする事になるでしょうね。

それを伺って安心しましたわ
ロードローラーを軽々と持ち上げられるあの方が気圧されてしまう、あの灯様の重すぎる愛と煩悩のパワーを前に、わたくし一人で抗えるかどうか非常に不安なものですから

そうでした、サクヤ様がいらっしゃいましたわね
あの方ならどこからともなく表れて、角度を変えながらシャッターを押しまくられそうでございます
その気になればカメラに写らないように『実在のレベル』を変えることは出来ますけれど、落ち着いてそれをしていられますかどうか

灯様のご友人の朔夜様もホラーが大好きということで迫って来られたりしたらもはや飽和攻撃といってもよろしいでしょう
戦略的撤退以外の選択肢はありませんね

（青果店でございます）

あらあら、お店の中にカボチャのランタンやら魔女やモンスターのお人形が飾られていて、とてもファンシーでいらっしゃいますこと
あら、お颯様がちょっと照れたようなお顔とは珍しいです
…なるほど、ご店主であるお母様が、お颯様の私物を勝手に持ち出して飾っていらっしゃるのだと？
まあまあ、お颯様はこういう可愛らしいのがお好きとは存じませんでしたわ
あら、別にお顔を背けずとも…、わたくしもこういう可愛いものは好きですわよ

（翌日、羊羹をいただいております）

ん〜、この上品な甘味、想像以上の美味しさです
この小豆もお芋もさすがはお颯様の目利きの逸品でございます
日本のスイーツに於いてこの二つの究められて、窮められ、極められつくしたこの味は最高と申しても言葉が足りません…
西洋のパティシエの知らぬところで長きにわたり菓匠が心血注いで作った絶妙な味わいにうっとりでございます

先週の鬼太郎様のところで、日本の甘味が西洋のスイーツに押されて小豆が忘れられていると嘆いていた妖怪の方々がいらっしゃいましたが、あれは誤解ではなかったでしょうか？
このような素敵な味を日本人が忘れるなど、あるはずがございませんわ
わたくしもかの方々にお会いする機会に恵まれましたら、そのことを申し伝えたいと存じます

＞灯さんのお友達の、朔夜さんと夕さんはノリノリでしたね。
＞ホラーが苦手なひなたさんは、若干複雑そうなお顔をしていたような…。（汗）

特に朔夜様は、ひなた様やソフィー様が怖がっていらっしゃるのに無頓着というか、もう少し表情を呼んで差し上げてほしいものでございます
わたくし自身が知らぬ間に他人を怖がらせてしまうがゆえに、そう思うことしきりでございますわ

（ハロウィン当日でございます）

＞今日までそちらの三姉妹さんは、本当に頑張って下さったんですよ。
＞私もお手伝いしようとしたものの、「いつまでもお姉さまに甘えていたら上達しません！」と断って、
＞そして先輩のメイドさんが、美味しいと評価を頂ける味のものを作れるまで…。

今のあの子たちは、何よりも誰よりも柚葉さんに認めてもらうには、自分がどうあるべきか考えているようですね
ただ甘える竹ではなく、お姉様にとって良き存在になるにはどうすれば良いか、あの幼い子たちに自然にそう考えさせる、それは柚葉さんが真にあの子たちに愛情を注いでくださっているからこそですわね

ああ、このパイの温かさ、心の和む優しい甘さ、本当に美味しいですわ
今では産地の銘菓や大手菓子メーカーからも様々な安納芋のパイが発売されておりますが、パイの美味しさはやはり愛情のこもった手作りの味こそが素晴らしいですわ

この舌を味覚を優しく抱きしめてくれるような穏やかな、しかし濃厚な甘味はこのお芋とそれを受け止める人の手の為せる共同作業
この後のお食事のシチューもきんとんもパイも恐らくそれぞれの美味しさをわたくしにもたらし、決して飽きさせることはないのでしょう
目くるめくような甘味の饗宴なのに、この歓びは尽きることなく今宵のわたくしをもてなしてくれますこと、疑いようもございません

（そして、お菓子を一杯抱えて戻ってきた三姉妹を迎え、わたくしたちは家族とのハロウィンの夜を楽しみました）


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