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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ参

934 名前：羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日：2020/04/22(Wed) 18:49

>>933（アーチェロお嬢様）

レイナさん、天婦羅を揚げましたので、お皿をこちらへ…。
炊き込みご飯も炊けてから程よい時間が経ち、いいお味が染込んでいると思います。

三姉妹さん、お手伝いいつもありがとうございます。
長女さん、書斎におられるお嬢様を呼んできて頂けますか？

＞お日様の光を一杯浴びた新鮮なわらびのフルコースに今からウットリです。
＞デザートのわらび餅づくりにもぜひチャレンジしとうございますわ。

夕餉の支度が整いました、お嬢様…。
今夜はわらびの炊き込みご飯、わらびの天婦羅、わらびの油揚げとの煮物、わらびのお味噌汁です。
デザートのわらび餅用のわらびの根は…今はあく抜きのため水に浸けております。
申し訳ありませんが、わらび餅の準備は明日までお待ち下さい。（ぺこり）

（この後、本日のわらび採りの話題に皆で花を咲かせながら楽しい夕餉の時間が訪れました。）

＞土手には他にもつくしんぼうやたらの芽も散見されますが、どれも扱いに手間暇がかかるのが山菜というもの。
＞今日はわらび狩りに専念ですわね。

うふふ、やっぱりお嬢様もそちらについつい目がいってしまうのですね。
私も実は、故郷でそうだったんですよ。
つくしやたらの芽も、わらびと並ぶ春の食材ですものね。
それで母に、

「つくしさんやたらさんについつい目が行っちゃうのもわかるわね。
でも、わらび取りならわらびに専念しないと折角生えているのを見逃してしまうわよ？
今日は、わらびに集中しましょう。」

と、言われてしまいました。（舌をペロリ）
この街でも、そしてお嬢様と故郷の思い出を新たに共有できて、そして食卓を囲むことが出来て
私は本当に幸せです。（微笑）

あらあら、次女さん、炊き込みご飯をもうお代わりですか？
急いで食べなくても、沢山炊いてありますからゆっくり味わって下さいね。
そう、この街の春の息吹を皆で一緒に…。

（翌日のわらび餅作りの時間）

わらびというとついつい上の部分をイメージしてしまうのですが、実はわらび餅に使うわらび餅粉は
わらびの根から作られるのですよ。
普通のわらびのお料理でしたら上の部分を折り取るだけでよろしいのですが、やはりわらび餅はわらびのお料理の花形ですものね。（微笑）

お嬢様にもレイナさんにも、そして三姉妹さんにも根っこから取って頂いたのは骨が折れる作業でご苦労をおかけしましたが、
本当に有難うございます。
あれだけのわらびが採れたんですもの。根っこも沢山準備できて、本当に大助かりです。
でも…これだけ集めてもわらび餅用のわらび粉が作れるのは本当に僅かな量なのですよ。

では、わらびの根を切り、水を加えてミキサーで細かくして…。
次に、ふるいにかけてカスを分けます。
これで取り出した液体を「でん粉乳」というんです。
そして、でん粉乳を更にに水を加えて、深めの鍋に入れてかき混ぜて…。
それでは、本日はこれで終了です。
この後8時間〜12時間置いておくことで、鍋の下にでん粉が沈み、上水にはたんぱく質、やに、無機質が溶けて出ます。
この上水を流しだして、でん粉を取るんです。

（更に翌日）

この取り出したでん粉は、混ざり気が多いので更に沢山の水を加えてかき混ぜます。
そしてこの後、30時間〜50時間沈殿させないといけないんです。

（更に翌日の夜）
上水を捨てて乾燥させ、上下の層のでん粉を削って中間の良い部分だけを取るんです。
これで、出来上がりです。

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