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【ORIGINAL】BOUNTY HUNTERS【A to Z】

1 名前:ザナージュ ◆AtoZvqTQ 投稿日:2019/10/25(Fri) 19:10
時は2XXX年!世界は核の炎には包まれなかったが、次元の壁が崩壊した!
人間、獣人、魔族、エルフにドワーフ、果ては異世人からサイボーグといった
様々な人種が混在する世界で、賞金稼ぎ(バウンティハンター)を営む男がいた。
これは混沌とした世界をどげんかすべく戦うハンターたちの物語である。
彼らの元に今日も依頼が舞い込む……。



ようこそ、我が城『AtoZ』へ。俺に依頼かい?
……ん?ヒュウ!こいつは懐かしい顔だ。久しぶりだな、元気にしてたかい?


「もちろん!」→>>2

「誰ですか?」→>>3

「借した金返せよ」→>>4

87 名前:BOUNTY HUNTERS ◆AtoZvqTQ 投稿日:2020/05/01(Fri) 12:29
ウルトラマン「シュワッチ!」
ザナージュ「でたぞ ひっさつ スペシウムこうせん だ!」
ベムラー「ギャオオオーン!」

【ベムラーはたおれた!】

酒場の親父「ありがとう、ウルトラマン!」
ザナージュ「こうして せかいのへいわ は まもられた!つよいぞ ウルトラマン!」

ザナージュ「……こんな感じで終わらせるのはどうだい?」
ルキ「ムリでしょ」
ゼノ「そんなテレビマガジンみてーな展開じゃ誰も納得しねーよ」
ザナージュ「テレマガじゃねえっつうの、てれびくんだ」
ゼノ「そこは今どうだっていいんだよ!」
アリス「ご主人様、ここまで来たら潔く首をくくりましょう」
ザナージュ「首!?腹じゃなくてか!?」
アリス「ああ、そっちでございました。てへっ☆」
ルキ「アリス、その手に持ってるロープは何?」
アリス「これはバンジージャンプ用でございます」
ルキ「あっそ……」
ゼノ「ラチが明かねーから始めようぜ、ザナージュ」
ザナージュ「そうだな。じゃあ会場のみんな!元気よくヒーローを呼ぶぞ!せーっの!」

>>66話 それいけ!やりおるマン

ジャスティ「さて、ヒーローショーのような雰囲気で始まったものの……状況は最悪だね」
ヘルマン「まさかあんな化け物が出てきやがるとは……」
フィアデス「クク……さぁ、この絶望的な状況でどう足掻こうか……?」
アリス「首をくくりましょう」
スターナ「く、首……?誰のをです……?」
アルス「いくら敵が強大でも僕たちが諦めるわけにはいかない!最後まで頑張ろう!」
DZ「ギリギリまで頑張っても踏ん張ってもあんなのどうにもこうにもならないでやんすよ!」
ザナージュ「やれやれ。こんな時ウルトラマンが欲しいぜ」
ビリー「(チャリーン)フッ、こいつは……確かに諦めるのは早いかもな」
ホラ「当たりの目が出たのかね?」
ビリー「ま、そんなとこだ」
ジャスティ「それはよかった。もっとも、どんな目が出ようと我々がやることは変わらないがね」
スライヤ「……立ち塞がる者は斬るだけだ」
ザナージュ「お前、前回めちゃくちゃビビってなかったか?」
スライヤ「……何の話だ?」

ゼノ「オーイ、ザナージュ!」
ルキ「生きてる?」
ザナージュ「お前ら、何でここに?」
ゼノ「怪獣が出たってニュースでやってたから助けに来たんだよ」
ルキ「あんたがあの怪獣を虐待しないようにね」
ザナージュ「お前らどっちの味方だ?」
DZ「おぉ!ルキちゃんでやんすか!久しぶりでやんすねぇ!」
スターナ「ルキさん!お元気でしたか?」
ルキ「……まぁ普通」
ジャスティ「やあ、ゼノくん」
アルス「ゼノ!君たちが来てくれて嬉しいよ」
ゼノ「ああ、オレもみんなに会えて嬉しいぜ」
ビリー「再会を喜んでる暇はなさそうだがな。来るぜ、あのデカブツが」
ザナージュ「ヘッ、今まで待っててくれてたってことは空気は読めるらしいな」

ベムラー「ギャオオオ!」

ジャスティ「尻尾か!みんな避けるんだ!」
DZ「ガッテン!」
ヘルマン「俺に指図するんじゃねえ」
ジャスティ「ヘルマン……!?まさか受け止める気か!?無茶だ!」
ゼノ「オイ、何考えてんだオッサン!逃げろ!」
アルス「くっ……間に合わない!」
ヘルマン「ふん!てめえら俺を誰だと思ってやがる!俺は地獄の看守長!ヘルマ……」

(ズドォォォン)

アリス「死にましたが」
フィアデス「嗚呼、ヘルマン……君は本物の地獄に逝ってしまったんだね……」
スターナ「ヘルマンさん!!」
ホラ「なんということだ……」
ザナージュ「まあ見るからに噛ませっぽいヤツだったしな」
DZ「いかにも最初に死にそうなキャラでやんしたよね」
ルキ「言えてる」
ゼノ「ヒデーなお前ら……」
ビリー「渡る世間は鬼ばかりさ」

88 名前:BOUNTY HUNTERS ◆AtoZvqTQ 投稿日:2020/05/01(Fri) 12:30
ジャスティ「いや待て!まだ彼の生体反応は消えていない」
DZ「え、あれを食らってまだ生きてるでやんすか!?ヘルマンの旦那」
ホラ「……ふむ、どうやら我々は彼を侮っていたようだ」
ヘルマン「ふん、ようやく気づいたか?このヘルマン様の実力によお!」
ゼノ「信じらんねータフネスだぜ……」
スライヤ「まだ息があったか……」
アリス「とどめを刺しますか?」
ザナージュ「好きにしな」
ゼノ「何でだよ」
ヘルマン「今度はこっちの番だ……くたばれ、化け物!!」
DZ「出たぁ!旦那の必殺、猛虎滅破拳!!」
ビリー「似合わねぇネーミングだな」

(ズドォォォン)

ヘルマン「ヘッ、俺の豪腕を受けて立ち上がった奴はいねえぜ」
ザナージュ「やったか?」
ルキ「やってないパターンね」
ベムラー「ギャオ?」
ヘルマン「何……だとお……!?まるで効いてねえ……!」
ビリー「さすがにあの巨体じゃビクともしねぇか」
ザナージュ「ちっ、役に立たねえなヘルマンも」
DZ「口だけおじさんでやんすね」
アリス「地獄の看守長(笑)」
ヘルマン「うるせえ!!てめえらも役に立ってねえだろうが!!」
ザナージュ「わあー看守長が怒ったあーw」
DZ「怖いでやんすぅーw」
アリス「猛虎滅破拳!」
ザナ&DZ「うぎゃあああwww」
ゼノ「やめろよお前ら!もうやめろよ!」
ヘルマン「あいつら後でブチ殺す。DZだけでもブチ殺す」

ジャスティ「しかしまったく効いてないわけではないはずだ。一点集中で奴の足から崩そう」
ゼノ「そんならオレに任せてくれよ。あのトカゲ野郎の足、ぶった斬ってやる」
アルス「ゼノ、僕も加勢するよ」
ゼノ「ああ、頼んだぜアルス!」
スターナ「ルキさん、私たちはお二人を援護しましょう!」
ルキ「ふぅ、あまり気乗りはしないけど……」
ジャスティ「では私は囮となって奴の気を引こう。ビリーくん、協力してもらえるかな?」
ビリー「構わねぇがあまり俺をアテにするんじゃねぇぜ」
フィアデス「クク、僕は僕でやらせてもらうよ……スライヤ、君はどうする……?」
スライヤ「貴様らに合わせる気はない。……だが奴は今ここで仕留める」
ヘルマン「ケッ、ガキどもに遅れはとらねぇ。おい、ホラのオッサン!ちょいと手ぇ貸せや」
ホラ「君もオッサンだろう。ふむ、しかし……若輩者に遅れを取る気はないという点は私も同感だよ」
ザナージュ「どいつもこいつも熱くなっちまって、まあ……。しょうがねえな。主役は俺たちだってことを教えてやろうぜ、アリスちゃん!」
DZ「承知したでやんす」
ザナージュ「(チャカッ)何で俺がてめえとペアを組まなきゃなんねえんだオイ?アリスちゃんをどこにやりやがった!」
DZ「あ、あのメイドっ娘ならさっき逃げてったでやんすよ?お願い、銃引っ込めて……」
ザナージュ「逃げただとお!?」
ゼノ「マジかよ、アイツ……」
ルキ「最初から頼りにはしてなかったけどね……」

89 名前:BOUNTY HUNTERS ◆AtoZvqTQ 投稿日:2020/05/01(Fri) 12:31
ジョニィ「波乗りジョニィ復活!俺も加勢しちゃうゼ!」
DZ「じゃあオレっちと一緒にみんなを応援するでやんすよ!」
ジョニィ「OK!気合いなら負けないゼ!自慢の技からげんき!」

ザナージュ「あいつら撃ち殺していいかい?」
ジャスティ「気持ちは分かるがこらえてくれ、ザナージュくん。では作戦を開始するぞ。ブースト・オン!」
ゼノ「いいなーカッコいいなー飛行能力。さすがヒーローだよなー」
ザナージュ「俺はあんな特オタよりスターナちゃんに飛んでほしいね」
スターナ「私……ですか?」
DZ「ははーん、下から覗くでやんすね?ザナージュの旦那」
ザナージュ「分かってくれるかい、我が同志よ」
ルキ「あんたさっき同志に銃突きつけてなかったっけ」
スターナ「や、やめてください、こんな時に……!」
酒場の親父「そうだ、やめろ。ジャスティ、お前も待て」
ザナージュ「ん?急にどうしたマスター」
ビリー「つぅか、まだいたんだな」
ジャスティ「店主?まだ避難していなかったのか。ここは危険だ、すぐに避難を……」
酒場の親父「ここは俺の店だ。見捨てる気はねぇ。それとお前らに渡しておきてぇモンがある」
アルス「僕たちに渡しておきたいもの……?ご主人、あなたは一体?」
酒場の親父「詳しい話はあとでする。今はあの化け物を止めるのが先だ」
ヘルマン「だからそれを今しようとしてたんだろうが。何言ってんだジジイ」
酒場の親父「フッ、ジジイか……」
スライヤ「……!おい、奴が動くぞ!」
ゼノ「クソッ、尻尾か!」
酒場の親父「お前たちは下がっていろ」
ザナージュ「何……?ヘイ、マスター。あんたはどうする気だ?」
酒場の親父「こうする気さ」

(パシィッ)

ジャスティ「なっ……」
ルキ「片手で受け止めた……!?」
DZ「うっそぉぉぉー!!」
酒場の親父「フッ、なかなかやりおるわ。だがベムラー。お前さんは世界じゃ二番目だ。むんっ!」

(ドカッ!バキッ!ボカッ!ドスッ!)

DZ「怪獣を吹っ飛ばしたでやんす!?」
スターナ「今、何を……?」
ホラ「拳を叩き込んだのだよ。早い……目で追うのがやっとだった……」
ビリー「おい、こいつは一体どうなってやがる……」
ザナージュ「マスター……あんた何者だい?」
酒場の親父「俺か?俺は元王国騎士団団長、国王の右腕シルバーズ・レイパーだ」
ゼノ「ヒデー名前だなオイ」

酒場の親父「名前はウソだ。俺はジョニー。かつて騎士団で狂犬と呼ばれた男さ」
ザナージュ「何……!?」
ゼノ「アンタが……ジョニー!?」
ジョニー「そうだ。試すような真似をして悪かったな、お前たち」
ビリー「待て!あんたがジョニーだと?俺がかつて引き分けた狂犬のジョニーだってのか?顔が全然違うじゃねぇか」
ザナージュ「引き分けるほど実力が拮抗してるようにも見えねえしな」
ジョニー「顔は整形したんだ。引き分けたのは俺が手加減してたからだ」
ビリー「そうかい」
アルス「そこ納得するんだ……」
スライヤ「ジョニーさん、今回の騒動はどういうことだっぺ?説明してほしいべさ。あっ……説明してもらうぞ……」
ザナージュ「お前もうキャラ作るのやめたらどうだ?」
ジョニー「ベムラーが気絶している間にお前たちに真実を話そう。店の中に入ってくれ」

90 名前:BOUNTY HUNTERS ◆AtoZvqTQ 投稿日:2020/05/01(Fri) 12:31
ジョニー「宮殿お抱えの預言者によってベムラーの出現を察知した国王様は、討伐のためにお前たちを招集したのだ」
DZ「事情も説明せずにいきなり怪獣と戦わせるとか無茶苦茶でやんすね」
ザナージュ「王の野郎、本当は俺たちの抹殺が狙いだったんじゃねえのか?」
ジョニー「すまぬ。だがお前たちの力が必要だったのだ」
ジャスティ「それならそうと事情を話してくれればよかったのでは?」
アルス「ええ、そうと知っていれば事前に準備を整えることもできたはずです」
ジョニー「すまぬ。だがお前たちの力が必要だったのだ」
ビリー「話が通じねぇ」
ルキ「ゴリ押しでごまかす気ね」
ジョニー「すまぬ。だがお前たちの力が必要だったのだ」
ザナージュ「こいつ撃っていいよな?」
ゼノ「やめとけって、勝てねーから」
ヘルマン「だいたいよ、それならあの化け物はあんたが倒せばいいんじゃねえのか?ジョニーさんよ」
ホラ「同感だよ。あなたほどの戦士ならそれも可能だろうに」
ジョニー「なんか気分が乗らなくて」
ゼノ「気分の問題かよ!!」
スターナ「国の危機なんですよ!?」
ジョニー「嘘だ。今の老いた私では奴を完全に仕留めることはできん。故に君たちの力を貸してほしいのだ。
   討伐に成功した暁には報酬として2300万Gを用意しよう」

ゼノ「にっ……!?」
ザナージュ「2300万だとお!?ちょうど借金帳消しにできる額じゃねえか!」
ルキ「今時ギャグ漫画でもやらない展開ね」
DZ「というか命懸けで怪獣倒して2000万っていうのは安くないでやんすか?」
アルス「大事なのは金額ではないさ、思いやりの心だよ」
DZ「 心 か 」
ジョニー「改めてお願いしよう、超真性たちよ。ベムラー討伐に力を貸してくれ!」

スターナ「ジョニーさん……頭を上げてください。私たちの心は既に決まっています。ね、皆さん」
アルス「ああ、スターナの言うとおりだ。僕たちはそのためにここに来たんです」
ジャスティ「私はハイパーヒーローだ。ならばその義務を果たすまで!」
ビリー「フー……乗り掛かった船ってやつだ。最後まで付き合おうじゃねぇか」
ヘルマン「やられっぱなしじゃ気が済まねえ。俺もやるぜ!」
ホラ「ふむ、あれほどの大物をノックアウトするのはさぞ快感であろう」
フィアデス「クク……姉さんのためなら怪獣くらいいくらでも殺してやるさぁ……」
スライヤ「奴は……野放しにしておいたら、スライム狩りの障害になる……」
ルキ「ま……邪魔なのは確かね」
ゼノ「怪獣退治か。ヘッ、おもしれーじゃんか。一度やってみてーと思ってたんだ」
ジョニィ「俺もやるゼ!今まで喋るの忘れてたんだゼ!」
DZ「みんな燃えてるでやんすね!オレっちも頑張るでやんす!
   (戦うのは他の連中に任せてオレっちは隠れとくでやんす。キヒヒ!)」
ザナージュ「俺も参加してやるよ。主役が不在じゃせっかくのパーティーが盛り上がらないからな!
   (戦闘中にこっそり抜け出して賞金を頂こう。ゲヘヘ!)」
ゼノ「心の声がダダ漏れてんぞゲスの極みども」

ジョニー「ありがとう、戦士たちよ。心より感謝する」
ザナージュ「礼なら後で払ってもらうさ。さあ、行くぜお前ら」
ゼノ「おう!」
ジョニー「待つのだ。王よりこれをお前たちに渡すよう言付かっている。持っていけ」
DZ「何でやんす?」
ジャスティ「もしや対怪獣用兵器かな?」
ゼノ「おっ、ペンシル爆弾か?」
ジョニー「マスク2枚だ」
皆「いらねえよ」

91 名前:BOUNTY HUNTERS ◆AtoZvqTQ 投稿日:2020/05/01(Fri) 12:32
>>67話 IRIS OUT

(ドカッ!バキッ!ボカッ!ドスッ!)

ジョニィ「ぐぎゃっ!ぐぎゃぎゃきゃ!」
アルス「まずい!ジョニィさんがやられた!」
ザナージュ「心配すんなアル坊、あいつはやられるのが仕事だ」
DZ「所詮は数合わせでやんすからねぇ」
ルキ「ギャグキャラだからほっといても死にはしないでしょ」
ゼノ「お前らに心はねーのか?」
DZ「 心 か 」
ジャスティ「しかし手強いな……さっきよりベムラーの動きが素早くなっている」
ビリー「普通の銃弾じゃビクともしねぇ……」
スターナ「私の聖なる矢(ホーリーアロー)も通じません……!」
ヘルマン「クソッタレ、体の強度も増してやがる!」
フィアデス「あれは“怒り状態”だねぇ……」
スライヤ「……?何だ、それは」
フィアデス「ジョニーの攻撃を受けて怒りが頂点に達したことによるパワーアップ……と言えば分かるかい……?」
ザナージュ「ジョニィィィ!!」
ジョニィ「すまねぇ……足を引っ張っちまったゼ……」
ゼノ「いやアンタじゃねーよ、気にすんな」
ジョニー「俺か。ごめん」
アルス「お気になさらず!」
ジョニー「さんきゅ☆」
ルキ「あんたは少し気にしなさいよねハゲ」
ジョニー「……」
ルキ「ごめん」

ザナージュ「ちっ、弾切れだ……!」
ビリー「お前は無駄弾を撃ちすぎなんだよ……と言いたいとこだが俺もだ」
ジャスティ「すまない、こちらもエネルギー切れだ」
ゼノ「オレとルキの魔力も残り少ねーぞ……」
スターナ「私と……アルスさんもです……」
ホラ「ぬう……私があと10歳若ければ……」
フィアデス「ハハハ……!アハハハ!姉さん……迎えに来てくれたんだね……」
スライヤ「おっとう……おっかあ……会いたかったべ……」
アルス「二人とも待って!行っちゃダメだ!」
ヘルマン「ちくしょお……こりゃ骨が何本かイカレちまってるぜ……!」
DZ「オレっちも手首を捻ったでやんす……」
皆「……」
ザナージュ「てめえいっぺん死ぬかオイ?」
DZ「すんませんした……あれ?あれはアリスちゃんでやんすか?」
ザナージュ「てめえなあ、俺がそんな手に引っかかると……え、アリスちゃん……!?」

ゼノ「何やってんだアイツ……?」
ルキ「ベムラーを誘導してる……?」
アリス「さあ、こちらへいらしてくださいベムラー様」
ヘルマン「おい、ガキィ!てめえ何してんだ!」
アルス「ベムラーを誘導して一人で戦う気なのか?無茶だ!」
ルキ「ねぇ、ザナージュ……あのコまさか……」
ザナージュ「ちっ、そのまさかだろうぜ……!待てよ、アリスちゃん!そんな勝手な真似は許さねえぞ!」
ゼノ「そういうことかよ……オイ!戻って来いアリス!」
DZ「何でやんす?何でやんす?」
ジャスティ「確かあの少女には……自爆装置が付いていたな……」
ビリー「何……?ってことは……」
スライヤ「奴を道連れにする気か……」
スターナ「そんな……ダメです、アリスさん!」
ヘルマン「ちっ、クソガキが!一人でカッコつけてんじゃねえぞ!このヘルマン様はてめえなんぞに借りは作らねえ!」

アリス「ザナージュ様、ゼノ様、ルキ様」
ザ&ゼ&ル「!」
アリス「短い間でしたが、私はあなた方に仕えられたことを──心より誇らしく思います」
ザナージュ「アリ……ッ!」

(チュドォォォォォン)

ザナージュ「アリスちゃーん!!!」

92 名前:BOUNTY HUNTERS ◆AtoZvqTQ 投稿日:2020/05/01(Fri) 12:32
ゼノ「ウソだろ……アリス……」
ヘルマン「あの野郎……」
アルス「国を……救ったんだ……」
ルキ「アリス……!」
スターナ「ルキさん……」
ジャスティ「すまない……我々が不甲斐ないばかりに……!」
ザナージュ「気にすんな……それぞれができることをやったんだ。それで十分さ。そうだろ?」
ビリー「ザナージュ……俺が最初にコインを投げたろ。あれな……本当はハズレだったんだよ。なのに俺たちが生きてるのは……お前らのおかげだ。ありがとよ」
ジョニー「……ありがとう。君たちのおかげでベムラーを倒すことができた。何と礼を言えばいいか……」
ザナージュ「ハッ、礼ならきっちり払ってくれればいいって言っただろ?」
ジョニー「……そうだったな。ではさっそく報酬…………がない!?」
皆「」
ザナージュ「DZてめえ……」
DZ「ひょえっ!?オ、オレっちは何も知らないでやんすよぉ!?」
ザナージュ「じゃあなぜ金がねえんだ!」
DZ「し、知らないでやんすよぉ……オレっちずっと旦那と一緒に戦ってたでやんしょぉ……!」
スターナ「そ、そうですよザナージュさん……DZさんはずっと私たちと共にいました。それは私が保証しますから……」
DZ「スターナちゃん……オレっちを愛してくれてありがとう!!」
ザナージュ「じゃあ金はいったいどこに……。アリスちゃんまで失って……いったい俺たちには何が残ったのかな」

ゼノ「ザナージュ……」
ルキ「ザナージュ……」
アルス「ザナージュさん……」
スターナ「ザナージュさん……」
ジャスティ「ザナージュくん……」
DZ「ザナージュの旦那……」
アリス「ザナージュ様……」
フィアデス「ザナージュ……」
ヘルマン「ザナージュ……」
スライヤ「ザナージュ……」
ジョニー「ザナージュ……」
ビリー「……いや今いただろ、爆弾娘」
皆「え?わーーーっ!?」

ルキ「アリス!?あんた爆発したんじゃなかったの!?」
アリス「はい、しました!」
ゼノ「何でここにいんだよ!?」
アリス「私は頭さえ無事なら動けますので。爆発の直前に頭部を切り離して脱出しくさりやがったのです。身体の方は大破してしまいましたが」
ルキ「そ……なんだ……」
スターナ「よかったですね、ルキさん!」
アルス「はは……さすがはザナージュさんのお友達だ」
DZ「殺しても死なないところは旦那にそっくりでやんすねぇ」
スライヤ「茶番だ……」
ヘルマン「くだらねえ」
ジャスティ「まあまあ、とりあえず一件落着ということで良しとしよう」
フィアデス「そうはいかないねぇ……消えた報酬を探さないと……」
ホラ「む、そういえばそうだ。報酬は結局どこへ?」
ルキ「……ところでアリス、あんたがくわえてたカバンは何?」
ゼノ「カバン?あぁ、そういや何かデカいカバンくわえてたな」
アリス「お金です」
皆「うん??」
アリス「本当は爆発したあとお金をネコババして逃げるつもりでしたから。てへっ☆」
DZ「ザナージュの旦那そのものでやんすね」
ゼノ「ゲスだな」
ルキ「ゲスね」
ザナージュ「ホメんなよ、照れるぜ。さて……アリスちゃんも金も無事戻って来たことだし……
   報酬の山分けタイムといくか!」
ヘルマン「ふん!とっとと始めな!待ちくたびれてんだ、こっちは」
ホラ「ありがたくジムの再興に使わせてもらうよ」
フィアデス「僕は当然姉さんの蘇生実験の費用に充てるよ……」
ジャスティ「私の取り分は寄付しておいてくれ」
アルス「僕の分も頼むよ」
スターナ「私もお願いします」
ザナージュ「何だお前ら、欲がねえな。オーケー、じゃあそれでいこう。
   俺たちはそうだな……全額借金の返済に回す……つもりはないぜ。ヘイ、構わないよな?お前ら」
ゼノ「おう」
ルキ「どうぞご自由に」
DZ「じゃあ何に使うでやんす?またギャンブルでやんすか?」
ザナージュ「それはまた今度教えてやるよ。今日はとりあえず……お疲れっしたー!!」

【こうして星は救われた。しかし忘れられた男が一人……】

ジョニィ「おーい俺は!?俺の出番少なくね!?もうザナージュはこりごりよ〜トホホ」

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