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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ四

613 名前:吸血姫メイド・アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2021/05/30(Sun) 18:37
>>605(グリッタちゃん)(続きでございます)


>(アーチェロさんのお母さんが種明かしをしてくれました)

>えええ〜?
>じゃあ、アーチェロさんが話してくれた内容が本当のお話だったんですか?

「うむ、あれはわれの過去の物語だったのよ。
 われはともかく、娘の父親が悪く思われるのは辛くてね。
 吸血姫殿が途中で気づいてくれて、ホッとしたわ。」

>そっか…。それで絵本の内容とはかなり違うものだったんですね。
>でもオルキデア様って、どれだけ交友関係が広いの〜?
>まさか、このお話の当事者さんを連れてきちゃうなんて…。

「貴女たちが読み聞かせするって聞いてさぁ。
 それも、この二口ちゃんの話をするっていうじゃないのぉ。
 懐かしくなって彼女に声をかけたのよぉ。
 いやぁ、二口ちゃんのことは前から風の噂に聞いていたんでねぇ。
 すぐにコンタクトが取れて良かったわぁ。
 ま、他の交友関係については、またこの次昔話の読み聞かせをするとき当事者がいるようなら連れてきて
 あげられるかもよぉ。」

>そっか…。さっきのお話の通りなら、あなたもお父さんを知らないんだね。
>そしてあなたのお父さんとお母さんは、あなたが生まれる前に離れ離れになっちゃったんだ…。

「うん…、お父さんのことはお母さんから聞いただけ。
 でも、お母さんのことを大事にしていたって聞いたよ。
 さっきの吸血姫さんの話はかなり二人の日常のこととか、端折っていたけれど。」

そうでしたね、子どもたちに伝わるようにかなりシンプルな話の運び方になってしまって。
ごめんなさい。

>私も実は、本当のお父さんを知らないの。
>私のお父さんは、私が生まれる前に亡くなったそうなんだけど…。
>あ、ごめんね。あなたの事情も知らないでこういう言葉をかけるのは失礼だよね。

「ううん、全然失礼とかそんなことないよ?
 …そうなんだ。
 お姉さんはわたしと同じなんだね。
 今日会場で初めてお姉さんを見た時、すごくキラキラした笑顔ですごく見惚れちゃったんだけど。
 きっとお父さんやお母さんに大事にされた人なんじゃないか、ってなんとなく思ってたんだけど。
 わたしの方こそ勝手に想像しちゃった。

 でも、お姉さんはお母さんとは幸せに暮らしたんじゃないのかな?違うかな?
 そして二人一緒に幸せだったのは、お母さんがお父さんと幸せに暮らしていた、その続きだったから…じゃない
 のかな?

 あ、ごめんなさい、なんだか思ったことをペラペラしゃべっちゃって。
 わたしも二口女だからかな、おしゃべりでごめんなさい…。」

>でも今日は、私たちが作る柏餅をお腹いっぱい食べていってね。
>私がしてあげられることはそれくらいだけど、私、頑張るね。

「わあっ、ありがとう!
 柏餅、大好きなの。嬉しいな。
 それに…さっきのお話しの中のお母さんと一緒で、わたしもとっても食いしん坊なの。
 柏餅を食べられるの、すっごい楽しみ♪」

「うん、食いしん坊母娘ですまないが、今日はありがたくご馳走になるわね。
 そして、もし良ければだけど、お礼として余興に大道芸でもさせてもらえないかしら?」

大道芸、ですか?

「ええ、私と娘とでね。
 旦那を助けたことで里から追い出されちゃってさあ。
 かと言って人間界では年を取らないと怪しまれるから、旅回りの芸人をやってるのよ。
 やってることは『腹話術』。
 て言っても、人形を持ちながら帽子で隠した頭のてっぺんの口でしゃべってるだけなんだけどさ。
 これがけっこう受けていてさ、見物人から
 『久地崎最高―!!』
 とか言われてたりしてるわよ。」

はい、お話しの後は柏餅づくりですからいっぱい振る舞わせていただきますわ。
そして、腹話術の上演は他の役員の方々と相談させていただきますね。

ですがその前に、どうぞグリッタちゃんの読み聞かせを楽しんでくださいませ。


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