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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ四

801 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2021/10/17(Sun) 21:57
>>798(グリッタちゃん)

>その代わりというのも何ですけど、オルキデア様たちのご案内と運転手を
>精一杯頑張ります。

参加者がたくさんになり、ご招待させていただいたグリッタちゃんにお手数をおかけすることになって
申し訳ございません。
何かお困りのことがございましたら、なんなりとおっしゃってくださいませ。

>オルキデア様は、まだ来られてないみたいですね。

申し訳ございません、間もなく参るかと存じますのでしばしお待ちを。

>…アーチェロさん、そんなに優しく、温かく抱き締められちゃったら、私…。
>…人狼族のキス、したくなっちゃいますよ?

は?はいいいいいい!?
キ、キスは、それは、その、とても光栄ではありますけれど、
わたくしにとって心に決めたその相手は、たった一人の方ですので…。

>うふふ、冗談ですっ♪
>仮に女の子でそういうことアーチェロさんにしていいのは、一人だけですもんね♪

う〜、見抜かれてしまっています。
ですが、ご本人の射る前でそんなにニマニマしながらおっしゃらないでくださいまし〜。

>はい、店長さんもアーチェロさんや柚葉さんにお会いしたいって言ってました。

ありがたいお言葉でございます。
いただきましたサンドイッチもしっかり味わわせていただきますね。

(お腹空いた…。サンドイッチ美味しそう…。)

あら?あらあらあら?
何か切なげな視線と思念とが頭に流れ込んできますね。
そして、画家のお嬢様の家の方向からこちらに向かってくるあの雲の中からこちらに送られてくるような…。
と申しているうちに、こちらに雲間から覗くいくつもの影が見えますわ。

はあ…、集合場所であるここからは交通機関を乗り継いでいきますが、ここまでの道程はその限りではない、と
そう言いたいのでしょうね、お母様ったら。

幸い周囲に対しては「認識阻害」の魔法がかかっていますが、この屋敷のわたくしたちには丸見えですわ。
お母様とサライ様、そしてその背中に画家のお嬢様を背負われておりてきましたけれど。
さらに壮観なのは、隣を飛ぶ大きな獣の姿です。
あれは…?

清らかな白色の長い髪、ツンと立ったお耳、ふわりと膨らんだ幾本もの尻尾。
その白い背中には乗せていらっしゃるのは。

(大きな獣さんが地上に降り立つと、その背中からお二方が降りられます。)

「皆さん、お久しぶりです、お誘いありがとうございます。」

お久しぶりでございます、久地崎朱瑠様。
そしてお母様の朱乃…様、あの、なんだかちょっとお疲れのご様子ですが?

「わたしたちもけっこう名の知られた妖怪だけれど、こんな大物の背中に乗せてもらって緊張したのよ…。」

「え〜?そんなこと言われると寂しいな〜。
 わたしは普通の妖怪だよ〜?」

…あら、白いお狐の姿が光り輝きながら人の姿に。
まなじりが垂れ気味で、桃色で厚めの唇が艶やかな、なんだかふわっとした雰囲気の方…。

「どうも〜、はじめまして〜。
 わたしは〜、…なんて名乗ろうかな〜?
 いろんな名前付いてるし、どれ言うかで第一印象変わるし〜。
 『飛縁魔』?『玉藻前』?『九尾の狐』?
どれが良いのかな〜?」

「何だって良いわよぉ。
 どれ名乗ってもあなたを遠ざけようとする人はここにはいないはずだしぃ。」

「いや、主(あるじ)、お客人。もうみんなに聞こえてんぞ。」

えええ…。
この日本に伝わる有名なお名前が立て続けに聞こえたようですが。
この方…ですか?

「やっぱり驚かれてる〜?
 でも、あんまり気にしないでね〜。
 わたしは奈良にいるちょっとした知り合いを訪ねるために、一緒にもらうだけだから〜。
 一人だとちょっと気が引けたんだけど〜、オルキデアさんが『じゃあ観光がてら一緒に行く?』って言って
 くれたから〜。」

(というわけで、新たなお客様をお迎えして旅が始まりました。)

(すみません、続きます。)


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