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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ五

294 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/14(Sun) 13:45
>>272(続きです)

>「…わたしからの贈り物、受け取ってくれるわね?」

>「うん、もちろんだよ、ありがとう…。」

ああ…良かった…。
あの姉君様の封印されていた洞窟でお嬢様と私が生み出した『虹珠』が、
妹君様の手に…。

先程の頑なな御姿を見て、こうなる事は叶わないのではと本当に心配でしたから…。
あら、『虹珠』から出ずる光が新たな虹となり、先程の嵐で荒れ狂っていたに架け橋のように…。
まるで、和解されたお二人を祝福するかのように…。

お二人の絆の氷解、そしてお嬢様と私が奉納した宝玉からの虹の祝福…。
これ以上無い程の、素敵な締め括りですね。
では、この『虹天の章』をもって旅路の終わりと致しましょう。

神使様、お風呂の準備が出来ております。
その、牛頭天王様が如何に剛の方とは申しましても風雨に曝されて
お召し物が濡れたまま放置とあってはわざわざお越し頂いた上で失礼というもの。

是非とも、案内をお願い致します。

>承知いたしました。
>わたくしの全力を以てこの湖を雨水で満たしてご覧に入れましょう。

あ、お嬢様、善女龍王様、少々お待ち下さいませ。
少しばかり、お時間を頂けますか?

(お嬢様と二人で、湖面の風景が美しい場所に移動しました。)

お嬢様、姉妹神様の旅の同行、お疲れさまでした…。
加えて最後の嵐の中、結界を張る上でかなりの御力を使われたと思います。
そして人と魔と神との絆の証しとなる「降雨の儀」において、更に御力を消耗するのは明白…。

今、ここに最も相応しい絆の証として私の『贄の血』を…。

(そっと、アーチェロを抱擁します)

風雨に曝された事により、アーチェロの体温もいつも以上に下がっているわ。
結界で守っていたとはいえ、神々の嵐に晒されたのですもの。
さあ、私達の『アカイイト』をもって、その身体に温もりを宿し、私を安心させて…。

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