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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ五

298 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/16(Tue) 17:27
>>294(柚葉さん)(つづきです。)

(深い森の中、しんと静まり返った美しい湖畔に柚葉さんと共にまいりました。)

>お嬢様、姉妹神様の旅の同行、お疲れさまでした…。
>加えて最後の嵐の中、結界を張る上でかなりの御力を使われたと思います。

柚葉さんが見ていてくれる、そのことでいつも力をいただいていました。
ですけれど…、神々の力に抗するのはやはり疲れますね。
こうして深い緑の中、柚葉さんといるだけで癒されますけれど、でも…。

>そして人と魔と神との絆の証しとなる「降雨の儀」において、更に御力を消耗するのは明白…。

はい、今回の旅行は何と申しましても、降雨を達成できなければ終わることはできま
せん。
土地神様と町の皆さまの期待がわたくしの肩にかかっているのですから。
万全の体調で臨みたいと思います。

>今、ここに最も相応しい絆の証として私の『贄の血』を…。

(柚葉の体がわたくしに触れ、わたくしの身も心も侵していく、至福のとき…。)

ありがとう、柚葉、ようやく二人きりになれたのね。
とても有意義で、心満たされる旅ではあったけれど、あなたが居ないことの寂しさは
何物を以てしても埋めることはできない。
当たり前のことだけれど、あらためて思い知ったわ。

>風雨に曝された事により、アーチェロの体温もいつも以上に下がっているわ。
>結界で守っていたとはいえ、神々の嵐に晒されたのですもの。

風雨だけではないわ。
あなたが居ないときの心の穴、どうか満たして…。

>さあ、私達の『アカイイト』をもって、その身体に温もりを宿し、私を安心させて…。

ああ…、待ちわびたわ。
この瞳の温かさ、紡がれる言葉の優しさ、そしてこのうなじの芳しさ…。
さあ、わたくしにその身を任せなさい…。

(牙がゆっくりと柚葉のうなじに沈んでゆく。
 そうして感じるのだ、彼女の温もりを、魂を。
 そしてわたしは注ぐ、この身の内の切なさを、情愛を。
 ただただ一心に…。)


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