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811 名前：水橋 パルスィ ◆Parseejo 投稿日：2023/09/30(Sat) 23:31

>>508, >>616, >>618-619 侯爵夫人オルデキア・アーチェロ公女 （2/2）
人妖の心の掴み方は様々、相手も何に感じ入るかは様々でございます。
然るに姫様はご自身で仰る部分をお持ちであれば、類稀なる容姿、他を寄せ付けぬ家柄と血筋もお持ちであらせれる。
一言で申せば大抵の者が妬ましいと感じるものを姫様はお一人で持ち合わせており、故に人妖が集まるのでございましょう。
それに比べれば妾など昔話だけが取り柄、感じ入ってくれる者達には親愛の情を感じますが。

一戦見えた後同じ街に住むことを許されるとは姫様の御心大海の如くと感じ入っております。
その場に居合わせましたなら姫様の剣となってそっ首打ち落としておりましたものを。
一方で先刻も申し上げましたが、かの者は妾であったやもしれませぬ。
悪を討つのに迷いが無い点だけは褒めおきましょう、悪と断ずる分別を持ち合わせれば真に神の剣ともなるかと。

ヨシュアを崇める者達は元を辿ればヤハウェを崇める者達
そしてヤハウェはユダヤ人のアフラ＝マズダーに対する解釈にございます、源流として妾にも無関係ではございません。
出エジプト記20章13節には”汝殺すなかれ”と、この一言で神の名を騙って殺戮を繰り広げる者には十分
無論、聞かぬようであれば妾が最後の審判の予審を即席で執り行いますが。

これは侯爵夫人、丁重な挨拶恐れ入ります幸運にもこの度姫様の知己を賜わりました水橋パルスィにございます。
「今宵は南蛮の貴婦人に随分とご縁がある、水橋パルスィの夫にして日ノ本が鬼どもの束ね、星熊勇儀がご挨拶仕る」
ほほほ、大秦国＜リュマーン＞の躍進と共に見分を広げられたであろう方でもまだ見たいものがございましたか。
人間は誠に創意の塊、侯爵夫人がかつて振るわれたお力もその一助となったものと心得ておりますわ。

これは侯爵夫人にも姫様にも辛い思い出を……遅れ馳せながらお悔やみを申しあげまする。
我らは永い時を過ごす一方で、失えば途方もない時間を失うことと同義
それでもなお、愛しい我が子を殺めた者達と休戦という判断をなされたのは苦渋の決断でございましょう。
―――妾には17人の仔が居りましたが、皆天へ召されております、仔を失う悲しみは存じているつもりにございます。

疾風のようなお方でございます、あのような方は生涯澱むこともありますまい。
暗躍されたのは侯爵の為かご嫡男の為か……存外、ご自身の気持ちを整理する側面もあるのではないでしょうか。
仔は天に召されたと申しましたが、天寿を全うしたのは凡そ半分のみ。
天寿を全うできなかった理由は様々でございますが、その元凶は等しく妾が手にかけ報いてやりました。

これは勿体ないお言葉、されば大器同士この祭典で得られたものを汲むだけ汲んで去りましょう。
さぞかし持ち帰れるものも大きいと存じます、そしてそれは今後の糧へとなりまする。
ただ我が末裔ながら役人のような振る舞いをしておりました、斯様に堅くては我が末裔を名乗らせられませぬ。
侯爵夫人の如く折に触れて姿を現し、善導する所存にございます。

ttps://i.imgur.com/G1QPmLC.png
「神無月は我＜あ＞も出雲の地へ赴く、されど帰りには必ず姫君の下へ伺候しよう。
その前に、姫君の街に住まう神格も集うであろうから姫君について探りを入れるのも忘れてはならないな。
本人からでは聴けぬ話もさぞ持ち合わせていよう、物事は様々な角度より見なくてはならぬ。
ふふふ、どこまで伺ってよろしいものかな？」

ttps://i.imgur.com/XylIIj4.jpg
戦うわけではございませぬ、少々脅かしてやる程度のこと。
宇治の橋姫には思うところが多々ございますが妾も橋姫の一に連なる者、伝えられる形相を真似ることはできまする。
姫様も白目を黒く、鋭い牙と爪をちらりと見せてやれば大抵の者は胆を潰しましょう。
ここは全てが交じり合う世界の十字路、神秘のヴェールはいつでも降りるということを最後に持ち帰らせて幕引きと。

「主従でありながら姉妹のように想いあうとは美しきかな」
姉妹、姉妹……姫様、我が祖国には姉妹妻という慣わしがございます。
親友の女同士が互いに契りを堅くするものとして行うもので、婚礼の儀やハネムーンも行いまする。
「薔薇の香りは格調高く、百合の香りは優しい、姫君と侍従も一考されてはいかがか」

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