【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ六

324 名前：羽藤柚葉 ◆cfGE57zE 投稿日：2024/02/18(Sun) 19:11

>>317（グリッタちゃん）
>>318（アーチェロお嬢様）

（洗濯物を取り込み中、呼び鈴が鳴りました）

おや？お客様でしょうか？
いえ、どうやらお届け物のようですね。
申し訳ございません、応対が遅くなりまして…。

＞柚葉さん、柚葉さん、グリッタちゃんからお便りですわ！

まあ！グリッタちゃんからですか？
最近お客様のグリッタちゃんと赤ずきんちゃんの話題に盛り上がっていましたところ、
こんなに嬉しいお便りはございません！
では私、お茶の準備をして参りますね。
うふふ、お手紙と共にあの優しくて甘い香り…。
グリッタちゃんが益々お菓子職人としての腕前に磨きをかけているのが伝わって参ります。（微笑）

まずは、近況を伝えるお写真ですね。
まあ、可愛い！これは舞台劇のご様子と公演後の記念撮影のようですね。
グリッタちゃんと一緒に可愛らしい赤ずきんちゃんも写っています。
まさか、私達の話題が遠く離れた奈良の地で実現していたなんて…。
本当に驚きを隠せません。

（紅茶をお淹れして写真に目を通した後、お手紙の中のグリッタちゃんの思い出話に触れて）

お嬢様が仰るように、“尊い”、この一言に尽きます…。
AI画伯が描かれた赤ずきんちゃんとグリッタちゃんの森の中の出会い…。
これが真実の出来事だったかと思うと運命を感じずにはおられません。

ですが、決して綺麗な思い出ばかりではなかったのですね。
「悪魔憑き」の噂、お嬢様に幾度となく向けられてきたという悪意、
人が持つ闇の部分…。

グリッタちゃんも以前仰っていました。
「決して歓迎されてきた種族ではない」「それなりに辛酸も舐めてきた」と…。
それを覚悟の上で己の目でこの世界を見るために一人旅をされる事を決意したグリッタちゃん…。
あの娘は強く、賢い子です。
ですが頭でどんなに理解できても、身体的に優れたものをお持ちであっても
お嬢様が仰るように偏見と悪意を向けられて心が痛まないわけがありません。

でも、亡くなられた彼女のお母様の教えとそれを信じる強い心は
グリッタちゃんを慕う赤ずきんちゃん、アンナちゃんとそのお祖母さんとして
希望となって現れた…。
正に悪意の闇に包まれた暗い森に差し込む、希望の光そのものです。

そしてお母様と同じようにその知恵と優しさをもって村のために尽くされたのですね。
更に、お祖母さんのお家を受け継いで始められたという喫茶店をアンナちゃんと切り盛りする日々…。
グリッタちゃんとアンナちゃん、お客様の笑顔に溢れる素敵な日々が頭に浮かびます。（微笑）
天に召されたお祖母さんは、お二人の日々を優しく見守っておられた事でしょうね。

＞アンナちゃんのお店が今も続いているのも嬉しいですわ。いつかわたくしも足を運んで、
＞お茶とお菓子をいただきたいです。

その時には、グリッタちゃんと白鹿さんもご一緒であればどんなに素敵でしょう。
また一つ、今後の希望が増えました。（微笑）

グリッタちゃん、お嬢様も私も、そして町の皆様も貴女をいつでもお待ちしていますよ。
このお屋敷もまた、貴女と絆を結び育んだ貴女自身の見つけた大切な居場所の一つなのですから…。

＞それにいたしましても、グリッタちゃんの演劇を見られなかったのは残念ですね。また
＞再演されることがあるようでしたら、そのときはぜひ観劇させていただきましょう。

内容の詳細についてはまだ存じませんが、グリッタちゃんを赤ずきんちゃんがかばうシーンは
きっとあるのでしょうね。
お嬢様も私も、目頭が思わず熱くなってしまう事でしょう…。

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