【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ六

599 名前：吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日：2024/04/12(Fri) 09:35

>>583（柚葉さん）

（すみません、>>590のつづきとなります）

あの、レイナさん、どうされましたか？ちょっとしょんぼりなさっているような…。
え、レイナさんからも、柚葉さんに就職祝いを？あ…、それはごめんなさい。ちゃんと
用意されていたのね。
まあ、名入れのシャンパンですか。これは立派な布張りの化粧箱入りですのね。そして
瓶の表面に柚葉さんのお名前が金色に彫り込まれていて、なんて美しいのでしょう。
これでしたら、中身を飲んだ後もボトルを飾っておけますね。
では、早く柚葉さんにお渡しなさいな。

…え？これでわたくしと柚葉さんとで二人きりの酒宴をせよ、と？
いえいえいえ、何をおっしゃるのやら。それでしたら、貴女と柚葉さんがお二人で
一献傾けられるべきところでしょう。わたくしに遠慮など無用、いくらふだん陰から
わたくしたちを護ってくださっているとはいえ、こういうときは一対一で柚葉さんの
ご就職を存分にお祝いなさいませ。

（わたくしがそう申しますと、レイナさんは静かに頷かれ、柚葉さんの許へ行かれた
のでした）

屋敷神：
「では次は、われが行くとしようかの」

まあ、屋敷神様！？突然、ご顕現なされるとは、またどうして、…ってもしや屋敷神様からも？

（その後、柚葉さんの前に屋敷神様が立たれました）

屋敷神：
「遅くなったが、就職祝いじゃ。とあるお酒工房で受注しておる手書きラベル付きの
　梅酒じゃ。」

まあこれは。確かに瓶のラベルに屋敷神様のご親筆で、
『柚葉よ　いつも大儀である　このたびはおめでとう』
と書かれていますのね。
こういうサービスをしてくださる工房があるとは存じませんでした。そして屋敷神様が
直接、人間の工房へ発注なさるなんて稀有なことですわ。
こうして柚葉さんへお祝いが次々と集まってくるのは、見ていて本当に嬉しいです…。

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