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【黒歴史if】川天狗物語V【東方オリキャラ】

93 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/17(Sun) 12:29
ある日独角妖怪が烏の家を訪ねてきた。
三度声をかけたが、返事が無いので諦めて帰ろうとすると、
開いた窓から炊飯の湯気が立ち上ってくる。

なんだいるではないか

腹を立てた独角は家に火をつけようとするが
慌てて駆けつけた寿司職人がそれを押しとどめた。
寿司を奢るからどうか怒りを収めるように、と。

独角は、なら自分はもういいから、それは破れたテントで暮らす戦災孤児に握ってやれと言う。
そうしてひょんなことから寿司の差し入れをもらった孤児はその日を生きぬくことができたのであった。

そして数年後、男とも女とも見分けがつかなかった童子も
長じて美しい金髪と玉の様に透き通った肌を持つ金玉姫と呼ばれる美女へと成長した。

今や食うに困る事は無く、都でも有数の富豪の妻となった彼女は
あの日、自分を救ってくれた寿司職人に恩を返したいと考えるようになった。
職人を探すのに苦労はなかった。
一流の店の大将になっていたからだ。

しかし粋な大将のこと。俺は礼などいらねえ
あれは元々独角の為に握った寿司。それも元はと言えば烏が彼を無視したが故。
礼なら烏にしてやんな、それが順序ってもんだ。と言う。

金玉はいまいち理解は出来なかったが、大将の気持ちを尊重し
烏の家まで赴いて礼品を与えることにした。

やはり声をかけても烏が出てくる事はなかったので、
礼として家の前にこの国では珍奇で貴重な巨大ヤシの木を植えていった。

烏は家から出たくても出られなくなった。

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