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【オリジナル】地上に舞い降りた、飛べない天使

490 名前：天秤るり ◆jh582nf. 投稿日：2023/01/06(Fri) 19:20

【るりの成長日記】

ある日、帰りに雨が降ってきたんだ。
人間たちは、どうせ「濡れても平気な顔して帰ったんでしょ？」と思ったんじゃない？

違います！　そんなことしたら、一般社会に私が天使であることがバレちゃいますから！
ちゃーんと、傘という雨除けの道具を用意しています！　人間たち、まいったかっ！


―――道を歩いていると、そこらじゅうに水たまりができている。
私は水たまりというものに、ひどく興味を覚えたんだ。天界では見られないからかもね。
いい機会だと思い、道の端にある水たまりを観察するために、しばらく傘をさしたまましゃがんで眺めていた。

うんうん。やはり、水たまりは自然の一部。1秒ごとに表情が変わるんだ。
いま“おおげさ”って思ったでしょ？　ホントのことなんだからね！

天から、雲から雨水が降ってきて、そして水たまりに落ちる。
すると、波紋がその水たまりのすべてに、パーっと広がるの。
1粒だけじゃない。いくつもの波紋が同時に、ってこともある。

それが1秒ごとに。いや、ほんの刹那ごと表情が変わる！
たとえ、一度だって同じ表情になることはないと言っても過言ではないよ！
だから飽きない飽きない！　ぜーんぜん飽きないのー！


また、しばらく水たまりに夢中になっていると、ひとから声をかけられたんだ。
「どうしたの？」と。「大丈夫なの？」と。

すかさず私は立ち上がり、「大丈夫だよ」という返事を、このくもりなき満面の笑みで返す。
しかし、「傘ささなくていいの？」と言われて、やっと気づいたんだ。
私は水たまりに夢中すぎて、傘が私の手を離れて自分のそばで落ちていることにっ！

「ありがとう」と、私は礼を言って傘をさした。
そしてそのひとは、「何か困ったことあったら自分から言うんだよ」と言い、立ち去ったんだ。
ん？　私は“雨が降っていて傘を持っているのに、傘をさしていない変な子”に思われたってこと？

このあと、自分の服がかなり濡れていることにやっと気づき、乾かすため、ふたたび雨の中を散歩をしたよ。
きっとそのまま家に帰ったら、心配させちゃうからね。

教訓。雨が降っているときは、いついかなるときでも、傘をさすことを忘れないこと。
またひとつ、賢くなったよね。

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>>487　ぱるぱる

写真という仕組みで、私たちの姿を保存してたことを忘れてたよ！
ぱるぱる、ありがとう！　うんうん。バッチリよく映ってるねー。
ヴィーネはもう撮られることを意識してる姿勢をしてて、さすがだ！
でもぱるぱるは、どこ見てるの？　未確認飛行物体でも見た？って顔してるよ？

>>488　ぱるぱる

ハロウィンパーティーのほかに、新年会もやってるんだ！
教えてくれてありがとう！　私たちもどうかって？　どうしようかなぁ。
規定……じゃなくて、ルールを明確にして、私が入りやすくしてくれたのは知ってるんだ。
うーん、かならず来るとは言えないけど、面と向かって挨拶くらいは言おうと考えてるよ。

>>489
ぱるぱるの言い分を聞くと、そうではないみたいだよ？
あのピザに影響されたという口実で、ここに使い魔として来たってね。

私は、ぱるぱるが攻撃的だから少しでもいいから仲良くなりたい！
と思ってピザをあげただけで、こんなに仲良く？なるとは思わなかったなぁ。

ぱるぱるの“好き好き攻撃”に、私はほんの少しだけ屈しちゃったね。
あなたも好きひとがいるのなら、好きってことを言ったほうが仲良くなれるかも？

＞世の中、どんな事が巡り合わせになるかわからんな

そうだよね。じつは去年のお祭りなんて、参加は最初から諦めてたんだから。
「両方やって両方半端になるなら、やらないほうがいい」とさえ思ってたし。
だけど、ここにいる人間たちに促されて、確かに「いい経験になるかも？」と参加してみたんだ。

きっと、ぱるぱるは私がお祭りに参加してなかったら、ここにいないよね。
―――そっか。ヴィーネもぱるぱるも、偶然という名の、奇跡の連続でここにいるんだ。
ひとつ選択が変わったら、まったく違う“いま”になる。

でも、この“いま”でよかったと、心の底から思ってるよ。

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