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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ六

319 名前:水橋 パルスィ ◆Parseejo 投稿日:2024/02/17(Sat) 21:18
>>312 アーチェロ公女
ぷはっ……一瞥以来お変わり無いようで祝着至極に存じます姫様
節分にも聖人の祝いにも遅参した非礼には縄目の恥辱を自ら受けて御前に罷り出でるより無いものと愚考致しました。
遠く異朝を訪えば漢朝の末、後主・劉禅、末帝・孫晧は肉袒面縛、自らの棺を引いて魏あるいは晋へ臣従の礼を取ったとか。
妾もその故事に倣い、僭越ながら姫様の使い魔の一へ加えていただきたく存じます。

―――分身を看破されるとは流石真祖直系、その慧眼は誤魔化せぬようで感服仕りました。
なれど妾が分身を出せるのは一体まで、故にもう片方は正真正銘の妾にございます。
端女が口を付けたものを高貴な方とその従者に捧げるのは確かに非礼にあたりましょう。
しかしながら我が心が口より出たものとご笑納くださいませ。

衣を賜るということは、礼を尽くせという意を込めたものと心得ました。
春を幾度も迎えた姫様の郎党はまさに桃李満門、目の保養である一方目が眩みまする、割って入るのは至難の業にございましょう。
武勇絶倫のレイナ侍従、羽藤侍従とは一心同体―――お子も儲けられたとは重ねて祝着至極
眷属の蝙蝠三姉妹は屋敷の勝手を熟知しておりましょう、経験の差は埋め難きものがございます。

されど姫様の矛がレイナ侍従ならば妾は姫様の盾、二重三重の呪術により狼藉者は戦わずして腐り落ちましょう。
頭数でも蝙蝠三姉妹には及びませぬが一粒で二度美味しい分身メイドでございます。
姫様のお召し換えをしつつ、御髪を溶かすことも容易、好みの茶葉と豆、煎り加減は羽藤侍従よりしかと申し受けまする。
そして羽藤侍従との仲に割って入ろうなどど僭上な考えは持ち合わせませぬが多忙の折もございましょう、慰めものとするにはこの身十分かと。

>>314 羽藤侍従
ふふふ、慧眼をお持ちなのが姫様であれば従者は思慮深さをお持ちでいらっしゃる、鳳凰于飛とはよく言ったもの。
地獄の悪鬼が二匹も入った箱を人間が一人で開ければどうなったことか、羽藤侍従を傷付ければ、アーチェロ公女より死を賜ることになるでしょうけれど。
ふむ、屋敷神は常に顕現しているわけではないのね、貴女にも姫君へも危害を加えることなく災厄を演じるのは難しい。
可愛らしいと伝え聞くそのお姿、憂いや怒りを滲ませること無く拝謁叶う日は来るのかしらね。

姫君からは衣を賜り、侍従殿からは食を賜るということはいよいよ礼節を知れと促されているということ。
唐土に曰く、「倉廩実則知礼節、衣食足則知栄辱」―――礼節に加えて名誉も恥辱も弁えねばなりますまい。
我が祖国の大王はかつて大秦国<リュマーン>の皇帝を虜囚としたことがあった。
大秦国の故地より出づる姫君が波斯<エーラーン>渡りの妖怪を使い魔に加えるのは歴史の皮肉として面白いと思わなくて?

なるほど、獣人の友人が居るとは流石吸血鬼の侍従は顔が広い、その点は何処の世界も共通のようね。
相変わらず口に入れてしまうのがが惜しいものを用意してくるとは酷なことをする、暫し目に焼き付けてから頂戴しましょう。
薔薇もまた高貴なる不死者が好む筆頭、そして我が祖国にあっても美しいもの、焦がれる相手の代名詞、願わくは永遠に朽ちぬことを。
―――禁血をされているだけあって、嫉妬をそそる美味しい紅茶でよろしゅうございました、私の知る吸血姫は紅茶にまで血を求める始末

惜しい惜しいと思いつつ、いざ口へ運べば手が止まらないとは罪な菓子ね羽藤侍従、浄めの焔はさぞ永いことでしょう。
毎年年中行事の度に定石を無視した料理を作る者とそれを無理矢理食べさせられる者にも食べさせたいくらい。
片方には修練の参考として、片方には口直しとして、生憎私が忍び込めば直ちに頸を落とされるが故に叶わぬことだけれど。
ただ、風の噂に貴女の甘味を独占したと聞けば、さぞかし熱く心地よい音の嫉妬を抱くはずね、ご馳走様

>>317 狼と鹿の番<つがい>
姫君の許へ新たな貢納が捧げられたようね、長いものには巻かれ、強者には土と水を差しだすのが賢明というもの。
―――あれほどまでにアーチェロ公女の表情を二転三転させるとはなんと妬ましい相手かしら。
感情を喰らえども親書の中まで盗み見るのは使い魔志願者としてやるべき行為ではない。
手紙の主、いずれ相見えるのが楽しみだわどれほどの嫉妬を私にもたらしてくれるというのでしょう。

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