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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ弐

1 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/11/12(Sat) 19:35
深まりゆく秋、空は高く空気は澄み渡り、時に寒さに身を縮めますが、小春日和の陽光が身を包むときは殊の外心が安らぐ季節でございますね
木々より舞い落ち道を色づかせた枯れ葉を掃くときは、情緒を我が身で感じること一入でございます

わたくし、イタリアより参りました吸血鬼のアーチェロ・カルミーニオと申します
この度、ここに新館ノ弐を立てさせていただきました
何卒よろしくお願いいたします

(前スレ)
【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ壱
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=narikiri&key=461367355&ls=50


以下、お願い申し上げます

壱.sage進行でお願いいたします。
50以下に下がりましたら、適宜ageさせていただきます。

弐.わたくしとわたくしの家族、ご近所、友人の方がお話をするスレッドでございます。
世間話などしに来ていただけたら嬉しゅうございます 。

参.キャラハン(吸血鬼関連もしくは場に合わせたオリジナルキャラクター)もご参加いただいてけっこうでございます。
SF系の方はご遠慮願います。
 キャラハンを続けてくださる方は、初お目見えの際に、大まかでけっこうですので自己紹介くださいませ。
名前「     」
性別「     」
容姿「     」
服装「     」
備考「     」

わたくしにつきましては、以下の通りでございます

名前「アーチェロ・カルミーニオ」
性別「女性」
容姿「銀髪に長い髪の、日本で申します普通の『外人』でございます
   年の頃は17歳、人間で申せばそれくらいの外見でございましょう」
服装「和装が好きで、学校へ参るとき以外はいつもほぼ来ております
今は桜の花柄が気に入っております
   学校の制服はワインカラーを基調としたブレザーです」
備考「吸血鬼でございます
   ただし、人の血を常食とせずとも生きながらえられますのでご安心を」

また、トリップをお付けくださいますようお願いいたします。

四.基本『日常系』とさせていただきます。
 バトルは、日常の中の点描の範囲内にとどめ、引っ張ることの無きようお願いいたします。

五.誹謗中傷、過度に攻撃的なご発言、セクハラ等はご遠慮ください。

六.荒らしと思われる発言は無視なさってください。

七.同じ質問や話題の繰り返し、単なる個人的な事情の呟き、意味不明の発言等はお控え下さい。

八.キャラハンであるか否かを問わず、ゲストの方同士の過度な交流(クロストーク)はお控えください。

九.他の方の話題や質問に乗るのもお控え下さい。

十.10ちゃっとの規約を破る行為は厳にお慎み下さい。

十一. お約束事は、必要に応じて随時追加させていただきます。

ご質問に答えにくい場合や記憶違いもあるかもしれませんが、それにつきましてはご容赦ください。

いろいろとお願い申し上げましたが、基本的に前スレと同じのんびりと参れましたら幸いに存じます

何卒よろしくお願い申し上げます。

459 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/03(Sat) 02:19
(たいへん間が開いてしまい申し訳ございません)

>>457(柚葉さん)

柚葉さんもご母堂様もサクヤ様も台所にいらっしゃって夕餉のお支度中
わたくしがお手伝いしようとしても、お邪魔になるだけなのは分かっておりますけれど、どうにも申し訳なくてなりません
せめて、桂様ご一家と和やかにひと時過ごしてまいりたいのですが、さて…

最前より、なぜか落ち着けずソワソワが納まらないのはなぜかと自問していたのですが、ようやく思い当たりました

>お母さんと再会できるまで、桂叔母さんは妖とは縁のない生活をしてきたと聞いているけれど
>あの分け隔てない朗らかさと温かさは、きっとお嬢様も優しく包んでくれると信じていました。

桂様…、柚葉さんは斯様に仰っていますが、その分け隔てない朗らかさと温かさ…が今わたくしにいただけていることの安堵感は一通りではございません
貴女様が『贄の血』のゆえに、既に幾多のまつろわぬ者らに狙われてこられたことを聞き及んでおります
ご母堂様やサクヤ様やノゾミ様のご守護もあり、今こうして明るい微笑みを浮かべてここにこうしておられる…
そのことを思いますと、よくぞご無事でいてくださったことを、心より嬉しく存じます…

今日こちらにいらっしゃっている皆様を象った物語の中には、貴女様が戦いに明け暮れることになる、そんな分岐した筋立てもあると聞いております
そしてそれは決して在り得ぬことではなかった、とも
それがまつろわぬ鬼の跳梁によるものならば、わたくしは鬼の眷属として慄然としてしまいます…

今のここに、わたくしにくださる貴女様の笑みの尊さが、あらためて心に染みますわ

わたくし如きがかれこれ申すのは僭越とは承知しておりますが、
どうかどうか、これからも貴女様と共に在られる方々と末永く良き日々をお送りくださいますよう、衷心よりお願いいたします

それは、人に恋しておりますわたくしにとりましても最高の喜びなのですから…

申し訳ございませんでした
嬉しさが募ってしまい、いつの間にかお手を取ってしまっておりました

…桂奈さんはまだ三姉妹ちゃんたちをもふもふなさっておいでですね
如何でしょうか?
この際、桂様ももふもふを堪能なさいませんか?
三姉妹たちは桂奈さんが独占していますけれど…
ほら、お庭に光る眼が4対ばかり見え隠れしております
ハクビシン、タヌキ、アライグマ、イタチ…
わたくしたちの住んでおりますところ、どういうわけか、こういった動物たちが寄ってまいるのです
特に、レイナさんには慕い寄ってくる様子で、時々スカートに噛みついてぶら下がっていたりするのですよ…

>ふふっ…夜が楽しみ…。
>だって、私が持っている浴衣も、桂奈ちゃんが作ってくれた大切な宝物なのですから…。

まあまあまあ、そうだったのですね?
本当に、桂奈さんは素敵な専属デザイナーでいらっしゃるのですね
もしかして、桂様も浴衣をお召しになるのでしょうか?
いえ、桂様がお似合いになるのは自明の理…
ぜひ、拝見させていただきとうございます!


460 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/04(Sun) 11:13
>>458(柚葉さん)

>ノゾミ様

拝察しますところ、ノゾミ様はこの日いずる国と長きに渡って歴史を共にされていらしたようですね
その様な方から『鬼の姫』とお声掛けしていただけるのは、なんとも面映ゆいですわ
わたくしの礼法は、我が家のメイド長から叩き込まれましたもので、お褒め頂けるとしましたら、わたくしよりも先ずその者であろうかと存じます
いずれ、メイド長に申し伝えさせていただきますわ

武家…、なるほど日本の貴族は古来、公家と共に武家にもございましたから、わたくしも伊太利亜の武家となぞらえられる訳ですわね
実際、一の兄、二の兄は武術に秀でておりましたし、人間との交流の必要上、王家に武門で奉仕した者もおりましたから

サムライが居る頃に日本に参れなかったのは、わたくしの不覚とするところでございます
レイナさんなどは、さらにその想いを深くしているかも知れません
彼女の佇まいからは、騎士や武士への憧憬を感じ取れるのですよ

ですが、新渡戸稲造翁の唱えられた『義』『勇』『仁』『礼』『誠』『名誉』『忠義』も、まだ日本人の心から廃れたとは思いません
その美徳に相応しい礼法を伝えようという風潮が足りていないのは残念でございますけれど…
サムライの心を宿した方々はきっと何処かに…、いえ、貴女様のよく知る『鬼斬り』の方の中にもいらっしゃるのではございませんか?

>それに月の光は、日の光と違って私達妖(あやかし)にとって活力を与えてくれるものではなくて?

はい、左様でございますね
ただ、貴女様が桂様のお傍にいらっしゃりながら、顕現されるのに負担を感じていらっしゃるので、少々気になりましたのですよ
…元々わたくしたちは闇より生まれた者
ですが、西洋の『真祖』の血に連なる我々は、血を求め人に近づいたがゆえか、顕現への負担もずっと些少となりました
けれど貴女様は、今もなお闇そのものが具象化したかのような深い漆黒の色を纏っておられます
それゆえ、わたくしが迂闊に光の中に誘うことが無きよう気を付けねばと思いましたゆえ…
貴女様を包む深い闇は、とても魅惑に満ちておりますわ
…わたくしの三の兄は学究の徒ゆえ、貴女様を知りましたらさぞ熱心に質問攻めにいたしましょうね…
(ボソッ)この方を連れて行ったら、兄様、研究のお部屋から出てきてくださるかしら…?

>…まさか翼をもって、天空を舞う事が出来るなんて。

恐れ入りますわ、貴女様ほどの強き闇の妖に興味を持っていただけるだなんて
…この翼は、わたくしたちの眷属に優れた機動力を得させ、それに加えて人間を畏怖せしめる魔の象徴として大いに働いて参りました
人間に対するかりそめの優位と、それに伴う驕慢、人間への攻勢…
悪戯に人間との対立を長引かせる一因となりましたことは恥ずべき事であったと存じます
今となりましては、開明的な人々には『かっこいい』と言っていただけるアイテムとなりまして、嬉しいことでございますわ

…如何でございますか?
せっかくですから、月夜のお空を飛んでみませんか?
さあさあ、遠慮は御無用ですよ
柚葉さんにして差し上げたように、お姫様だっこでご案内いたしましょう

…それにしましても、千歳(ちとせ)にお達しでいらっしゃいましたか
このように愛らしくていらっしゃるのに、メイド長と同世代でいらっしゃるのですね


461 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/04(Sun) 11:17
>>458(柚葉さん) (つづきでございます。長くて申し訳ございません…。)

>『贄の血』を宿す者が傍らに居て、貴女が望めばあの子も決して拒みはしないでしょうに、
>その血を欲することなく共に日々を生きられるとは、貴女も稀有な鬼なのね。

…柚葉さんには申せない秘事ではございますが、聞いていただけますか?
かつて一度だけ彼女の『贄の血』をいただきましてから暫くは、時に彼女のうなじを見ては、身の内よりの声が聞こえたものでございます
『遠慮することはない。彼女は拒まないどころか喜んで献血してくれるだろう。』

実際に喉が鳴り、体が身悶えしたのも一再ならず
それほどに、彼女からいただいた血は今までにない至高の甘露でございました…

…ですが、ですが!
その後に参るのは自己嫌悪の思いばかりだったのですよ
『人の世界に自ら参って、望まれもしないのに人と交わろうとして、そのあげくがこれなのか…。』
と…
その時のこの身の情けなさを思えば、彼女のうなじに牙を立てることは、わたくしには出来ないのですよ
…そもそも、吸血鬼貴族の小娘として、幼い頃より契約した献血係の人間の方から美味しい血をいただいて参りました食いしん坊でございます
それを以て、強い魔の力を育ませていただいた者としては、それ以上を望むのは贅沢が過ぎるというもの
…幸い、『贄の血』への渇望も徐々に納まりましたので、今はそれを以て良しとしておりますわ

>私は贄の血と引き換えに、今は桂と桂奈を守っているだけ。『ぎぶあんどていく』というものだったかしら?
>人に仇為す鬼であった事に、何の変わりも無いわ。

桂様と長きに渡る信頼の絆を培われたからこそ、桂奈様とも新たな絆を結ばれたのでございましょう
この国で、そのような絆が生まれてまいりますことは、実にわたくしの悦びでございます
『ぎぶあんどていく』、たいへん宜しいではありませんか?
わたくしなど、柚葉さんから毎日大変お世話になっていながら、どれほどのことがあの人に出来ているかと問われますと…、はあ…

>ま、まあ、桂は底なしの御人好しで、間抜けな所は今も相変わらずなんだから、私がついていないと危ない事に変わりは無いしね。

…ふふふ、本当にノゾミ様は桂様が大好きでいらっしゃるのですね
なんでございましょう、お話を聞いているだけで微笑ましくて…
もう、この胸までが甘酸っぱい気持ちで満たされてまいりましてよ?

>私は桂と桂奈の血を…貴女は柚葉の血を他の鬼には渡すんじゃないわよ。

…そのことは、我が身のある限り、必ずや貫き通します
あの方の尊いお心と血潮とを傷つけ損ねることなど、誰に対してもわたくしは赦しはしない…
この命に掛けて、お誓い申し上げます

…ああ、今宵この身に斯様な嬉しい想いと尽きせぬ誓いの決意をいただきましたこと、代えがたい幸せでございます

ノゾミ様も…、どうか幾久しく、あの方々と幸せであらせられませ…
このアーチェロ・ディ・カルミーニオ=ミズリーナ、心よりそう願っております

462 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/07(Wed) 23:57
>>460-461 (アーチェロお嬢様)

(ノゾミ)

>…わたくしの三の兄は学究の徒ゆえ、貴女様を知りましたらさぞ熱心に質問攻めにいたしましょうね…
(ボソッ)この方を連れて行ったら、兄様、研究のお部屋から出てきてくださるかしら…?

…何かお考えのようだけれど、西洋の鬼とは変わっているわね。
学士の真似事までしている者もいるなんて。
とはいえ、鬼とはいえ私も女、余計な詮索は好まなくてよ。

(お姫様抱っこされて)
きゃっ!?わ、私はもう童では無くてよ!!!
…まあいいわ。滅多に見られるような光景ではないもの。
貴女なら、まあよろしくてよ。

>『ぎぶあんどていく』、たいへん宜しいではありませんか?
わたくしなど、柚葉さんから毎日大変お世話になっていながら、どれほどのことがあの人に出来ているかと問われますと…、

…………。
はあ…。溜息をつくのは私の方よ。
貴女は柚葉の雇い主で、柚葉は雇われて報酬を得ているのではなくて?
桂も桂奈もだけれど、貴女も負けず劣らずの、しかも同じ『鬼』の身でありながら
底抜けの御人好しね…。
出会って早々、桂や桂奈と意気投合するのも頷けるわ…。

道理で、貴女に仕える童達が冷めた目で見ていた訳ね…。

>…ふふふ、本当にノゾミ様は桂様が大好きでいらっしゃるのですね
なんでございましょう、お話を聞いているだけで微笑ましくて…

なっ…!?あ、あまりからかうものではなくてよ!
桂と桂奈の『贄の血』は、今は私だけのものなんだから!
…私と桂の意志で、猫の妖や小山内とかいう娘にくれてあげた事はあったけれど。
(『アオイシロ −花影抄』参照)

>…そのことは、我が身のある限り、必ずや貫き通します
あの方の尊いお心と血潮とを傷つけ損ねることなど、誰に対してもわたくしは赦しはしない…

『贄の血』への渇望を、自ら抑え込むとは大したものね。
普通の鬼では一滴たりとも口にする機会など無い至高の血の味…。
一度味わえば、忘れる事など出来ないもの。
それが出来るのなら、その決意は本物ね。

あら?「ケータイ」が鳴っているわよ?
そろそろ、貴女達の夕餉の支度が整ったようね。
柚葉を心配させないうちに、お戻りなさいな。


463 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/08(Thu) 00:00
>>459 (アーチェロお嬢様)

>今日こちらにいらっしゃっている皆様を象った物語の中には、貴女様が戦いに明け暮れることになる、そんな分岐した筋立てもあると聞いております

(桂)
うん…。『鬼斬りの鬼』の事だよね?
私がサクヤさんと歩む事になる筈だった、道筋の一つ…。
何となくだけど…ううん、はっきりと覚えてる…。

あの時私は、サクヤさんを庇って『主』に身体を貫かれ、瀕死になってしまう…。
でも私は、例え人でなくなったとしてもサクヤさんと共に居たい、そう願ったの…。

それから長い年月が経ち、人だった私を知る人達は運命の糸を巻き取られて去っていってしまったけれど、
私は『鬼斬り役』の人から太刀を受け継ぎ、『主』を追い、鬼を還し続ける道をサクヤさんと共に歩んでいくんだよね。
でも、私が私で選んだ道だから、その事には後悔はしてないの。

アーチェロさんって、何だかサクヤさんと似た所があるよね。
人一倍(人じゃないけど)人恋しい所とか、大事な人を守りたいって所とか…。

>この際、桂様ももふもふを堪能なさいませんか?

わ、いつの間にか縁側にタヌキさん達が…。
でも凄いね、種類の違う動物さん達がこんなに仲良く集まってくるなんて。

そういえば私がこの屋敷を再び訪れた時、今の若杉グループの総裁の葛ちゃんが家出してここに住み着いてたんだけど、
その時から尾花ちゃんっていう白狐を連れてたの。今でも私によく懐いてくれて、凄く可愛いんだよ。
…何だか、あの時を思い出しちゃうなあ。

わあ!この子達も可愛い!
野生の動物たちとこんなに仲良くなれちゃうなんて、アーチェロさんってやっぱり凄いね!
私とこの子達とも仲良しにしてくれて、アーチェロさんありがとう!
(この後もふもふを十分に堪能しました)

あれ?夕飯の準備が出来たみたいだね。
私、桂奈ちゃんと三姉妹ちゃんを呼んできます。

うわ…桂奈ったらもう浴衣作っちゃったの?
え?もふもふして身体のサイズもバッチリ把握?
私の娘ながら、驚いちゃうね…。

(夕飯後、全員浴衣に着替えて)

(柚葉)
皆さん、浴衣に着替えましたね?
それでは、鎮守の森へ蛍を見に参りましょう。

ふふっ…お嬢様、いつぞやの舞妓姿も素敵でしたが、桂奈ちゃんの作ってくれた浴衣、とっても綺麗でお似合いですよ。
そして三姉妹さんも、日本人形のようですね。
あら?三女さん、うちのお母さんにすっかり懐いてしまって…。(微笑)
手を繋いでとせがんでらっしゃいますね。

元気な次女さんは、桂奈ちゃんと意気投合されているようで…。
そして長女さんは…分かりました。手を繋いで、一緒に参りましょう。

桂叔母さんは夫である睦月さんと、仲睦まじく歩いていらっしゃいますね。
ふふっ…うちのお母さんとお父さんもそうですけど。

(ノゾミ)

アーチェロ、良かったら私が御一緒してあげてもよろしくてよ。

(柚葉)

あら?ノゾミちゃん、またいらしていたのですね。
ふふっ、どうやら、先程御一緒されてお嬢様とは絆を深められたみたいですね。(微笑)
『血の絆』で結ばれた者同士、やはりお気持ちが通じ合う所がお有りなのですね。

(蛍の見られる場所に到着)

わあ…。いつ見ても幻想的…。
此処に生きる蛍達は、経観塚の森の清らかさを教えてくれる存在でもありますから。
お嬢様にこの光景を見て頂く事は、兼ねてからの願いだったんです。
やっと叶ってくれて、嬉しい…。

あら?お嬢様、蛍が御髪に留まっておりますよ。
蛍の淡く美しい光が、月明かりと共にお嬢様の銀髪を一層美しく輝かせていらっしゃいますね。
お嬢様…本当にお綺麗です…。

かつてお母さんと桂叔母さんは、この蛍舞う美しい幻想的な光景の中で『血の絆』を再び結ばれて
互いを想い、守りたいと願う気持ちを確かめたとか…。

お嬢様と私は、御手を取り合う事で再び思いを確かめ合いましょう…。
(小声)お嬢様が望まれるのであれば、今この時だけは『血の絆』を結ばれても宜しいのですが。


464 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/10(Sat) 22:48
>>462(柚葉さん)

>…何かお考えのようだけれど、西洋の鬼とは変わっているわね。

あらあらあら、見透かされてしまいましたか
はい、ノゾミ様から見ればわたくしの眷属は、人間との距離がかなり近い変わったライフスタイルかも知れませんね
わたくしもそうですが、母にしましても呼ばれもしないのに、この国が海禁政策をとっていた時分から乗り込んできて、神サムライ、商人、文人や画人、それに神々と興味を持てば交わっていた変わり者…

>とはいえ、鬼とはいえ私も女、余計な詮索は好まなくてよ。

三のお兄様にはお手紙で『手出しは御無用』と釘をさしておいた方が良いかもしれませんね
本人は引きこもっていますが、麾下の調査員は世界中に散っておりますから
貴女様の許へ聞き取り調査に参ることも在り得ますので、警告しておきませんと

……母は釘を刺しても、まさに『糠に釘』だと予想がついてしまうのは、なんだか情けない気がいたしますが

尤も近ごろは日本でも、森の中ならぬ『森さん』の家の近くにお住まいで、漫画市場が大好きな吸血鬼や、湾岸の土地を日本国より拝借して、同族や人間や妖狼族と交流している吸血鬼もいらっしゃるそうでございます
ノゾミ様も、きっとこれから違ったタイプの同族の方とお知り合いになることもあるのではないかしら?

>(お姫様抱っこされて)
>きゃっ!?わ、私はもう童では無くてよ!!!

ふふふ…
ノゾミ様が愛らしいのは確かでございますが、子ども扱いしたりはいたしませんよ
これは、柚葉さんにいたすのと同じ親愛の表現と思召されませ
さあ、参りましょう…
今宵の月影は殊の外、気持ち宜しいですわ…
眼下には経観塚が…貴女様の大切な…わたくしの取りましても新たな掛け替えのない絆をいただけた素晴らしい町が広がっております…

>はあ…。溜息をつくのは私の方よ。
>貴女は柚葉の雇い主で、柚葉は雇われて報酬を得ているのではなくて?

日本の大学生の方のアルバイトの水準を大きく上回るお給金であることは確かでございますが
柚葉さんでしたら、他にも引く手あまたでございましょうに、よりにもよって − 若杉のご当主と交流があったとは申せ、よく父からの依頼に耳を傾けてくださったものと、当時は大いに驚いたものでございます − 我が家に来てくださろうとは、まことに意想外でございました

吸血鬼の館でございます、伏魔殿と考えられても致し方ないところ、何の躊躇いもなくにこやかに我が家にいらしてくださったのです、立ったお一人で…
わたくしだけでなく、レイナさんや三姉妹とも良き家族になってくださいました
彼女がいたから、人間界で安堵の内につつがなく毎日を送らせていただけました…
わたくしにとって、あまりにも大きな『ていく』だったのですよ

>桂と桂奈の『贄の血』は、今は私だけのものなんだから!

『贄の血』は、本当にノゾミ様とお二人とをつがなぐアカイイトなのですね
わたくしにとりましても、そう…
柚葉さんが『贄の血』を与えてくださるというあのご決意を示してくださったこと、わたくしは決して忘れたりしないのですから
たとえ、二度といただくことはなくとも、もはやそのことは関係ございません…

あらあら、夕餉の時間でございますか
では、このままお空の散歩を楽しみつつ、間に合いますようにちょっと翼を急がせるといたしましょう…


465 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/11(Sun) 10:23
>>463(柚葉さん)

(桂様)
>何となくだけど…ううん、はっきりと覚えてる…。

まあまあまあ…、これは大変失礼いたしました
わたくし、桂様はその道を辿らなくてよかった、と思っていたのですが…
貴女様にとってそれは、実際に歩まれた道程そのものとして魂に刻まれていたのですね…
そして、それは選んで歩むべき道であれば、悔いることは決してなさらない、と
…『辿らなくてよかった』などと、わたくしが軽々に申してはならないことでしたわね
申し訳ございません
ですが、貴女様が今こうして愛する方々とともに平和な毎日を送っていらっしゃることは、やはりわたくしにとりましの喜び
貴女様のお優しい笑顔が絶えることがない、そんな未来をわたくしは祈っておりますわ

>アーチェロさんって、何だかサクヤさんと似た所があるよね。

サクヤ様に、でございますか?
確かに人恋しいのは確かでございますが、それゆえに大事な人が傷つくようなことがあるのは嫌で嫌で、心底嫌で
それは年端もまだ行かぬ子ども心に等しいもの
大好きな人を手放さないために必要なのが、その人の裾を掴んで甘えるより、前に出てその人の盾になる方が確実なら、そうするだけのこと
故郷で幾度も見てきた子どもの姿、
『吸血鬼め!お母さんに手を出すな!』
と棍棒を闇雲に振るってわたくしに向かってきた少年と変わるところはございません…
あ、もちろんその『お母さん』を襲ったりしていませんよ?

サクヤ様のような長の年月を『鬼斬り役』として身を危険に晒して怯むことの無かった、そして朗らかな笑顔を失わない、そんな御方と似ているなんて…
でも、お褒めいただき、嬉しゅうございます…

>わ、いつの間にか縁側にタヌキさん達が…。

ふふふ…、今住んでいるところでもよく動物たちがやってきて、そしてわたくしの魔の気を受けて人間の姿になることもあるのですよ
今、桂様にもふもふされるがままのタヌキさんたちも、このままずっと一緒に居たら、また人間に化けてしまうかもしれませんわね…

>うわ…桂奈ったらもう浴衣作っちゃったの?

まあ、もう出来たのですか?
…まあまあまあ、何という見事な仕上がりでございましょう
色柄もまことに妙味に絶えず、日本の夏の宵ごろにこの衣装は素晴らしく映えることでございましょう
本当にありがとうございます、桂奈様…

>柚葉さん

>ふふっ…お嬢様、いつぞやの舞妓姿も素敵でしたが、桂奈ちゃんの作ってくれた浴衣、とっても綺麗でお似合いですよ。

ありがとうございます
わたくしもこの色柄にすっかり魅了されてしまいました
まことに桂奈様のご器量には感服のほかございません
柚葉さんがお召しの浴衣も、実に愛らしくて、柚葉さんの可憐さをさらに際立たせること並大抵ではございません
本当に桂奈さまは、これからの日本の伝統文化の一翼を担われていくに相違ございませんわ

>アーチェロ、良かったら私が御一緒してあげてもよろしくてよ。

嬉しゅうございます、是非ともお願いいたしますわ
月影を浴びられたからでしょうか、さらに艶やかな雰囲気を纏われて、本来お持ちの大人の雰囲気が際立っております
ふふふ、柚葉さんとノゾミ様、わたくし両手に大輪の花ですわね

(蛍の見られる場所に到着)

これは…闇より浮かび上がるほのかな光の乱舞が…
なんと美しく…そして幽けきことに胸が締め付けられる…
儚いがゆえに、愛おしくてたまらなくなる

>お嬢様にこの光景を見て頂く事は、兼ねてからの願いだったんです。

わたくしも…、この美しい光景を貴女と見ることが出来ましたこと、忘れ得ぬ思い出となりましょう…
あら、わたくしの髪に?いやですわ、お褒めいただいて…
あらあら、柚葉さんの御髪にも一つひらりと舞い降りて…
ほら、柚葉さんの黒髪にもとても良くお似合い…

>(小声)お嬢様が望まれるのであれば、今この時だけは『血の絆』を結ばれても宜しいのですが。

……!?
あの…、今わたくしの耳を打った言葉は…柚葉さんが本当に囁かれた言の葉でございますか?
ずっと我が身に命じてまいりました禁忌を、今この時、解き放ってもよい、と?
……本当に宜しいのですか…?などと伺うのは、柚葉さんのお心を疑うことゆえ申したくございませんが
それを、お許しいただけるのなら…わたくし、そのお心のままにわたくしは −

それを…いたしたいです…

466 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/11(Sun) 10:47
今月の『となりの吸血鬼さん』は、大変ステキでございました
ソフィー様が、初めて灯様のお家をお訪ねになったのです
その様子を拝見していますと、昨年の夏わたくしが柚葉さんの故郷をお訪ねした時のことを思い出しましたわ
ソフィー様と灯様の絆も、より一層深まったことでしょう…

ご興味のある方は、掲載誌を買われずともネットの無料コミックでご覧になれますから、是非お二人の仲睦まじいところをご鑑賞いただきたいです

そして、もう一つ嬉しい発見がございました
ニコニコ動画に『となりの吸血鬼さん』のMAD映像がアップされていたのですよ
あたかも、あの作品のアニメのOPを見るかのような見事な編集でございましたわ


467 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/11(Sun) 14:35
>>464-465

>ふふふ…、今住んでいるところでもよく動物たちがやってきて、そしてわたくしの魔の気を受けて人間の姿になることもあるのですよ
今、桂様にもふもふされるがままのタヌキさんたちも、このままずっと一緒に居たら、また人間に化けてしまうかもしれませんわね…

(桂)
わあ!何か凄いね!
そっか、三姉妹さんもレイナさんも本当は蝙蝠さんらしいけど、それで人間の姿になれるんだね。
じゃあ、葛ちゃんの白狐の尾花ちゃんもアーチェロさんと一緒なら人間の姿になったり出来るのかな?

尾花ちゃんって本当は神様みたいだし、出来ても不思議じゃないよね…。
それはそれで、見てみたいかも♪

あ、そろそろご飯の時間だから…それじゃみんな、またね。
(タヌキさん達と一旦お別れ)

>ですが、貴女様が今こうして愛する方々とともに平和な毎日を送っていらっしゃることは、やはりわたくしにとりましの喜び
貴女様のお優しい笑顔が絶えることがない、そんな未来をわたくしは祈っておりますわ

うん…やっぱりこうして皆で笑い合える今が一番幸せなんだと思う。
そうでなかったら、こうしてアーチェロさんとも会えなかったしね。
アーチェロさん…柚葉ちゃんの事、よろしくね。

>あらあら、柚葉さんの御髪にも一つひらりと舞い降りて…
ほら、柚葉さんの黒髪にもとても良くお似合い…

(柚葉)
はい…何だか、今この場でこうして共に依り添える事を、この蛍さん達が祝福してくれているかのようですね。
蛍の命は夏の儚い一時ではありますけれど、だからこそこの美しい命の輝きを放つのかも知れませんね。

(桂)
ノゾミちゃんノゾミちゃん、こっちこっち。
ほら、ここにも蛍がこんなにいるよ。

(ノゾミ)
…はいはい分かってるわよ。柚葉とアーチェロの邪魔をするなって言いたいんでしょ。
この後どうなるかぐらい、大体の予想はついてるわよ。
私、そこまで不粋者ではなくてよ。
…一度も口にすることの無かったまま、柚葉の『贄の血』を取られるのは、ちょっと妬けるけど。
まあ、アーチェロなら許してあげても良くてよ。

>あの…、今わたくしの耳を打った言葉は…柚葉さんが本当に囁かれた言の葉でございますか?
ずっと我が身に命じてまいりました禁忌を、今この時、解き放ってもよい、と?

(柚葉)
ふふっ…やはり、聞こえていたのですね。
人と共に在りたいが為に、人を恐れさせないために、種族としての本来の在り方を禁忌とすることを為さってきたお嬢様のお気持ちは分かります。
でも私は、『アーチェロ・カルミーニオ』という、貴女を見ているのです。
そして何より、共に在る事を願っているのです。

その優しさと人恋しさのあまり、恐れられて離れられる事の辛さを知るあまり、
御自身を呪縛で、鎖で縛る必要はもう無いのですよ。(微笑)

今こそ重くて辛い鎖を解き放ち、そして本当の絆を、『アカイイト』を結ぶ時です。
私の血族が妖(あやかし)と巡り会い、途切れぬ糸と絆を結んだこの場所で…。
時を経て、今私達の間にその時が来たのですね。

敢えて今だけは呼ばせて下さい。あなたを『お嬢様』ではなく、『アーチェロ』と…。

あ…アーチェロの瞳が月明かりに照らされ、金色の光を…。
何だか、吸いこまれてしまいそう…。
でも大丈夫です。私の瞳は、貴女の姿をしっかりと見据えておりますから。

さあ、アーチェロ…私に、本当の貴女を見せて…。
(浴衣のうなじを解き放ち、腕を広げる)

468 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/11(Sun) 14:52
>>466 (アーチェロお嬢様)

あ、丁度今月号が配信される時期でしたね。
私も毎月楽しみにしていますから、ありがとうございます。

灯さんのご家族と、それから灯さんのお家のお話が出てくるのは初めてでしたね。
基本的に、ソフィーちゃんのお家で過ごすのがメインですから。

うふふ…灯さんのお人形作りの才能はお母さん譲りだったんですね。
これなら将来、灯さんもお母さんと同じようなお仕事をされるのかしら。

あの灯さんのご両親だけあって、本当に温かな人達ですね。
灯さんの優しさ、朗らかさはあの親御さんありきなのだと頷きます。

それにしても、うふふ…。私達の帰省と言い、今月の『となりの吸血鬼さん』といい、今週の『ひなこノート』といい、
お母さん尽くしの気が致しますね。(微笑)

>ニコニコ動画に『となりの吸血鬼さん』のMAD映像がアップされていたのですよ

はい、本当に可愛くて素敵で…一度見た後続けて3回は視聴してしまいました。
このような素敵な画像を作って頂けて、本当に嬉しいです。
この作品の人気に繋がるきっかけとなって頂きたいですね。

469 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/06/12(Mon) 17:48
犯行現場に乗り込んで来た遊び人の金さんにボコられて引っ立てられた悪党が、お白州で「その金さんとやらを連れて来てもらおうか!」なんてすっとぼけるのは犯罪心理学で説明できますでしょうか?
博識なお嬢様、よろしければご教示ください。


470 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/06/12(Mon) 22:13
「モン娘」の最新刊で吸血鬼が登場したけど、随分と苦労してるみたいだね…。

471 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/14(Wed) 23:12
>>467(柚葉さん)

>(桂様)
>じゃあ、葛ちゃんの白狐の尾花ちゃんもアーチェロさんと一緒なら人間の姿になったり出来るのかな?

はい、恐らく出来ると存じますわ
神様でいらっしゃるなら、きっと神々しくも愛らしい美少年…あるいは美少女でしょうか、素敵なお姿を見せてくださることでしょう
わたくしもどんなお姿に変わられるか、機会がございましたらぜひ拝顔したいものでございます
若杉のご当主にもご挨拶いたしたいですし

>アーチェロさん…柚葉ちゃんの事、よろしくね。

はい、柚葉さんがいつでも笑んでいただけるよう、そしていつでも進まれるその先に光明が続くよう、わたくしの出来ることをしてまいる所存でございます
桂様とノゾミ様の来し方と今とこれからがそうであるように…

>(柚葉さん)
>はい…何だか、今この場でこうして共に依り添える事を、この蛍さん達が祝福してくれているかのようですね。

はい、本当に…
てんとう虫さんが結婚を祝福する、という歌謡曲があると聞いたことがありますが
この蛍さんたちのほの明るい光に照らされていますと、華やいだ気持ちよりも、心に深く染み入るような悦びに満たされてまいります…

>その優しさと人恋しさのあまり、恐れられて離れられる事の辛さを知るあまり、
>御自身を呪縛で、鎖で縛る必要はもう無いのですよ。(微笑)

柚葉さん、わたくしはこれまで吸血を禁忌としていたことを悔いてはおりません
それが人と交わるための良き途であったことを疑ったこともございません

…ですが、柚葉さんがいつもわたくしに注いでくださった慈しみを能う限りの曇りない心で応えたい、と思う時、何か身の内より煩悶の炎のちらと揺らめくような想いを感じてまいりました
『この人とより深く、より強く、繋がってまいりたい、そのためにより確かな絆が欲しい』
そのような想いが、でございます

ですが、その『絆』を形にするものがなんであるか…、いつの間にか気付いていながら、それを正視することができませんでした
それは為すべきではない、とずっと固く誓っていたはずでしたから

そのように…、そのように、お優しい言葉でわたくしの心の鎧をいとも容易く外してしまわれて、わたくしはもう己の裸の心を偽ることが出来ません

柚葉さん、どうかわたくしに貴女との絆を ―
どうか、この牙を以て、そのどこまでも清らかな血の滴をいただかせてくださいませ…

>敢えて今だけは呼ばせて下さい。あなたを『お嬢様』ではなく、『アーチェロ』と…。

貴女の心からわたくしの心の奥底へと…達したかのように、いえ、達したのでしょう、その呼びかけがわたくしを揺すぶります
わたくしたちの間を隔てるものが何もなく、二人が一つに溶け合うかのように、貴女が近くて、どうしようもなく愛しくて…

わたくしからも呼ばせてください
『柚葉』…、どうかその身をわたくしに委ねてくださいませ
その手を取らせて、私だけを見つめて、そのうなじをこの身の牙の前へと…

今のわたくしは、吸血鬼の本性そのもの
普段とて強いて抑えているわけではないけれど、人界にては自然と伏している魔の気が、今はこの身を包んでおります
何ものも隠すことなく貴女のお心と共に在りたいから

柚葉、どうかその尊い血を今わたくしの中へ…
この腕の中でしばしの間、身を任せて…

………
……

『贄の血』…、これが『贄の血』…、
至純の滴が、私を満たして、わたくしの身を悦びで滾らせる
舌が、喉が、この身の内が歓喜の声で溢れている

忘れるな、惑うな、彼女が与えてくれたものを見誤るな、半可な小娘よ
予め自身を戒めてことを思い出せ
『決して貪るな、己を見失うな』
とそう誓ったはず

幾ばくかの滴をいただいただけのはずなのに
この身はどれほどの知らぬ力で満たされていくのだろう
嬉しい…
『贄の血』がわたくしを受け容れてくれている
わたくしと柚葉が繋がっていくことを許してくれている


…柚葉、ありがとう……
貴女の血を以て結ばれた赤い糸は、わたくしの魂を結び付けて、もはやこの身が果てるその時まで、決して消えることはありません

友として、そしてアカイイトで結ばれた同胞(はらから)として、常しえに、わたくしは貴女に誠を捧げます…
貴女がわたくしと携えられた手がいつも温もりを貴女にもたらし、その温もりが貴女の変わることの無い笑みをもたらしてくれるように…


472 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/15(Thu) 21:32
>>469

う〜ん、難しいですね…。
ただ、推理小説や犯罪に関する小説を書いている作家さんは、
「証拠を出せ」と言いたがる人物ほど信用性は薄いと言っているのをテレビで見た事があります。

自身の行った悪行に関する当事者がいないなら証拠がある筈が無い、という一種の『開き直り』とでも言えるのでしょうか…。
ただ、その開き直った態度に鉄槌を下す姿に私達はカタルシスを覚えるのですけどね。

>>470

はい、私もその皆さんの最新刊を楽しく読ませて頂きました。
前巻のラスト、少々衝撃的な終わり方で気になっていたのですが…。
牙を突き立てられた方がゾンビだったため余裕そうで、安心しました。

今回登場した吸血鬼の女性は、一族の存亡に関して深刻な事情を抱えているようですね…。
亡き父上から一族の行く末を託されていたとはいえ、その為に他の種族を傷つけなければならない事に
とても苦しんでおられましたね。

もしお嬢様があの子の置かれた状況を知ったら哀しむ姿を想像して、少々辛かったです。
それだけにハーピーの女の子との出会いは、少なからず救いとなったようで何よりですが。

ただ、他の種族をその牙にかけようとする行為は彼女自身が望んで行おうというものではなく、
取り憑いた亡父によるものだったようですね。

…御自身の一族の行く末を憂う気持ちは分からないわけではありませんが、
人間も他種族が共に生き、法律を制定したり様々な文化交流を行うなどして相互理解を深めようと努力している中、
亡父の方の行為はやはり許されるものではありません。
…その事で一番苦しんでいるのは、他ならぬ娘さんなのですから。

デュラハンの方が鎌を振るい、彼女を解放した姿には私も快哉を叫びたくなりましたね。
もし人間の退魔師やヴァンパイアハンターのような方でしたら、彼女の意志や置かれた状況に理解を示すことなく
彼女自身を『危険種族』と見なしたでしょうから、あのような結末に至って安心しました。
正に『死者は生者を煩わす事無かれ』ですね。

あの後、同じく吸血種の種族の方達と仲良く暮らす事になったようで
ひとまずは大丈夫でしょうか?
ハーピーの女の子との絡みで今後も登場する機会があるかどうかが、私としても気になりますね。

473 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/17(Sat) 22:27
>>468(柚葉さん)

>あの灯さんのご両親だけあって、本当に温かな人達ですね。

はい、ソフィー様と対面されるまでは、拝見しているこちらも、どうなることかと心配でしたが、心から歓迎なさっていて宜しかったですね
あまりににこやかな歓待ぶりに、ふと
『ご両親は、ソフィー様のこと吸血鬼とご存じではなかったのかしら?』
とふと心配になってしまいましたが、まったくの杞憂だったのでホッといたしました

柚葉さんのご母堂様と同じく、吸血鬼にとても寛容…、
あるいはその吸血鬼を見初められた灯様のことをとても信頼していらっしゃるのでしょう
のみならず、灯様とソフィー様の結婚すら楽しみになさるだなんて、びっくりでございます
我が身をソフィー様の立場に於いて想像してみますと…
はあ…、全身の血が沸き立ったかのように体が熱くなりますわ…

柚葉さんの仰るとおり、ひな子様のお母様も登場されたのでしたね
あの自由奔放で行動的なお振る舞いは、わたくしの母を彷彿とさせられます

我が子の成長と幸福を確認出来て、母親が歓ぶ
その歓びの表情を見たならば、子どもの方もなお心に元気をもらってこれからの毎日を過ごしていけることでしょう
離れていてもなお深まりゆく親子愛を見るのは、とても心温まるものでございますね…

ニコニコ動画の方も、柚葉さんのお気に召されたですね
わたくしも、本当に多くの方にご覧いただいて、さらなる人気上昇とアニメ化に繋がっていってほしい、と願いますわ


474 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/18(Sun) 10:17
>>469

わたくしは博識なお嬢様ではございませんし、犯罪心理学には全くの素人でございますが、それはさておき

考えてみますと、その悪党の定番のセリフは不思議ですね
奉行所が本当に『金さん』を証人として召喚する、という可能性を考えないのでしょうか?
あるいは、召喚されても誤魔化す自信があるのでしょうか?

誰が証人になろうと空っとぼけていればやり過ごせると思っているならば、あまりに楽天的に過ぎると思いますが、
それこそが犯人特有の心理状態…危機的状況に直面しての現実逃避なのかもしれませんわ

学校の落語研究会の高座で『次の御用日』というお噺を聞きましたわ
ひたすらとぼける犯人を攻めあぐねて、とうとう『また今度』と詮議を打ち切ってしまうお奉行様が笑いを誘いました
あのお噺のような残念なお奉行様が相手でしたら、本当にやり過ごせてしまうのかも知れませんね

475 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/18(Sun) 10:19
>>470

はい、あの吸血鬼の胡瓜…いえキュリー様の身の上に起こりました苦難の数々は、とても他人事とは思われませんでしたわ

他種族との交流が積極的に進められている、あのような開明的な世界に於いてなお、過去と現在のそれぞれから苦労を強いられるなど、まことにお気の毒でございました

お父上から、彼女の意に添わぬ一族の過去の負の歴史を背負わされ、己が希望の道へ進むのを妨害されるだなんて、あってはならぬこと、ええ、あってはならぬことですわ!
わたくしが傍に居りましたら、お父上に食ってかかることは必定でございました

デュラハンのお嬢様が普段のドジッ娘仕様に似ず、その本来の力を発揮されてキュリー様を呪縛より解き放ってくださったときは、快哉を叫びたい思いでした
できれば、お父上自らの悔悟されて、娘を解放してあげてほしかったですが…

今一つの災難は、吸血鬼が『危険種族』に指定されておりますことでしたわね
確かにその種族本来の特性ゆえに、人間の方々に警戒されているのは致し方ないところですが
けれど、『他種族間交流博覧会』なるイベントを見てみますと、吸血系の他種族の方を受容できるような様々な施策が実施されているようですから、徐々に問題も解決されていくことが期待できそうで嬉しゅうございました
『人工血液ジュース』にはちょっと惹かれるものがございますね
いえ、ほんの、ほんのちょっとですよ?

苦労続きで天外孤独だったキュリー様でしたが、その彼女を救ったのは、先ほど申しましたデュラハンの方、そしてハーピーの方と人間の方
常日頃よりめげず弛まず他種族との交流を続けてこられた人間の方の作られた絆が、斯様にして新たな絆の結びへと広がっていくのを目にしまして、まことに嬉しゅうございました

キュリー様に早く良きホストファミリーが見つかりますこと、祈っておりますわ

それにしましても、吸血系の他種族が吸血鬼以外にも大勢いらしたのには驚きましたわ
わたくしが今まであったことの無い種族ばかりです
皆様にも漏れなく人間のパートナーの方が出来ると宜しいですわね
さすがに、みんなが来留主様の許に来られてはあの方の身が持たないでしょうけれど…

476 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/18(Sun) 10:32
訂正でございます

>あの後、同じく吸血種の種族の方達と仲良く暮らす事になったようで
>ひとまずは大丈夫でしょうか?

柚葉さんの仰っていますように、吸血種の皆さまは4人で同居されたのでしたわね
あのままの状態でずっと同居されるのかも知れませんわね

ですが、人間界に居る限りは人間との交流はきっと様々な形でなさっていくことでしょう
ぜひ多くの良き御縁が出来て欲しいです

477 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/06/18(Sun) 20:48
あげ

478 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/20(Tue) 22:31
>>477

あらあらあら…
揚げてくださりどうもありがとうございます

だめですね、わたくしったら
下がったら揚げる、と申しておりましたのに何時の間にかずい分と下がってしまいました
わたくしが縁側でぐうたらと日向ぼっこをしてばかりで、訪れる方もまばらだからといって、
そのままこの身に苔むすが如く閑居に浸っているのも情けない限り

今後はなるべく気を付けて、時にはお庭を掃き清めて、お客様をお迎えする心構えを新たにいたしますわ

479 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/20(Tue) 22:57
>>471(アーチェロお嬢様)

>『この人とより深く、より強く、繋がってまいりたい、そのためにより確かな絆が欲しい』
そのような想いが、でございます
ですが、その『絆』を形にするものがなんであるか…、いつの間にか気付いていながら、それを正視することができませんでした

それは、私も同じです…。
そして、気付いていました。アーチェロ…貴女の気持ちに…。
でも、それは貴女を再び哀しませてしまうかも知れないと思い、今までそれを伝える事が出来ませんでした。

ですが、共にこの地に赴く事が出来て、そして私の母と、そして縁で結ばれた人達と
貴女を巡り合わせる事が出来ました…。
母との会話、サクヤさんとの再会、桂叔母さんやノゾミちゃんとの会話…。

貴女の中に小さくても残っていた、私の血に纏わる哀しみが氷解していくのを、確かに感じました…。
そして貴女…アーチェロの心の内が温かさで満たされた事を感じて、私自身も想いを抑えきれなくなりました…。
今こそ、私自身も想いを伝えたい…哀しみを交えたものではなく、互いを想い合う形の絆を結びたいという想いが…。

(抱き締める手に、力を込めて…)

…………。
アーチェロの牙が、私の中に入ってくる…。
けれど、本当に痛みを感じません…。
私には分かります。貴女は、何の力も行使してはいない…。
ただありのままの姿で、私を見据えただけ…。
きっと、お互いをありのままの姿で向かい合う事の出来た喜びに包まれているからなのですね。
それは心の奥底で、私自身が望んでいた事なのだから…。

やっと貴女と、『絆』を結ぶ事が出来た…。
ありのままの貴女の姿と心のままで…。

感じる…私の血が貴女の中に息づいているのが…。
種族も、性別も、生きてきた時も、最早何も私達には関係無い…。
愛しく、大切な貴女と今ここに共に在る事…。それだけが唯一の真実なのだから…。

(お嬢様がうなじから唇を離し、互いを見つめあった後)

>…柚葉、ありがとう……
貴女の血を以て結ばれた赤い糸は、わたくしの魂を結び付けて、もはやこの身が果てるその時まで、決して消えることはありません

アーチェロ…。私の『贄の血』が、貴女の魂にまで届く糸と絆になった事を確かに感じました…。
きっとこの時が、必然だったのですね。
あの街で出会い、共に笑い合う日々を過ごし、時に哀しみに身を震わせ、その中で想いと絆を確かめ合い…。
そしてようやく、この地で私達は結ばれたのですね。

(周囲を見回しながら)

この様子では、母も叔母も、三姉妹さん達も既に屋敷にお戻りになったようですね。
…もしかしたら、気を遣ってくれたのかも知れませんね。
それでは、私達も戻りましょう。
蛍さん達のこの幻想的な風景と、互いに感じた想いを胸に仕舞って…。

(アーチェロの手を握りながら)

アーチェロ…お屋敷に戻るまで、この手は離しませんよ。
少なくとも今夜は、貴女とは離れたくない…。
その想いで、胸が一杯なんです…。

(お屋敷に戻り、入浴を済ませた後)

あらあら…三女さんったら、私のお母さんと一緒のお部屋で眠りたいそうです。
ふふっ…お屋敷で私に甘えてくれる事はありましたけど、更に甘えん坊さんになっちゃってますね。(微笑)
長女さんと次女さんは…桂奈ちゃんと色々お話に花が咲いているみたいですね。
まだまだ、夜はこれからと言った所でしょうか。

その…お嬢様…。
今夜は、私の部屋でお眠りになりませんか?
い…いえいえ!べ、別に変な意味では無いですよ!?

私の部屋は一応、御布団を2つ敷く事ができるだけのスペースはありますから…。
その…私…先程申し上げたように、今夜はずっとお嬢様に傍に居てほしいんです…。

480 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/23(Fri) 19:59
(続きです)
>>アーチェロお嬢様

『経観塚帰省編 2日目』

お早うございます、お嬢様…。
あれから、良く眠れたようですね。

その…夜中に目が開いた時に、お嬢様の寝顔を見てしまったのですが…。
本当に安らかな顔をなさっていましたね。(微笑)

はい、私も本当に満たされた気持ちで眠りにつく事が出来たんです。
京都でも同じお部屋で眠りましたが…その時の弾んだ気持ちとはまた違った安らぎを感じられました…。
それでは私、朝食の準備をして参ります。

桂叔母さんや桂奈ちゃん、サクヤさんもそろそろ起きてくるでしょうし、
よろしければご一緒にお散歩などをされてきては如何ですか?

(朝食後)

どうぞ…お茶が入りました。
それでは、本日の予定についてお話させて頂きますね。
この後は私の家族、桂叔母さんのご家族と共に、経観塚の鎮守の森の御神木へご挨拶に参ります。

そうです、この地で今オハシラサマを勤めている、桂叔母さんの双子のお兄さんであり、
私にとっては叔父に当たる、羽藤白花さんの下に…。

そういえば私が幼い頃、白花さんの所へご挨拶に行った時に
「失礼でしたら謝りますけど、何だか女の人の名前みたいですね。」と言いましたら、

「本当なら、僕が桂で桂が白花だったんだよ。
僕達のお母さんが、届け出を間違えてしまったから名前が入れ替わってしまったんだ。」と仰っていたんです。

でも…桂叔母さんと同じ位の優しさと朗らかさ、そして芯の強さが滲み出ている端正な顔立ちは、
その名前に相応しい素敵な方なんです。
昔から、「叔父さん」と呼ぶのは憚られて「白花さん」と呼ばせて頂いているんですけどね。

昨年お会いした時には少しお嬢様のお話をさせて頂いたんですが、

「柚葉も、良き縁を結べる方と出会う事が出来たんだね。
次の機会には、僕もその異国のお姫様と会ってみたいよ。」

と仰っていました。

ですから…その…。
今日はお嬢様と共に今のオハシラサマ、白花さんの下へ行ける事が本当に嬉しくて…。

白花さんも、きっとこの日を心待ちにしていると思いますよ。
お嬢様と共に駅からこの地に降り立った時のあの槐の花は、白花さんからのメッセージだったんですよ、きっと…。
さあ、一息つきましたら、共に参りましょう…。

それから午後は、ゆっくりと経観塚銀座商店街をご案内致しますね。
昨日はお買い物だけになりましたが、三姉妹さんと桂奈ちゃんも一緒であればより楽しい一時になるかと思います。

少々気の早いお話になりますが、明日はこの地域のオハシラサマを祀るお祭りもあるんです。
お祭りの準備等で、商店街もいつもより賑わいを増している事でしょうね。
その時はまた…桂奈ちゃんの作ってくれた浴衣を着てお出掛けしましょう。(微笑)

481 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/24(Sat) 20:00
>>479(柚葉さん)

>でも、それは貴女を再び哀しませてしまうかも知れないと思い、今までそれを伝える事が出来ませんでした。

柚葉には心配をかけてばかりだわね、ごめんなさい…

血を得ることで繋がることには、どうしても恐れが付きまとってしまったから
禁血を貫くことで人との壁を穿ち、人との繋がりを確かなものにしたい、と考えていたはずなのに、結局わたくしは血を啜ることでしか絆に自信が持てないのか、と

ですが、柚葉の『贄の血』をこの身に容れることとは、形は同じでも、わたくしが禁じていたそれとは違うものなのだ、とわたくしの矜持に誓って信じることが出来ました

この尊い血潮に籠められているもの
それはわたくしを迎え入れてくれる貴女の至純の想いであること…
そのことを、これまで貴女との来し方、そしてこの観経塚でご母堂様から頂いたお優しい言葉と抱擁、桂様とノゾミ様の絆をこの身で感じることで、ようやく心底より確信いたしました

ならば、わたくしもまた臆することなく、貴女のその心を、誓いを、覚悟を、この身と心を以て同じだけの想いを以て迎え入れたい
真紅の滴の中で煌く貴女のそれ等全てを見誤ることなく掬い取り、この身の魂と一体と為さずにはいられない

そう切に思うがゆえ、わたくしは貴女のそのお美しいうなじに牙を立てる…

>ただありのままの姿で、私を見据えただけ…。
>きっと、お互いをありのままの姿で向かい合う事の出来た喜びに包まれているからなのですね。

嬉しい…嬉しいです
わたくしの口腔から喉へ、胃の腑へ、全身へと、貴女の優しい気持ちが広がっていく…
もはや、貴女と共に在ることのこの喜悦は、これからの日々がどのようなものであろうとも、決して色褪せることはないでしょう
巡り合ったあの日より重ねてまいったすべての日々と事どもが、わたくしたちを祝福してくれているかのような…、そんな想いで胸がいっぱいでございます

>アーチェロ…お屋敷に戻るまで、この手は離しませんよ。

はい、わたくしもですよ、柚葉…
その様に仰っていただけて…、どこまでもわたくしの気持ちに応えてくださって
わたくし…たまらずこうして貴女に身を寄せて、はしたなくもしな垂れかかってしまいますわ

>あらあら…三女さんったら、私のお母さんと一緒のお部屋で眠りたいそうです。

ふふっ、分かりますわ
わたくしとて、あの方と二人きりになりましたとき、あの微笑みとお優しさには、幼い頃に実の母に抱きしめられたような安らぎを感じましたから

>その…お嬢様…。
>今夜は、私の部屋でお眠りになりませんか?
>い…いえいえ!べ、別に変な意味では無いですよ!?

…貴女がそう仰って下さるのに、わたくしが拒む理由などどこにございましょう
わたくしもお布団を並べてお休みを共にいたしたいですわ…

(柚葉さんのお部屋)

…柚葉さん、灯を落として床に就く前に、貴女にお渡ししたいものがございます
こちらの巾着…京都旅行の時に買い求めたものでございます
この中に…、こちらのわたくしの掌の上の珠玉と同じものが入っております
こちらの珠玉は…、先ほどわたくしが自分の肌に爪を立てて出した血の滴をわたくしの『元素支配』の能力で珠と為したものでございます
貴女と『贄の血』とわたくしの『真祖の血』の一つとなりました珠玉…
自分で作って驚いたのですが、これほどの鮮やかな真紅の輝きを放つとは思いませんでした
それこそ、貴女の『贄の血』の輝きでございましょう

わたくしのこれから永劫忘れ得ぬ絆の珠…、貴女の心とわたくしの心の結び合わされたことの証しの珠として、わたくしはこれから生涯身に付けてまいる所存です

…そしてこの巾着の中の同じものを、宜しければお手元に置いていただきたいと思いまして…
『今日のこの日を形ある思い出と為したい』
というわたくしの我儘でございます
も、もちろん、遠慮してくださってもけっこうなのですが…
巾着袋に入れましたのも、血の珠は人の目には生々しいかと思いましたゆえでございますから

ただ、この二つの血の一体となったこの滴は、これから何時であれ柚葉さんを護る力となりうる、とそう信じておりますわ


482 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/25(Sun) 16:45
>>480(柚葉さん)

(真夜中)

柚葉さん、安らかな寝息を立てていらっしゃいますね
このように寝顔をジッと拝見したことはありませんでしたが、とても安堵されたお顔でいらっしゃいます

わたくしのこと、ずっと気にかけていてくださっていて、その懸念も今宵を持ちまして区切りがついたのでございましょう
…ずっと心配をおかけして申し訳ございませんでした

…さて、今は午前二時を過ぎたところですね
『草木も眠る丑三つ時』と申す頃合いでしょうか
生きとし生ける者たちが眠り、魔の者たちが跳梁する時間と言われていますわね

では、今窓の外でちらちらと光を放っているそこの者
其方は蛍ではございませんね、分かっていましてよ?巧みに化けてはいますけれど
故郷の城館より遣わされた『間者』と見受けました
宵の口より蛍に紛れて、わたくしと柚葉さんのことを見ていましたわね?まったく無粋ですこと

わたくしは名だたる尊い血を体内に摂り込みましたこと、喜ばしいとお考えかしら?
ですが、其方も分かったでしょう?
あの真紅の珠玉を見たならば
『贄の血』をいただくことはただの人の血をいただくことは違う…
わたくしが一方的にあの血を摂り込んだのではない、あの血の方こそが、わたくしを認め、受け容れてくれたことを

其方の主人は、わたくしがより強い力を得ることを確認させんがために、其方を遣わしたのでしょうが、
わたくしが得たのはここに眠っている人との、断つことの出来ない絆です
間違っても、人を凌駕しひれ伏させ跪かせるための昏き力ではありません

其方の主人…『強硬派』の筆頭である彼女と推察いたしますが、その者の期待には添うことは出来ません
主にはそう伝えておいてもらえるかしら?
それが其方の務めなら、どうかそうしてちょうだいな

…ふう
これでようやく肩の荷を下ろせた気分だわ
今度こそ、心置きなく柚葉さんの手を握って眠ることができるでしょう…

『経観塚帰省編 2日目』

>お早うございます、お嬢様…。
>あれから、良く眠れたようですね。

お早うございます、柚葉さん
ええ、お陰様で本当に気持ちの良い朝を迎えられましたわ

ここは本当に心が安らぐ場所でございますね
客分としてお迎えいただいて、これほど心より寛がせていただけることなど、誠に稀有なことでございます

ですがまた、柚葉さんには朝餉のお支度でお世話をかけてしまいますのね…
せめて、薪割りのお手伝いなどさせていただきたいのですが
…薪は昨日の内に十二分に出来てしまいましたか、そうですか

では、桂様達とご一緒させていただきましょう
三姉妹は…、ああ、みんなご母堂様のお傍が宜しいようですね

(朝食後)

>この後は私の家族、桂叔母さんのご家族と共に、経観塚の鎮守の森の御神木へご挨拶に参ります。

ご神木の許に叔父上様がいらっしゃるのですね
恥ずかしながら、『オハシラサマ』のことについてはわたくし良く存じ上げないのです
どのように尊いお務めをなさっているのかようやく拝見することが出来るのですね
かつてご母堂様がいらっしゃった場所…
楽しみであると共に、少し緊張してしまいますね

>「柚葉も、良き縁を結べる方と出会う事が出来たんだね。
>次の機会には、僕もその異国のお姫様と会ってみたいよ。」

…ドキドキがさらに増してまいったでしょうか
観経塚に参る電車の中にいらっしゃった結婚相手のお宅へのご挨拶へ行く途中の方、
あれに似た気持ちを昨日来続けて味わっております

『オハシラサマ』を務められるについては、ご母堂様も白花さまから『無茶をしてはいけない』とたしなめられたそうですが
白花様も様々なご苦労をなさっていることでございましょう
わたくしが至らない小娘として、さらに要らぬ気苦労をかけさせては申し訳ありません
昨夜の…その、『契り』もありますれば、わたくしもしっかりと気を強く持ってご挨拶させていただきましょう

>それから午後は、ゆっくりと経観塚銀座商店街をご案内致しますね。

まあまあ、それはとても楽しみですわ
商店街は地元の方たちの交流の場、地域の方たちの元気が集まる場所でございましょう
わたくしの街や京都で歩きました商店街は、本当に心楽しくなる憩いと溌溂の街でございます
まして、お祭りの準備があるとなれば、その活気も一入でございましょう
桂奈様の浴衣にまた袖を通して、そぞろ歩きもより一層楽しくなりましょうね…

483 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/29(Thu) 05:59
>>481 (アーチェロお嬢様)

>ですが、柚葉の『贄の血』をこの身に容れることとは、形は同じでも、わたくしが禁じていたそれとは違うものなのだ、とわたくしの矜持に誓って信じることが出来ました
>ならば、わたくしもまた臆することなく、貴女のその心を、誓いを、覚悟を、この身と心を以て同じだけの想いを以て迎え入れたい
真紅の滴の中で煌く貴女のそれ等全てを見誤ることなく掬い取り、この身の魂と一体と為さずにはいられない

これまで過ごした日々と紡いだ絆がここまで行きついたのかと思うと、感慨深いです…。
お嬢様の『吸血』と、私の『流血』は、禁忌なのかもしれないと私も思っておりましたから…。
でも、それを互いを想い合う形にまで高められたのですね。
もう…何も恐れる事はない…。ただここに存在しているのは、『想い』だけなのだから…。

>…柚葉さん、灯を落として床に就く前に、貴女にお渡ししたいものがございます

はい、何でしょうか?
これは…何て鮮やかな朱珠なのでしょう…。
これが、お嬢様の引いていらっしゃる『真祖の血』と、私の引いている『贄の血』が一つになった証なのですね。
先程結ばれた絆を、こうして目に見える証として残す事が出来るなんて…。
お嬢様…本当に嬉しいです。(微笑)
これもまた、お嬢様から頂いた『蝙蝠笛』と一緒に肌身離さず身に付けさせて頂きます。

>ただ、この二つの血の一体となったこの滴は、これから何時であれ柚葉さんを護る力となりうる、とそう信じておりますわ

ふふっ…。これは正に、私とお嬢様の間だけの絆の証なのですね。
こうして手に取ってみると、温もりが伝わってきます…。

あの時の胸の鼓動、血の滾り、胸に込み上げてきた想いがこうして今私の掌の中にある…。
お嬢様も、一度手に取って頂けますか?
比喩ではなく、本当に温かいんです…。
先程結ばれた私達の、互いを想い合う気持ちがそのままに…。
この朱珠とこれに秘められた私達の想い、生涯忘れ得ぬものとして、大切にさせて頂きます。(微笑)

484 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/29(Thu) 06:02
>>482 (アーチェロお嬢様)

(浅間サクヤ)

>其方は蛍ではございませんね、分かっていましてよ?巧みに化けてはいますけれど
故郷の城館より遣わされた『間者』と見受けました

やれやれ…。不粋な邪魔者は退散したかい?

ふうん…。桂や桂奈、柚葉を狙う輩が今更この場所で現れる筈も無いと思っていたけど、
どうやらアーチェロさんの関係だったようだね。
まあ、立場はお姫様だからねえ…。幾ら祖国を離れているからと言って、
あの家の連中が大事な後継者でもあるお姫様をそのまま放っておく筈も無いか。

でも、どっかの時代劇の仕事人みたいな昼行燈を気取っていても
やはり自分の立場を重く受け止めてるって訳かい。

自分の置かれた立場も、種族としての生き辛さもあんたは十分に味わってきた。
だがそれ以上に、あんたの「単なる自分としてその娘を守りたい」って気持ちは本物だね。

今更謙遜する必要なんか無いよ。
…同じ気持ちを、私も持っているからさ。
『贄の血』で、結ばれた者同士だからね。

さ、今夜はもうゆっくり休みな。
あんたにとっての眠り姫は、もう夢の中みたいだからね。

485 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/29(Thu) 06:44
>>482(続きです)

『経観塚帰省編 2日目』

(アーチェロ、レイナ、三姉妹と共に、御神木の許へ)

(柚葉)
まあ…。まだもう少し御神木まで距離があるのに、風に乗って槐の花弁が…。
この様子なら、きっと今年も満開ですね。

母と叔母は、もう少し後から参るとの事です。
きっと、初対面のお嬢様が話し易いようにと気遣ってくれたんですね。

ほら…着きましたよ、お嬢様…。
これが経観塚のオハシラサマの御神木…。
ここで、私の叔父である羽藤白花さんがオハシラサマとしてのお役目を為さっているんです。

(心地良い風と花弁が舞い上がり、そこにアーチェロと同学年位の優しげな少年の姿が…)

(白花)

やあ…。今年も来てくれたんだね、柚葉。
今年もこうして満開の花を咲かせる事が出来て、僕もゆーねえと同じようにきちんと御役目を果たせていると思うと、安心できるよ。
そしてそちらが、今柚葉がお世話になっているという外国のお姫様だね。

初めまして。僕は羽藤白花。羽藤桂の、双子の兄です。
僕の姪の柚葉が、いつもお世話になっています。
ゆーねえ、つまり羽藤柚明は僕達の従妹だから、正確には従姪という事になりますが。

そしてそちらが柚葉の先輩と、一緒に暮らしているという三姉妹さんだね。
どうやら柚葉も、新しい街で素敵な家族が出来たようだね。
その娘達にとっては良いお姉さんになっているみたいで、何よりだよ。
こうして見ると、柚葉もますますゆーねえに似てきたね。

そして、アーチェロさん…だったね?
柚葉をいつも守ってくれて、ありがとう。
柚葉とアーチェロさんが首から下げている物…それは、御守りかな?
どうやら『贄の血』と、アーチェロさんの血が合わさっているようだね。
僕も『贄の血』が流れているから、それが分かるんだ。
…そしてそれ以上に、柚葉を守ろうという強い意志が伝わってくるよ。
種族や性別というものを超えて、貴女と柚葉は結ばれたんだね。

僕は幼い頃、この御神木の下に眠るこの地に住まうまつろわぬ蛇神、僕達は『主(ぬし)』と呼ぶモノの分霊に取り憑かれて
鬼になってしまい、桂とも生き別れになってしまったんだ。
僕達兄妹が、ふとしたきっかけで封印を解いたばかりに…。

その時の封印の綻びから生まれた主の分霊から桂を庇って、僕達のお父さんは…。
当時鬼斬りを勤めていたお母さんに手傷を負わされた分霊は僕の中に…。
そしてゆーねえは、僕達家族と綻びかけた封印を再び戻すために、オハシラサマとなった…。

僕達のお母さんが亡くなった後、桂との再会を経てゆーねえやサクヤさん、鬼斬り役の若杉の葛ちゃんや千羽さん達の助力もあって
僕は主から解放された後、ゆーねえからオハシラサマの役を受け継ぎ、主の御魂を花として還す役割を担っている。
今度は、僕が皆の幸せを守る番なんだ。

オハシラサマの役目とは、太古の昔羽藤家の先祖と言われる竹林の長者の姫の『贄の血』を狙い、役行者(役小角)と観月の民の一族に
封じられた主を封じ続ける事なんだ。
そしてこの御神木の花は、オハシラサマとなった者が主の御魂を花として少しずつ還している証でもある。
こうして、満開の花を咲かせる事でね。

だけど、古来から『贄の血』を継ぐ者は多くの妖(あやかし)達から狙われる宿命にあると言われているからゆーねえや桂の子ども達に
いつ災厄が降りかかるかもしれないと不安ではあったんだ。
僕は御役目があるから、それを果たし終えるまでここから離れる事は出来ないからね。

でも、貴女の様な優しさと強い決意を宿した瞳をした方が傍に居てくれるなら、僕も安心だよ。
あのサクヤさんのような方ともう一度、それも外国で育った方と縁を結べるなんて柚葉は恵まれているね。
貴女と柚葉の未来が、幸多きものである事を僕も願っているよ。

(三女さんが白花の袖を引っ張っている)

ん?どうしたんだい?
うん、分かったよ。それじゃ暫く、一緒に遊ぼうか。

486 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/06/29(Thu) 06:45
>>482(続きです)

(柚葉)

あらあら…。三女さん、どうやら白花さんに一目惚れしてしまったようですね。(微笑)
あの優しさと、心の強さが同居した御顔で微笑まれては、無理も無いかと。
次女さんも長女さんも少し頬を赤くされて、どうやら満更でもないみたいですね。
なかなか異性の方とは接する機会が少ないだけに、出会いは新鮮なのでしょう。

かつて、白花さんは仰っていました。『僕はなりたくて、オハシラサマになったんだ』と…。
主によって兄妹の絆と家族を引き裂かれ、鬼とされて人生を狂わされた自分が一番為すべき事が
母からオハシラサマの役目を受け継ぐことであるとね。

でもこうして毎年、白花さんに逢う度に私は私の家族が健やかに居られる事はあの方のお陰だと実感しています。
母と叔母が、それぞれの家族をもつことが出来たのも、全てあの人のお陰だと…。

そして新たな形で、私は『家族』となったお嬢様達とここを訪れる事が出来た…。
お嬢様と私の互いの想いを感じて頂けたようで、私も嬉しいです。

487 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/06/30(Fri) 09:30
ブラッド・オブ・サクリファイス

488 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/06/30(Fri) 19:24
昔、小学校の教室にあった鬼太郎の本の「吸血鬼チャランポラン」は
トラウマ級の展開だった…。

489 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/02(Sun) 13:31
>>483(柚葉さん)

>これが、お嬢様の引いていらっしゃる『真祖の血』と、私の引いている『贄の血』が一つになった証なのですね。

…よかったですわ、珠玉を受け容れていただけて
二人の血が一つになれた…、その嬉しい気持ちが抑えられずこうして形にしてしまいましたが、
わたくしは牙を立てられるという立場に立ったことが滅多にございませんので、たとえ柚葉さんと言えども、どのようにお感じになるか、少し懸念があったのですよ

でも、こうして本当に喜んでいただけますと、自分の臆病さが情けなく感じてまいりますね

『蝙蝠笛』でお呼びいただければ、わたくしは何時でも馳せ参じます
ですが、火急の時にそれで間に合わなかったら…、
そう思うと、胸の奥の一抹の不安が小さな鬼火のようにチラチラと揺れてしまいました

ですが、その珠玉 − 柚葉さんの仰るとおり『朱珠』と呼ぶことにいたしましょう − は、その御心に応えて、貴女の盾となるでしょう

>お嬢様も、一度手に取って頂けますか?
>比喩ではなく、本当に温かいんです…。

…本当に温かいのですね
この温かさは、わたくしたちの魂の結ばれた故のものでございましょう
柚葉さんの想いとわたくしの想いが重なっていればこそ、この掌より広まる温もりは胸の内まで届いてまいります

わたくしも、この温かさを常しえのものであるように身も心も貴女に寄り添ってまいりたい…


490 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/02(Sun) 17:18
>>484(柚葉さん)

>サクヤ様

>ふうん…。桂や桂奈、柚葉を狙う輩が今更この場所で現れる筈も無いと思っていたけど、
>どうやらアーチェロさんの関係だったようだね。

あらあらまあまあ…
やはり、お気付きでございましたか
この経観塚で誰にも気取られずやり過ごせるわけもない、とは思っていましたが

…申し訳ございません、身内の者がまことにご無礼をいたしました
恥ずかしいお話ですが、わたくしが出奔して日本に参りましたことについて、今なお間違った『希望的観測』をする者がいるのですよ
『我らが姫君は、人間と馴れ合ってしまわれる方ではない。
いずれは真祖の血に相応しい新たな豊潤の血に染められた地を手にされて、永久にしろしめされることだろう。』
などと
…本気なのかただ意地になっているのか分かりませんが
わたくしも、そんな話を聞かされるたびに
『ないから。そういうのはありえないから。だからもう忘れてちょうだい。』
と言っているのに、まったく…

先ほどの間者にも言い含めましたわ
『貴方の主にお伝えなさい。経観塚ゆかりの方々に迷惑をおかけしたら、本気で縁を切りますよ。と。』


>でも、どっかの時代劇の仕事人みたいな昼行燈を気取っていても
>やはり自分の立場を重く受け止めてるって訳かい。

…昼行燈の仕事人、ですか
いえいえ、そういった方とは違ってわたくしの場合、昼行燈の方が本性なのですよ?
柚葉さんとお会いして以来、わたくしも多少真面目な物言いが多くなりましたが、
でも、本来は縁側でお茶をすすっているのが性分に合っているぐうたら娘でございます
『謙遜』だなんて、そんな…
…自分で言っていてなんだか恥ずかしいのですが、こればかりは本当ですからしようがございません

だからこそ、桂様とサクヤ様のように『贄の血』で結ばれた縁をお持ちの方のお振る舞いとお志を絶えず心に留めておきたい、と思っております

それではわたくしも今度こそお休みさせていただきますね
今夜はせっかく『眠り姫』からいただいた貴重な時間でございますから
おやすみなさいませ…

491 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/07/04(Tue) 23:17
>>487

?????
ごめんなさい、調べてみたんですけど、分かりませんでした…。
ひょっとして、お嬢様の『真祖の血』と、私の『贄の血』が一つとなって生まれた
この『朱珠』の事を言っているのですか?

だとしたら、良い呼び方だと思いますね。
宝玉を西洋風に呼んだ形であると考えてよろしいのでしょうか?

>>488

水木しげる先生の、絵本のシリーズですね?
知っています。私も昔、図書館でこのシリーズを呼んだ事があるんです。
漫画版では『吸血鬼エリート』で、あなたの言う絵本版では『吸血鬼チャランポラン』と
名前が異なっているんですよね。
名前の違いはあれど同じ立場のキャラクターも、過去のアニメでは何度も登場しているとか。

あなたの言う「トラウマ」というのは、ひょっとして鬼太郎さんがその吸血鬼に捕まって
薬物を注射されて溶かされてしまうという展開…でしょうか?
あれは、私も思わず顔を覆いたくなりました…。
でも、ああなっても鬼太郎さん、骨になった状態で狙われた大臣を守ろうと色々と行動するんですよね…。
歌の中に「お化けは死なない」とありますが…それでも凄いです。

確か例の吸血鬼は、本来吸血鬼が苦手とされるニンニク、十字架、日光等にも嫌悪感を示さずこれといった弱点も無く、
ギターの音楽で相手を自在に操るという能力を持っていましたね。
他の西洋妖怪のように徒党を組んだりすることはなく、単独で最も鬼太郎さんを苦しめた妖怪として名高いとか。

あの残酷で悪どい吸血鬼には、私も絶対に狙われたくはないですね。
ましてや私や私の一族の血をあの吸血鬼に手に入れられたら、それこそどのような恐ろしい事になるか…。
想像しただけでも怖いです…。

492 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/06(Thu) 22:37
>>485(柚葉さん)

濃い緑に包まれた森の道
夏の日差しの中、普通なら草いきれが濃く立ち込めるはずなのに、不思議にここには涼やかな風が吹き渡ります

本当に柚葉さんが、以前仰っていた通り、槐の花びらが恰も蝶が羽ばたくように舞い踊っております…
三姉妹ちゃんたちも、目を丸くして見惚れておりますわ
花びらの舞いと共に馥郁と辺りを包む薫りもまた心を和ませてくれますわ

…ですが、何でございましょう
胸の奥に立つこのさざ波は…?

>ほら…着きましたよ、お嬢様…。
>これが経観塚のオハシラサマの御神木…。

まあ…、こんなに大きくて…、そして自然に頭が垂れるような威厳は、ちょうどわたくしの街で土地神様に拝謁した時のような心持ちですわ…
いえ、この場合はあくまでも『人』の気配と共に感じられますゆえ、ご母堂様に抱きしめられた時の感に近いでしょうか…

あら…、あらあらあら、これはどうしたことでしょう
桂様がもう既にお出でになっていらっしゃる?
いえ、身に纏うこの雰囲気は、殿方のもの?
こちらが、白花さまでいらっしゃいますか…

はじめまして、オハシラサマ…いえ、このお慕わしい雰囲気ですと、白花様、とお呼びしたくなりますわ
アーチェロ・ディ・カルミーニオ=ミズリーナでございます…

>柚葉をいつも守ってくれて、ありがとう。

いえ、そんな勿体ないお言葉ですわ
この経観塚は、大切な柚葉さんを育まれた場所
そして、その経観塚をお守り下さっている貴方様に、こちらこそお礼申し上げなければなりません
柚葉さんがわたくしのところにいらっしゃらなければ、わたくしが日々噛みしめております悦びはなかったのです
ありがとうございます
本当に、いくらお礼の言葉を重ねても足りません…

…と申しますか、初対面の『鬼』であるわたくしに、なんて気さくにお言葉をかけてくださるのでしょう…

>種族や性別というものを超えて、貴女と柚葉は結ばれたんだね。

結ばれた…、ああ、そのように仰っていただきますと、頬が火照ってしまってどうすることもできません
この尽きぬ想いがございます上は、この身は永久に柚葉さんの盾…
貴方様の信頼に背かない所存でございます

『主』様との因縁、それに立ち向かい受け容れてこられた、貴方様やご母堂様の長きに渡る闘いを思えば、わたくしもまた為し得ることに為すのに何を怖れたりいたしましょう…

それにしましても、驚きましたわ
貴方様は『主』様をただ調伏なさるのではなく、『還す』ことに務めていらしゃるのでしたか…
この満開の花の花びらの、空に舞い散る中を通るとき何か心の騒ぐ思いがいたしていたのですが、あれは浄められた『主』様の魂の欠片に触れたがゆえだったのでしょうか…

こちらに参りますまで、まだ『主』様のお心が人に仇名す昏く染まったままの其れであるなら、この身の魔の性を開放してでも何か言上して然るべき、と気を張っていたのですが
わたくし如きの出る幕など、端から無かったのですね…

そうそう、貴方様が桂様にこの場所でお会いになった時、
『鬼の木と書いて槐。』
と仰ったと伺いましたわ
いえ、ここにいて貴方に見惚れている三女ちゃんが以前教えてくれたのですよ
この子ったら、いろいろ情報通で…
『鬼の木』なのに、こんなに優しい花を咲かせるなんて、
貴方様とご母堂様、そして遥かな過去の役行者様や観月の民の皆様のお力の賜物でございましょうね…

わたくしと柚葉さんの契りもまた、皆様のお力があったればこそ
これからも、貴方様にご安心いただけるように、幸せであり続けてまいりたいです…

>(三女ちゃんが白花の袖を引っ張っています)

あらあら、三女ちゃんったら、すっかり白花さんにご執心なのね
この子、もう既に貴方様のこと、いろいろ調べてまいったに違いございません
ですから、貴方様がどんなに素晴らしい殿方か、知らぬわけがございませんわ


493 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/08(Sat) 22:45
>>486(柚葉さん)

>あらあら…。三女さん、どうやら白花さんに一目惚れしてしまったようですね。(微笑)

あらあらまあまあ…、この子にも想い人が出来る日が来ようとは
ふふふ、舞散る花びらがこの娘の思いを祝福してくれているかのようですわ
元々、観経塚の皆さまをモデルにしたゲームを、熱心にプレイしていたようですから、こんな日が来ることも大いにあり得ることでしたわね

ですが、白花様にはこちらでオハシラサマのお務めがございます
遠距離恋愛は何時の時代も、殊の外二人の愛の力を試されるものでございます
結納を執り行うのは、ずい分先になりましょうか

『先走り過ぎだろ。』
とおっしゃいますか?次女ちゃん
それはそうですわね
でも、貴女たちに三人の良縁を見守るのも、主たるわたくしの務めですからね

…考えてみれば、三姉妹は人間の、特に同世代…に見える殿方との出会いの場が中々ありませんでしたね
柚葉さんが、メイドのお仕事をしてくださる一方、大学や教会に行かれて、異性との触れ合いの場も色々とございましょうに、
わたくし、貴女たちへの配慮が足りなかったかしら…

貴女たちの進学も考えてみるべきかしらね?
それならレイナさんのことも、考えなくては…、
と申しても、レイナさんはわたくしの側から離れる、という選択は為さらないかも知れませんが

え?なんですか、長女ちゃん
『サイドビジネスで、客商売を行えば、お客様方と触れ合いが出来て、わたくしたちの見聞も広められます。』
と言うの?
『喫茶店の経営、とか面白そうだな。』
『…ウサギがいると、もっといい…。』
あらあら、次女ちゃんも三女ちゃんも乗り気なのかしら?
まあ、そういうことはおいおい考えてまいりましょう

…申し訳ございません、すっかり内輪話になってしまいましたわ
でも、三姉妹が貴方様のことを慕っているのは本当のこと
どうか、これからも仲良くしてやってくださいませ

ですが、白花様は、『主』様がすっかり魂の浄められるまで、この場所に留まられるのですね
それをご自分で望んでそうされているなんて…
白花様がどれほど、ご母堂様や桂様や、そして柚葉さんのことを愛していらっしゃるか、
それを思うと、その想いの絆にわたくしがその端に連なっておりますことを思えば、胸が熱くなってまいります

>そして新たな形で、私は『家族』となったお嬢様達とここを訪れる事が出来た…。
>お嬢様と私の互いの想いを感じて頂けたようで、私も嬉しいです

はい、わたくしも…
わたくしの中に柚葉さんの『贄の血』が流れていることを、『結ばれた』と仰っていただけた、この悦びは例えようもありませんわ


494 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/09(Sun) 18:18
>>487
>>491(柚葉さん)

はい?ええっと、それは『生贄の血』という意味で宜しいでしょうか?
なるほど、『贄の血』を英訳すれば、そうなりますね

あるいは、もっと一般的に、何らかの利得の代償として差し出される血を意味しましょうか
困ったことに、そういったものを我々の一族に差し出そうという困った方々が幾度となくいらっしゃいましたわ

自分に力や長命をもたらしてくれることを望む者は追い返せば事足りましたが、
親兄弟を助けるために自分の命と引き換えに、我と我が身を投げ出す方には困りましたわ
それはもう、自己犠牲の精神の塊のようなものですから、おいそれとは帰ってくれないのですよ
吸血鬼の精気に一度手を出したら、それに頼ることに歯止めが利かなくなる方が多いので、あまり関わりたくないのですけれど…
あのような方を思いとどまらせる、という点では人間の信仰というものも、有り難くはありましたね

ですが、柚葉さんとお揃いの『朱珠』の呼び方というのは、とても宜しいと思いますわ
『Sacrificio di sangue = サクリフィーシオ・ディ・サングエ』…
これからは、過去の思い出に拘泥せず、柚葉さんとの二人の記念の品として心に刻みますわ


>>488
>>491(柚葉さん)

有名な日本の鬼太郎様の、これまた有名な強敵でございますね
『ジョニー』『エリート』という名前もお持ちでいらっしゃるとか

吸血鬼として相当な力をお持ちいらっしゃるそうで、モンロー様とかピー様といった鬼太郎様と敵対していた他の吸血鬼も彼の名を聞くとすっかり縮み上がってしまったほどだそうでございます

貴方が仰るトラウマというのは、柚葉さんの仰るように鬼太郎様を溶かしてしまったことでしょうか?
でも、一度は溶けてしまった鬼太郎様も、仲間の妖怪たちのご支援で復活し、ジョニー様に見事勝利なさったとか
どんなに力を誇っても、独りで為さることには自ずと限界があるものでございます

人間との共存を目指す少年妖怪に吸血鬼が斃される…
同族の者としては悲しい結末でございます
テレビ版では、鬼太郎様が
「本当のエリートは、人から尊敬されて自然とそう呼ばれるものだろう!」
と仰ったそうですね
ジョニー様もいつか復活することがございましたら、よくよくこの言葉を噛みしめて行いを改めていただくよう、強く希望いたしますわ


495 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/07/10(Mon) 20:29
長年血を吸ってないのと、久々に血を見るとチューチューしたくなるのが吸血鬼の性

496 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/10(Mon) 22:23
>>495

あらあらあらあら…
ちょっと憎らしいことを仰いますのね
わたくし、故郷に居りました時より禁血を実行しましてより幾星霜…

確かに最初の内は、目の前の人が傷を創ったりなさって、その肌身より血の滴をぷっくりと浮き出させたりなさっただけで、喉をごくりと鳴らしてしまったこともございました
そんな時は城館に飛んで帰り、ベッドに突っ伏して頭の中より血の薫りを追い出そうと懸命になった、そんなこともございましたが

やがては、転んでひざから血を流した人間の友達のその傷を、ハンカチを濡らして綺麗にしてあげる、そんなことが出来るようになり…

今では、人間の方に混じって献血に協力するまでになりましてよ
献血車の中には、微妙に他の人間の方の血の匂いが立ち込めていたりするのですが、もはやただの薫風として、落ち着いてやり過ごすことが出来るのですよ

でも、今年度は学校で保健委員に立候補した者の、賛同してくれたのはお友達の軽部様ただ一人…
悲しいことですが、まだまだ皆様の疑念を晴らすまでには至っておりません
ですが、わたくしはめげたりいたしませんわ
夏休み明けの二学期にも保健委員に再度チャレンジいたす所存です
わたくしの挑戦はまだまだ続くのですわ…


497 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/10(Mon) 22:32
ちなみに、血の匂いの誘惑の他に、わたくしが克服しましたものとして、『昼夜逆転生活』がございます
こちらも最初の内は何とか昼間に起きていようとして、メイドさんから
『昼ふかしは体に毒でございますよ』
と言われましたが、人間の子どもと遊びたいために頑張って、だんだんと慣れてまいりましたわ

そうそう、今月の『となりの吸血鬼さん』では、ソフィー様とエリー様が同じような体験をなさっていたようですが、なかなかご苦労もあるようでございます

わたくしが申すのもなんですが、無理は為さらないでいただきたいですわね


498 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/07/12(Wed) 13:45
昔々、ある所に大きな桜の木がありました。
ちっとも花を咲かさない、その木に正直者の爺さんが灰を撒くと……灰に含まれる活性炭成分の働きによって土中の酸素含有量が上がり、根の浸透圧および毛細管現象によって吸収された養分、窒素・リン酸・カリウムが効率よく行き渡り、開花に十分な日光も相まって満開になりましたとさ。

正直爺さんは言いました。「あぁ、この場合私が嘘つきだろうと正直だろうとあんまり関係なかったなぁ」
めでたしめでたし

……なんだこの絵本

499 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/07/13(Thu) 21:13
>>492-493 (アーチェロお嬢様)

>結ばれた…、ああ、そのように仰っていただきますと、頬が火照ってしまってどうすることもできません
この尽きぬ想いがございます上は、この身は永久に柚葉さんの盾…
貴方様の信頼に背かない所存でございます

ぎゅっ…。
(お嬢様の手を、そっと握り締めています。)

母にも、叔母にも、サクヤさんにも…。
そして、白花さんにもお嬢様と私の絆を認めてもらえた…。
このように、「結ばれた」事を祝福してもらえる事が、こんなに嬉しいなんて…。

あ…私達の絆の証である『朱珠』が、また温かく…。
きっとお嬢様の『朱珠』も同じ…。
そして私達の想いを、白花さんにも感じ取って頂けたようですね。

>こちらに参りますまで、まだ『主』様のお心が人に仇名す昏く染まったままの其れであるなら、この身の魔の性を開放してでも何か言上して然るべき、と気を張っていたのですが
わたくし如きの出る幕など、端から無かったのですね…

何でしょうか…。そのように仰っていただけると…。
お嬢様が「私を守る」という決意を胸に毅然とした姿で、敢然と『主』の前に立たれる姿を想像すると…。
自然と私の胸が高鳴ってしまう…。

無論、お嬢様と誰かが争う姿は本意ではありませんが…。
それでも、胸の鼓動を抑えきれません…。

>え?なんですか、長女ちゃん
『サイドビジネスで、客商売を行えば、お客様方と触れ合いが出来て、わたくしたちの見聞も広められます。』
と言うの?

ふふっ…この度の帰省はお嬢様と私の家族との出会い、そしてお嬢様と私の絆が深まっただけではなく
この娘達にも何か変化を齎すやもしれませんね。
兎…喫茶店…。うふふ…やっぱりあの兎が大好きなあの娘達の楽しそうな日常の影響でしょうか。(微笑)
客商売というものは本当に難しいそうですが…三姉妹さん達が新たな道をみつけるきっかけになる可能性もありますね。
また…追々帰ってから話し合いましょうか

でも何だか、いつか白花さんを自分達のお店にお迎えする日の為に張り切る三女さんとそれを見守る長女さん、次女さんの姿が想像出来て
何だか微笑ましいですね。(微笑)

>そうそう、貴方様が桂様にこの場所でお会いになった時、
『鬼の木と書いて槐。』
と仰ったと伺いましたわ

母と叔母が、叔母と叔父が解けた家族の絆を結び直し、そして叔母が新たな絆を結んでくれた日々から幾星霜…。
こうして私達もまた、新たな出会いを経て新たな絆を結んでいくのですね。
お嬢様が私の家族と顔を合わせる度に、本当に喜びを噛み締めています…。

あら?母と叔母の家族も到着したようですね。
ここからは兄妹と家族で積もる話もある事でしょう。
私達は一足お先に、羽様のお屋敷に戻りましょうか。

500 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/07/13(Thu) 21:45
>>487
>>494 (アーチェロお嬢様)

成程、そういう事でしたか。
申し訳ありません…調べをもう少ししっかりとするべきでした。
それからお嬢様、ありがとうございました。

>親兄弟を助けるために自分の命と引き換えに、我と我が身を投げ出す方には困りましたわ
それはもう、自己犠牲の精神の塊のようなものですから、おいそれとは帰ってくれないのですよ

…お嬢様の親友の方の、あのエピソードですね。
この事に関して、メイド長さんからの更なる叱責が偲ばれます…。
あくまでも想像ですが…。

「分かりましたか?人一人を眷族にするという事の重さが…。
親しき者が、愛する家族の命の灯が今にも消えようとしている時、
それを消さずに済むのであれば如何なる手段であろうとも縋らずにはいられないものです。
そして一人救えば、我も我もと次なる者達が出てくるのも道理…。
だからこそ、お嬢様にはこの事の重さを忘れないでいて頂きたいのです。
不本意ではありますが、教会の者共の働きに感謝せざるを得ませんね。」

という具合に…。

>「本当のエリートは、人から尊敬されて自然とそう呼ばれるものだろう!」
と仰ったそうですね

ええ、実にその通りですね。
自分で口にしたら、それは単なる「傲慢」というものでしょう。
そして「傲慢」は、何よりも敗因となりうる要素ですから。

>>495

…ちょっとそれは、お嬢様に失礼ですよ。(溜息)
お嬢様は私の血を吸う事を、「絆」として捉えた上で私の想いを受け止めて下さったのですから。
私の家族が、嘗てそうだったように…。

でも…あり得ない事だとは分かっていますけれど…。
お嬢様が他の方の血を吸う事を想像してしまうと…何だか胸にチクッと来るんです。
私も、まだまだですね…。(溜息)

>>498

ふふっ…。果たしてそうでしょうか?
花や木、植物は人の心が分かるそうですよ?
勿論、育てる上では科学的な根拠も大切にしていかなければいけませんけど。
私もそれなりに、日々お世話をしていますからね。

ましてや桜は、霊的な要素や伝説を多く残している日ノ本を代表する樹木です。
もう一度綺麗に咲いてほしいという想いが込められていなければ、再び花を咲かせる事は無かったと思いますが。


501 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/07/14(Fri) 23:21
ある日突然、お屋敷で過ごした日々が幻に…という事にはならないよね?

502 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/15(Sat) 17:46
>>499(柚葉さん)

>このように、「結ばれた」事を祝福してもらえる事が、こんなに嬉しいなんて…。

遥か離れた国と国と、光の人と闇の魔と…
すれ違うことさえ奇跡と申してよいわたくしたちが出会い、
心通わせたことさえ、運命の恩寵とも申したいほどなのに、
人にとっては呪わしいはずの、この牙を以て繋いだ血の血の契りなのに
こうして、大切な想い人の、大切な血脈と縁の繋がる方々に、祝福していただけた

ああ…
貴女が握ってくださったお優しい手、わたくしは二度と離したくございませんわ

>あ…私達の絆の証である『朱珠』が、また温かく…。
>きっとお嬢様の『朱珠』も同じ…。

はい、わたくしの『朱珠』もまた、こうして温もりを帯びておりますわ
これは、二人の魂があざなえるその喜悦が生み出す温もり
いくら人から血をいただこうと、所詮は闇に沈むだけだったはずの、、わたくしの冷たい真祖由来の血…
それが、柚葉さんの情けと慈しみに包まれて、共に温もりを産むことが出来たなんて、どれほど嬉しいことでありますことか

>無論、お嬢様と誰かが争う姿は本意ではありませんが…。
>それでも、胸の鼓動を抑えきれません…。

胸の鼓動…、それはわたくしもまた同じでございます
人と我とを隔てるばかりかと思っていた、この魔性の力
他の誰でもない貴女を護らせていただくために使えますなら、これはわたくしの至福でございます
貴女の笑みが変わることなく、貴女の道がいつも光明と共に続くように…、
そのためにわたくしに為し得ることがあるならば、わたくしが魔性の者として生を享けた生まれたことを、心から世界に感謝できましょう

>ふふっ…この度の帰省はお嬢様と私の家族との出会い、そしてお嬢様と私の絆が深まっただけではなく
>この娘達にも何か変化を齎すやもしれませんね。

はい…、私たちの街で柚葉さんに愛おしんでいただき、多くの人と交わり
『人間』を少しずつより深く慕うようになったこの子たちですが
柚葉さんがこの経観塚で多くの方々との掛け替えのない縁を持っていらっしゃることで、人間がどれほど強く温かい絆を築くことの出来るものなのか、心から感じたのでしょう

ご親族の方だけではございません、ご母堂様がわたくしにかけてくださったお優しさ、桂様とノゾミ様の絆、そして邪神と見られていた『主』様さえ白花様に見守られて浄められていく…、
人は斯くも限りない縁を結んでいくものか、そのことを三者三様、彼女らなりに感じ入ったことでございましょう
本当に、この子たちにとっても良き旅路でございましたわ

お商売のことは、街に帰りましたら、わたくしたち家族でしっかり考えてまいりたいですわ

>私達は一足お先に、羽様のお屋敷に戻りましょうか。

はい、それでは一緒に戻りましょうか
…『水入らず』という意味では、柚葉さんも今しばらくこちらにお残りになることをお奨めすべきかもしれませんのに…
今のわたくしは、とてもそう申すことが出来ません
このまま、柚葉さんと寄り添っていたいですから…


503 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/15(Sat) 18:20
>>498

あらあらあら…
お返事の順番が逆になってしまいましたわ
まことに失礼いたしました…

桜木を咲かせたお爺様は、農学者でいらっしゃったのでしょうか
ならば、『正直』はとても大切な資質でございましょう
手元の辞書によりますと、『正直…正しく素直で、偽り・ごまかしをしない性質・態度。』
それは、世界をありのままの心で見据え、己の心に正しい形で映し出すことに通じましょう
自然、生命、大地の恵み、それらを虚心坦懐に知る心は農学を修めるうえで大切なことではないでしょうか
日本史の時間に習ったのですが、『近代農学の祖』とまで言われた横井時敬博士は、
『稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け』
との言葉を残されていますわ

お爺様も、正直の心で桜木の心を聞き、桜木が欲するものを考究し、美しい花を咲かせてくださったのでしょう

このような、お心を持った方はわたくしにとりましても有難いことでございます
歪んだレンズを通してわたくしたちを殊更におぞましく呪われた存在と見做す方々には、ぜひ正直の心をその胸に宿していただきたいですわ


504 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/15(Sat) 23:51
>>500(柚葉さん)

>…お嬢様の親友の方の、あのエピソードですね。
>この事に関して、メイド長さんからの更なる叱責が偲ばれます…。

ええ、柚葉さんの仰るとおり…
それはもう、懇々と噛んで含めるようにわたくしに諭して聞かせましたわ
人間を一生涯、永遠に人間界から隔離してしまう、その事の重大さ、罪深さを含めて…
あの時のわたくしの凹み様は、我ながらかなりのものだったと記憶しております

ただ、その後でメイド長の招き入れだったのでしょう、その友達…フィドゥーチャがわたくしの傍に来てくれて、
「ありがとう、アーチェロ。お母さんを助けてくれて、本当にありがとう。」
と言ってくれて、どれだけ救われたことか
ですが、わたくしが
「お母さんの具合はどう?会いに行っていいかな?」
と申しますと、彼女はとても困ったような笑顔を浮かべて、
「具合はだいぶ良くなったけど。…いまはそっとしておいてあげて。」
と言いましたわ。
メイド長にお説教された直ぐ後です、直ぐ想像がつきました
きっと吸血鬼にされてしまったことのショックで、心の整理がつかないであろうことが…
ですから、それ以上は何も申せませんでした…

その後フィドゥーチャがメイド長に厳しく訓導されて、わたくし付きのめいどになりましたことは、前スレ778で申した通りでございます

そして、その後も柚葉さんのご想像の通りでしたわ
噂を聞き付けたのでしょう、わたくしに近づいてくる人たちが随分と増えましたわね

或る時など、とてもにこやかな笑顔でわたくしを自分の家に招待してくれた人も居りまして、わたくし懲りもせずご招待に与ったのですが…
家の中の目立つところに十字架やマリア様の像が置かれていましたので、わたくしがちょっと顔をこわ張らせましたら、その方あくまでにこやかに
「あらあらあら〜、ごめんなさいね。カルミーニオ家のお嬢様をお招きしたのに『こんなもの』を出しっぱなしにして。」
(え?『こんなもの』??人間がそういうこと言うの?)
と不信に思ったのもつかの間、すぐに謎が解けました
そそくさと、十字架とマリア像を片付けてしまうと、その背後の黒い幕をさっと取り払いました
そこに描かれていたのは、大きなやぎの頭と人間の体、黒い翼を持った…
「…バフォメット?」
黒ミサを司ると言われる悪魔の像でした…

「はい、わたくしたちは彼の御方に帰依する者でございます。
 ゆえに、貴女様ご一族の忠実なしもべになることお信じ頂けましょう…?」
「こ、この方と、一緒にしないで―!!」
わたくしもう、慌てて玄関の扉に向かいまして、
「そう仰らず、ゆっくりしていってください〜。」
と、あくまでにこやかに取り縋ってくるその方を何とかかわして、おいとまいたしましたわ…

もちろん、そのような方はめったにいらっしゃいませんでしたが、それぞれの事情を抱えてわたくしに頼ってくる方はいらっしゃいました
たしかに、教会が目を光らせていましたから、そう大っぴらではありませんでしたが…
わたくしも密やかに、何度か、本当に目を瞑っていられないギリギリの困り事に手をお貸ししたことはございます
ですが、肉親への情と信仰の狭間で悩む人たちの表情を思い出すたびに、胸の奥に痛みを覚えるのを如何ともし難かったですわ

>でも…あり得ない事だとは分かっていますけれど…。
>お嬢様が他の方の血を吸う事を想像してしまうと…何だか胸にチクッと来るんです。

わたくしも、かつて助力した方がわたくしに、諦めたような表情で『謝礼』としてうなじを差し出された時の憂鬱を思い出してしまうのですよ
『願いを聞き入れてくださったからには、この命を捧げます。』
などと言われては、心沈むばかりでございます
もちろん、それらはすべてお断りしましたわ
これからも、柚葉さんを哀しませないためにも、他の方の血をいただくことはいたしませんわ
どうぞ、ご安心なさってくださいませ

え?なんですか、長女ちゃん
「お姉さまに焼きもちを焼いてもらえる姫様が羨ましいです…。」
って、なんですか、それ?
いえいえ、柚葉さんが『胸にチクッと来る』と仰ったのは、そう意味ではなくて…


505 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/16(Sun) 00:05
>>501

あらあらあら、それはどういうことでございましょうか?
今こうして、わたくしと貴方様がお互いを視線を交わらせて話ししているのですよ?
これが夢幻となってしまうなんて、そんなことございませんわ

これが邯鄲の夢、あるいは有名な猫型ロボット様の世上に噂された夢オチのようなものになり果てることなど、心配ご無用のことでございます

この日本に参って出会った人々と出来事とは、確かにわたくしの中に消すことの出来ない体験として心の中に刻まれておりますわ

あるいは、この今の生活が何らかの予期せぬ出来事により、脆くも崩れ去ってしまうことをご懸念でいらっしゃいますか?
それにつきましても大丈夫でございましょう
前に居りました街と違い、こちらはとても治安が良くて、至極安穏な毎日を送らせていただいておりますわ

どうか安心して、これからもご近所づきあいさせていただけますよう切にお願いいたします…


506 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/07/16(Sun) 10:47
明日は海の日です。
水着は準備しましたか?

507 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/07/16(Sun) 18:07
>>506

はい、今年も日本の夏を満喫したいと考えておりますので、水着の用意はいたしておりますわ
『新館ノ壱』の725で、柚葉さんやレイナさんとご一緒に買い求めました水着がございますの
ですが、哀しいかな、わたくし直射日光にはまだまだ慣れてはおりませんの
有名なソフィー様のように、陽の光を浴びた傍から灰になってしまう、ということはございませんが、夏の海岸は中々に厳しいものがございます

かてて加えて、このところの日差しは大変強くて気温もうなぎ上り…
パラソルとサングラスも用意して、出かける準備は怠らないものの、無理は禁物と心得ております…

それに、わたくしたちのこの街では、7月の恒例行事として土曜日より『七夕祭り』を開催していますでしょう?
隣の市の七夕祭りが先週でしたので、それとバッティングしないように、今週はこちらの市で
協定を結んで1週間ずらして開催するのですよ
集客に不公平が生じないように、開催する順番を年ごとに替えて

海に行くか、七夕祭りに行くか、まだ決めかねておりますのよ…

…ただ、『海の日』の国民の祝日たる趣旨は、
『海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う』
というものと承っております
わたくし、海への感謝の意を表わすため、土地神様のもとへ参詣するつもりでございます
土地神様は、海神ではございませんが、近隣にございました海神・素盞嗚命(スサノオノミコト)様を祀ったお社が廃止となりました時、こちらに合祀されたそうでございますので


508 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2017/07/18(Tue) 00:46
>>501

あらあら…?もしかして、当日の『金曜ロードSHOW』をご覧になっていませんでしたか?
実は私も、お時間までにお仕事をきちんと切り上げて、三姉妹さん達と一緒にのんびりと観賞していたのですよ。

アンナさんとマーニーさんの不思議な出会いと別れの様に、
お嬢様と私の出会いが不思議なものとして消えてしまわないか…という事ですか?

ふふ…安心して下さい。その心配は有りませんよ。
既に私はこのお屋敷でお世話になり始めてから一年半近くが過ぎ、アルバムの中に多くの思い出が、
そして…お嬢様との絆の証とも言えるものもこうして手元に有るのですから。

お嬢様と私の出会いと過ごした日々を、マーニーさんとアンナさんのそれに重ね合わせてみた…という事ですか?
なかなかロマンチックではありますが、やはり切なくもありますね。

でもお嬢様と私は、思い出を作っていくのはまだまだこれからです。
お嬢様と私の家族が出会い、共に掛け替えの無い時間を過ごす事が出来たように
今度は私もお嬢様のご家族の皆様とお会いしたいですね。

>>506
>>507 (アーチェロお嬢様)

はい、水着はきちんと準備していますよ。
前スレの>636のものを着る予定なんです。

それと…先日三姉妹さん達の分の水着も買いに行ったのですよ。
お嬢様も私もあの娘達に似合いそうなものをお勧めしたり…。
あの娘たちも自分で選んだものを試着したり…。

本当にどれも可愛らしくて、私もお嬢様も楽しませて頂きました。(微笑)

ですが…。どうも天気が不安定なのと夏の湿気と気温による熱中症が心配でしたので
先輩のメイドさんと、それとあの娘たちともギリギリまで相談していたのですよ。

お嬢様もだいぶ慣れたとはいえ、この国の夏の日光の強さに加えて梅雨の明けない中での湿度の高さと高温…。
三姉妹さんも運動好きな次女さんは兎も角長女さんと三女さんの体調面が不安でしたので…。

よく話し合った結果、海水浴は今回は見送らせて頂きました。
そして、お嬢様の仰っている『七夕祭り』に行く事にしたのですよ。

夏はまだまだこれからですからまだ海水浴に行く機会はあると思いますが、
この街の『七夕祭り』は年に一度ですからね。
この機会を逃せば私もお嬢様と一緒にお祭りを楽しむ事が出来ませんので、そちらを優先する事に致しました。

夕立が降ってきたりして少々驚きましたが、きちんと傘を用意しておいたので無事にやり過ごす事も出来ましたし…。
それに、お嬢様とレイナさん、三姉妹さんの麗しい浴衣姿も堪能させて頂きました。(微笑)

お祭りにはお嬢様の学友の方々もいらしておりまして、中には初対面の方もおられて
楽しく会話しながらイベントや出店を楽しむ事が出来ました。

…こうしてまたアルバムに思い出のページが加わり、私としても嬉しい限りです。



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