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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ五

1 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/01/04(Tue) 07:59
皆々様、新年おめでとうございます。
厳寒の候、どうぞお体ご自愛下さいませ。

わたくし、イタリアより参りました吸血鬼のアーチェロ・カルミーニオと申します。
お蔭をもちましてこの度、ここに新館ノ五を立てさせていただきました。
何卒よろしくお願いいたします。

(過去スレ)
【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ壱
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=narikiri&key=461367355
【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ弐
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=narikiri&key=478946904
【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ参
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=narikiri&key=519003578
【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ四
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=narikiri&key=593906122

まずは、自己紹介させていただきます。

名前:アーチェロ・ディ・カルミーニオ=ミズリーナ
   普段はアーチェロ(名前)・カルミーニオ(姓)と名乗っています。
性別:女性
年齢:565歳
   なお、ここでは年を経ても年齢は固定されています。
   長期連載されている日常系の作品と同じように考えて頂ければ幸いです。
容姿:身長168cm。体重0〜53kg(『実在のレベル』を変えることで体重も増減するのです)。
   B85. W55. H82。
   髪型はストレートロングの銀髪です。
   日本で『外人』とよく言われますところの西洋白人の容貌です。
   口内に鋭利な牙があり、必要に応じて背中よりコウモリ型の翼を出すことがございます。
好きなもの:家族・友人 お昼寝 甘酒
嫌いなもの:家族・友人に仇なす者 流血沙汰
その他自己紹介:
   中部イタリアに領地をたまわる侯爵家にて生まれ育った吸血鬼の小娘でございます。
   もともと領地の人間に興味を持ち、恐れられるのも省みず仲良くなりたい想いで過ごした数百年を
   経て、伝え聞く日本国、人と神々と妖(あやかし)が共に在るこの国への憧れを募らせて、一族
   郎党の制止を振り切ってこの地へ参りました。
   今はこの緑豊かな地方にて古き屋敷に家族とともに住み、ご近所の方々とおつき合いさせて
   いただいています。

以下、お願い申し上げます。

・ご近所同士、マナーをお守りください。
・セクハラや猥談、誹謗中傷はお控えください。
・名無しさん同士で過度に話し込むのもお控えください。
・その他、荒らしや迷惑行為に該当するような言動はお慎みください。
・初めていらっしゃるキャラハンの方は以下の各項目をご記入ください。
名前:
性別:
年齢:
容姿:
好きなもの:
嫌いなもの:
その他自己紹介:(何かあれば)


265 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/03(Wed) 16:59
>>258(柚葉さん)(つづきです。)

「麦茶です、どうぞ。」

ありがとうございます、旅の道中にのどを潤すのはとても心地良いです。
水筒だけでなく、茶葉や麦茶の素の大麦も用意してくださって、湧水を見つけてはお茶を淹れ
てくださる。見事なお手際ですわ。」

「これでも侍女の端くれですから。」

ですが…、あなたの主様がああして妖怪と戦っているのに、わたくしのんびり見物させていた
だいていてよいのでしょうか?

(漆黒の空の下、水田の上の中空で龍神のお二方が3対の腕を生やした巨大な妖怪と稲光を迸ら
 せながら戦っておられます。)

「人に災いをなす者を退治するのは主の喜びとするところですからお気になさらなくても大丈
 夫ですよ。
 特にあの?乱鬼(そらんき)なる輩は日ノ本の農村にしばしば現れて害をなしますから、主に
 とっては手慣れた相手です。
 羽黒修験の書『拾塊集』では慶雲年間(704〜708年)、既に庄内の地で疫病により多くの命を
 奪い、12人の修験者によって退散させられた、と記されています。
 今龍神の御姉妹が戦っている姿は、その書にあるとおりの背丈8丈(約24メートル)あり
 ましょう。」

あの姿、見た目だけでなく妖気もまた強大なものを感じさせますね。
出撃していかれるときのお二人からの
「安心して。あれはわたしたちが調伏する。」
との頼もしいお言葉が無ければ、わたくしも矢も楯もたまらずあの中へ飛び込んでまいるところ
でした…。

(やがて、空気を切り裂く雷(いかずち)と断末魔の咆哮とが轟き、赤黒い消し炭となったもの
 が地上に落ちました。
 虚空にはなお二柱の姉妹神が佇んでおられます。)

…お二人の神々しいお姿…やはり神様でいらっしゃいますね。

(つづきます。)


266 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/03(Wed) 17:06
訂正です。

>>265
>特にあの?乱鬼(そらんき)なる輩は日ノ本の農村にしばしば現れて害をなしますから、主に
 とっては手慣れた相手です。

「?」のところは「鹿」を三つ書く字なのですが、環境依存文字でここでは形を成せないようです。
失礼いたしました。

267 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/03(Wed) 19:57
>>258(柚葉さん)(つづきです。)

今日も姉妹龍神様が「禍々しき妖怪」と見定めた者との戦いを繰り広げていらっしゃいます。
幾度目かの悪妖怪調伏、これまでどおり神の力を以て簡単に片が付くものと思っていました。
ですが…。

「むう、今日は何か今までと違ってただならぬ様相…。
 お二人が連携して激しく攻撃を繰り出しているのに、それをかわす敵の動きは余裕綽々です。」

本来わたくしも先日思ったように助力すべきなのでしょう。
ですが…。

(わたくしは両手で顔を覆って他所を向いてしまいます。
 あの難敵の正体を直感し、「まさか」との思いから正視できません。)

「ああっ!?敵の放った闇の魔力がお二人を弾き飛ばした!?
 我が主も驚きの眼差しで敵を見据えています。」

「我等の攻撃をたやすく凌ぎ切るとは、お前は…何者だ?
 若い娘を襲おうとした不届き者の分際で、神の力に逆らうとは一体。」

「ふん、なんじゃ、物惜しみするのう。
 別にあの娘を殺めようというわけではないわ。
 少しばかりわたしの空腹を満たしたくて、ほんのちょっとだけ血を分けてもらおうと思うた
 だけなのに。」

あああ…、やっぱり。
体から発散する魔の気と背中の翼とあの牙とで予想は出来たけれど。

「つまりは…外国(とつくに)より来たりし彼の世界の大妖、人の血を以て精を得る者か?」

「そう、わたしは異郷の闇にて顕現せし者にして、未来永劫『真祖』と呼ばれるであろう者よ。」

!!

「安心せよ。この地の神々を敵に回して戦をするのは本意ではない。
 いずれそのうち我が血脈の者がこの地で世話になるかも知れぬからな。
 我は退散させてもらう。
 …そう睨むな。
 我よりもっと面倒な敵がこの国にはおるだろうに。」

「なんのこと?」

「気がつかないか?
 いまだ若き神よ。
 なら、いずれそれらと出会い、己のこともより深く知ることになろうよ。」

大きな翼を広げて去っていくその姿を、わたしはただ棒立ちのまま見送ることしかできません
でした。

「飛んでいってしまいましたね…。
 あの、アーチェロさん、今のはもしや…。」

…はい、おそらく。わたくしも初めて、本当に初めてお目にかかりましたが。
わたくしの直系の祖先、「真祖」と呼ばれる方。
お二方、もしや知っていながら今まで、わたくしに黙っていてくださったのですか…?

「あ〜、色々懐かしいことを追体験していて、ふと思い出してしまったみたい。
 ね、ぜんちゃん?」

「ああ…、嫌な思いをさせてしまったかな?
 うかつだった、申し訳ない。」

そんな…、あの、わたくしの先祖こそお二人にご迷惑をおかけしてしまって、申し訳ございま
せん。

「ううん、あの方との出会いは今の一度だけだったのよ。
 そして、彼女の言ったことは本当だった。わたしたちはこの後『もっと面倒な敵』に遭った
 のだったわ。
 ねえ、ぜんちゃん。…この後どうする?」

「わたしは追体験を続けたいと思う。
 そうすれば、もっと自分の心に向き合えそうだから。」

「そうね、わたしもそう思うわ。
 アーチェロさん、神使ちゃん、申し訳ないけれど、もうしばらくつき合ってもらえるかしら?」

はい、わたくしでよろしければ喜んで。

「もとより。わたしは侍女なのですから。」

(その夜、神使様がわたくしに淹れてくれた紅茶は、ことのほか心に温かく感じられました。)

(つづきます。)

268 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/03(Wed) 22:19
>>258(柚葉さん)(つづきです。)

強き者の怒号。弱き者の哀訴。
強き者の打擲。弱き者の悲鳴。

こんな酷い光景を見ているしかないだなんて…。
不作でわずかに収穫を見たお米が役人の手によって奪われていく。
僅かな雑穀しか手元に残らず何とか目こぼしをとひれ伏して願う農民に無情の鞭の雨が降り
かかる。
これが「徴税」ですって?ただの略奪ではありませんか。

「これは画家のお嬢様が描いた、過去の世界の再現です…。」

お嬢様はこんな酷薄な場面を描いてはいらっしゃらないはずです!
それに神使様も、辛そうな顔をしていらっしゃるではありませんか。

「姉神様の情念と記憶がお嬢様の筆を通してここまで再現したのでしょう。
 甦る記憶のままに克明に。
 任せるしかありません、我が主と姉君様に。
 それを見届けるためにわたしたちはここにいるのですから。」

(今お二方はこの地の社の巫女さんとして農民のために、役人に無体なことをするな、と申し
 立てていますが。)

これは…、かえって火に油の様相では?

(傲岸な表情を浮かべた役人が姉君様の襟首をつかみ、姉君様は − 。)

龍神の本体を顕現されましたね。
これで役人も畏れ入って平伏するのでは?

「…どうやら、そうはいかないみたいですね。」

(周章狼狽した役人が刀を抜いて姉神様に切りかかります。)

お馬鹿さんね、あんなものではかすり傷一つ付けられるわけも無いのに。

(そう思っていたわたくしは次の瞬間愕然としました。)

「やめろー、かみさまになにするんだー!」

(彼女を慕っていたのであろう小さな子どもが姉君様の前に立ち、白刃がその首へ!)

「ぐわっ!」

「間一髪ですね!さすが我が主、役人をひっぱたいて刀の軌道を逸らしました…が。」

逸らし切れず、子どもの腕に切りつけられて!
も、もう、わたくし我慢できません!

(飛び出したわたくしは、子どもを抱きしめてそのまま飛び上がります。)

「よかった…、お二方、この子の傷は浅いです、すぐに治療を…。
 あの…、姉君様?
 その立ち昇るオーラは、怒り…?」

「許さぬ…、許さぬぞお、貴様らあーーーっ!!」

こ、これは、一天にわかに掻き曇り、稲光が。これは不穏すぎます。
嵐が、嵐が呼ばれています!
姉君様、どうかお静まりを。
って聞こえていないのですかーっ!?

(嵐はたちまち大水を招き、そしてあたり一面濁流と化しました。)

信じられません…。
これが、あの、お優しい姉君様の為していることなのですか?

(数刻の後、嵐は治まりました。)

「アーチェロさんに感謝します。
 昔と同じ場面の繰り返しと思って激高してしまったけれど、子どもは切り殺されなくて済んだ
 のね。
 それでかつてのそのときよりも早くに正気に戻れて誰も死なせずに済んだわ。
 あなたたちが村人と、ついでに役人も避難誘導してくれたからだけど。
 記憶の中の世界だけれど、やはり人を殺めるのは嫌…。」

お役に立てたのなら幸いです…。

「ごめんなさい。
 もう気が付いたかしら?
 『真祖』の方が言っていた『もっと面倒な敵』が何かを。
 そう、わたし自身よ。
 ふだんは大人しいふりをしていても、わたしの本質は荒魂(あらみたま)。
 こうして人に簡単に災いを為してしまうのよ。」

でも、お怒りになられたのは農民のため、なかんずくあの子どものためだったではありませんか。
やはりお優しいのがあなた様の本質だとわたくしは思いますわ。

「ありがとう…。
 でも、このままではいられない。
 そろそろ終わりに近づいてきたわ。
 わたしとぜんちゃんの追体験の旅の。」

(今宵はここまでとさせていただきます。)


269 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/03(Wed) 22:49
補足です。

>>268
>アーチェロさんに感謝します。
>昔と同じ場面の繰り返しと思って激高してしまったけれど、子どもは切り殺されなくて済んだ
>のね。

姉君様がわたくしに感謝を述べてくださったのは、わたくしが傷ついた子どもにヒーリングを
施したからです。
わたくしのヒーリングはあまり上手くはありません(うっかり誤ると相手を眷族にしてしまい
かねません)が、幸い子どもは無事回復いたしました。


270 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/04(Thu) 11:20
>>258(柚葉さん)(つづきです。)

(夜風に吹かれたさざ波が浜辺に打ち寄せる音は心落ち着かせるものがありますが、今わたくし
 は緊張のただ中にあります。)

「アーチェロさんが殊更に畏まる必要ないのではないかと。
 今あの方が竜宮よりいらしたのは、あくまで我が主と姉君様に御用があってのことなのです
 よ?」

そうはおっしゃいますが、神使様。
あの方が竜宮の主、姉妹龍神様の父君であられる沙掲羅龍王(しゃかつらりゅうおう)様だと
思うと、緊張が解けないのですよ。
喉も渇いてまいりました。後で紅茶をいただきとうございます。

(わたくしたちがヒソヒソ話している間も、龍神の父娘の会話が進んでいます。)

「娑伽羅。このたび村に水を溢れさせたこと、まことに不行き届きだ。
 民を怯えさせ作物を損なったことばかりではない。
 颱風や洪水などの災害は疫病を流行らす。
 そなたの一時の激情がもたらした結果として、な。
 そなたは己が荒魂(あらみたま)と未だ向き合えておらぬと見える。」

「父様、此度のことは姉様のせいばかりではありません。
 一緒に居てこの事態を防げなかったわたしの罪でもあります。」

「善女、そなたは姉の荒魂と対をなす和魂(にぎみたま)の持ち主であるが。
 そなたに任せきりにしたのはわしの落ち度であった。
 娑伽羅、そなたには疫病調伏の神に嫁してもらう。
 既に今回の件でも彼の神が動いてくれている。
 彼と共に在らば、此度のような落ち度があっても、疫病を流行らすこともあるまい。」

「疫病調伏の神様、と申しますと?」

「『牛頭天王』殿だ。
 そなたも名前くらいは聞いたことがあるだろう?」

「そんな!姉様が、け、結婚?お嫁に行く!?
 いきなりそんなの横暴、横暴です!」

…縁談の当のご本人である姉君より妹君の方が、即行で反応しましたね。
なんだか、もう必死のご様子で。

「我が主は姉スキーを拗らせていますから。」

必死に言い募ってだんだん顔つきが険しくなってきましたけれど、大丈夫でしょうか?

「だいいち、彼の方は容貌魁偉で暴戻矯激ゆえ誰も傍に寄りたがらないと…。
 そんな方が姉様と夫婦(めおと)になるなんて。」

「ぜんちゃん、見かけや風評で人を貶めてはいけないわ。」

「だって、姉さん…。」

「さすがに我が主も分が悪いと感じているようですが、すごく口惜しそう。
 …おや、これは不思議ですね。」

どうかされましたか?

「いえ、わたしが主から聞いていたところでは、実際の見合いの席が設けられたのはきちと日取
 りを決めてからのことだったと聞いていますが。
 それなのにほら、父君の横に立たれて紹介されているあの方、あれは牛頭天王ご本人ではない
 かと。」

まあ、あの方が?
確かに偉丈夫でそして大きな角を生やしていらっしゃいますね。
そして疫病調伏の神様らしい戦装束がとても似合っていていらっしゃいます。

「娑伽羅龍女殿、ならびに善女龍王殿、お初にお目にかかる。
 今ご紹介に預かった牛頭天王だ。
 急な話で戸惑っておられるだろう。
 わたしとしては娑伽羅殿の無理強いをするつもりはない。
 ただ、わたしのことを知ってもらう機会を与えてもらえないだろうか?」

(つづきます。)


271 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/04(Thu) 15:34
>>258(柚葉さん)(つづきです。)

「悪疫退散!」

まあっ、悪疫の妖怪をいともたやすく消滅させてしまわれました。
今の世は牛頭天王様や彼の妖怪アマビエ様に疫病退散や健康を祈願する民間信仰が盛んだと聞き
ますが、そのご活躍を目の当たりにできるなんて。
誠に凛々しいお姿ですね。

「水清月宿!」

そして悪疫が去った土地に、今度は姉君様が水脈より水をお呼びになり土地を潤していかれます。

「これが『琴瑟相和(きんしつそうわ)』と申しましょうか、まことに良き夫婦の共同作業です
 ね。
 ねえ、我が主?」

「なんでこのタイミングで私に声をかけるの?
 それに二人はまだ夫婦ではない!」

「ですが、姉君様は悪妖怪退治に力を使わずに済み、その結果荒魂(あらみたま)を発現しな
 いでいられるのですから良いではありませんか。」

「う〜う〜。」

「反論できないからって、膝を抱えて背中向けないでくださいよ。」

あの、善女龍王様。
わたくし如きが口幅ったいとは思いますが、牛頭天王様は決して姉君様のことを粗略にされる
ような方ではないと思うのですが。
先日の出会いからこの方、ご一緒に旅をしてまいってお二人の互いを尊ぶお姿は決して形だけの
ものではないと愚考いたします。
もちろん長きにわたり夫婦でいれば感情のもつれや衝突も無いとは申せますまいが、それも含め
て信頼を育んでいくのが夫婦というものなのでは?

「分かってるわよ。
 あの二人はお似合いだわ。」

はい?

「見ていれば分かる。
 わたしの姉さんが見染めた男だもの、ひとかどの神であることも分かるわ。
 どれだけ長い間、姉さんのことを見てきたと思っているのよ?
 だけど − 」

だけど…?

「ケチのつけようが無いから、わたしから姉さんをさらっていく男に反対する理由が無いから、
 余計に腹が立つんじゃないの!」

「でしたら、もうこの際スッパリ思い切られてはいかがですか?
 わたし、侍女として旅をご一緒させていただいて、あらためて思いました。
 一つの魂が分かたれた和魂と荒魂は離れていても断たれるものではないのだと。
 この旅での追体験の数々は、それを確かめるためのものではなかったのですか?」

「…ああっ、もう!わかったわよ!」

(妹君様はすっくと立ちあがったかと思うと、姉君様と牛頭天王様のところへ歩いて行かれます。)

「姉さん、わたしたちそろそろ元の世界へ帰ってもいいと思う。
 …もう、封印を解いても良い頃だと思うし。」

「ぜんちゃん、いいの?」

「よくないわけがないでしょう?
 でも、その前に一度だけ。」

「一度だけ、なに?」

「思い切り喧嘩がしたい。
 妹の最後の我儘だと思って、受けてくれない?
 そして、花婿にも見てもらおうじゃないの。
 龍神の力がどれほどのもので、娶るならどれだけ覚悟してもらわないといけないかを。」

(つづきます。)


272 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/04(Thu) 16:44
>>258(柚葉さん)(つづきです。)

(いつの間にかこの世界で最初に降り立った、樹々に囲まれた開けた空間に戻っていました。
 ただし、あのときとは打って変わって暴風逆巻き稲光奔る大嵐となっていますが。)

これが…神々の御力。
二柱の龍神様のぶつかり合いはこれほどの猛威を周囲にもたらすのですね。
神使様、わたくしの魔力が作った防護結界はちゃんと効いておりますか?

「はい、お陰様でこうして無事にお二方の戦いを見ていられます。」

以前(>>260)姉君様から
『おそらく、あなたの力を必要とするときがあると思う』
と言われていましたが、もしかするとこのことを予想されていたのでしょうか…?

「そうかも知れませんね。
 我が主が未練を断ち切るには何らかの大きな狂瀾を避けては通れないと見当をつけていらっ
 しゃったのでしょう。」

ところで牛頭天王様はどこに?

「あの暴風雨の中で毅然としてお二人を見守っていらっしゃいます。
 『我妻と義妹となる二人を傍で見守らねばならない』とおっしゃって。」

さすが音に聞こえた剛の方。
そうであればこそ龍神様と添うこともできるのでしょうね…。

(数刻の時が過ぎて台風一過のような周囲の様子に、あらためてお二人のお力を実感いたしま
 した。)

お二人とも地面に仰向けになって体を横たえられ充足した表情をなさっています。

「姉さん、長いこと、ごめん…。」

「ううん、全然。昔の甘えん坊のあなたに抱きつかれているようで悪い気はしなかったわ。
 …わたしからの贈り物、受け取ってくれるわね?」

「うん、もちろんだよ、ありがとう…。」

「主様、姉君様、お二人ともお疲れ様でございました。
 お茶が入りましたのでどうぞ。」

(わたくしも神使様から紅茶をいただき、魔力を使った後の疲れを癒します。
 しばらく皆でほっと息を吐いて過ごしました。)

「では、そろそろ帰りましょうか?
 アーチェロさん、お母君にお声をかけてくださる?」

「はい、承知しました。
 お母様、聞こえていらっしゃいますか?
 戻らせていただきたいので、お願いできますか?」

(分かったわよぉ。
 それじゃあ、モニターに召喚魔法をかけるわねぇ。)

(わたくしたちの体が光に包まれます。)

………。
はあ、戻って来られました。
皆さん、揃っていらっしゃいますか?
姉君様、妹君様、神使様、…あ、あれ、牛頭天王様!?
え、でも、あなた様は絵の中の回想の世界の方では…?

「ああ、誤解されてしまったかな?
 わたしは吸血姫殿の母君に呼ばれてきた、こちらの世界の本物だよ。
 母君のお陰で、ようやく善女龍王殿と和解することができた。」

「わ、わたしはまだ認めたわけじゃないんですからね!
 ちゃんと、姉さんを幸せにしてくれないと承知しないんだから!」

「肝に銘じるよ。」

「ふ、ふんだ、ぜひそう願いたいわね。
 さあ、そろそろ降雨の儀を始めましょう!
 アーチェロさん、お願いね。
 わたしたち龍神の力ではなく、町の住民であるあなたの力で降らせる雨は、人と魔と神との
 絆の証しとなるのだから。」

承知いたしました。
わたくしの全力を以てこの湖を雨水で満たしてご覧に入れましょう。

(わたくしは、天に向けてかざした手より魔の力を放出しそして祈ります。
 どうか、この地が人と神とそしてわたくしたち魔にとって潤いに満ちた場所でありますよう
 に…。)

(やがて静かに雨が降り、湖の青い水面が広がっていきました…。)


273 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/06(Sat) 11:41
>>260

>副音声で『お嬢様、なにやってるんですかーっ!』
>との声が聞こえてくるような気がします。

では、私の心の声を…。
『もう、お嬢様ったら…。時折考え無しに飛び出してしまわれるんですから…。
いえ、それを申せば私もお嬢様の事は言えないような覚えが…。』
(刑部姫様と宮本武蔵様の件を思い出しています…。)

「だからこそ、姫様とお姉様はずっと一緒にいなきゃ駄目なんですよね。」

はい、長女さんの言われる通りです…。(苦笑)

>>261-262(アーチェロお嬢様)

>山奥にいらしても現代のエンタメを楽しんでおられるのですね。

神使様と申されましても、やはり現代の娯楽の魅力には抗えないようですね。
いえ、そもそも抗う必要などありませんか。
それもまた、移り変わる世の中を知る一つの切っ掛けとなるのですから。

>2023年の冬アニメですが、今から待ち遠しくてなりませんわ。

貴重な情報を、有難うございます♪
それにしても、もしお好きなのでしたら今年購入した最新のゲーム機とソフトを
神使様にお貸ししてみようかしら…。
私は既にクリアしましたので、他の方にもこちらの作品の魅力を知っていただければと。

>>263(アーチェロお嬢様)

>…ああ、たしかに…、というかずい分お若い姿になって子どもたちに交じってはしゃいでおい
でですが…。

ではここを、『童心の章』と命名しましょう。
ふふっ…、子ども達と一緒に遊んでおられる善女龍王様の可愛らしいこと…。(微笑)
きっとこの地は、水神様への信心と恵みに対する尊崇に満ちていたのですね。
だからこそ、顕現されることを自然と受け止めていたのでしょう。

>(神使様に誘われ、しばらく子どもたちと鬼ごっこに興じました。)

…すみません、画家のお嬢様…。
この光景、ちびキャラ風にして後で描いてもらえませんか?
勿論、相応のお礼はさせて頂きますわ。

次女さん:「…極端じゃないけど、お姉様もちょっとアブない一面があるよね。」

長女さん:「まあ、可愛いものを愛でたい気持ちはわかるけどね。」

三女さん:「でもさ…姫様がもし目の前で幼女化とかしたらお姉様が暴走しないって言いきれる?」

長女さん:「…………。(汗)」

274 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/06(Sat) 14:21
>>264(アーチェロお嬢様)

さてさて、またまた逃げ出してしまわれた善女龍王様…。
姉君様とお嬢様、そして神使様の旅路はまだまだ続きますね。

>ここは鴨の肥育池でね、お魚を獲ることは禁止されているの。
>なのに夜中にこっそり魚を釣りに来る不届き者が後を絶たないの。

近年、釣りを楽しむ女の子達のアニメを幾つか楽しませて頂きましたけれど、
迷惑な釣り人がいるのは今も昔も同じですね…。(溜息)
自治体や近隣住民が迷惑しているというニュースを見る度、
流石に腹立たしく思ってしまいます。

>釣り人達が青くなって逃げていきますわ。
>お二人が会心の笑顔を浮かべていらっしゃいます。

この程度で済んで、本当に良かったですね。(呆れた表情)
この場所が仮に、神獣の聖域だったらどうなっていたでしょうね。
似たようなお話が有名な霊能力者の先生の活躍する漫画でありましたけど、
先に来ていた盗人の釣り人は胴体を食い千切られ、同じ事をした生徒さんは
本気で神獣に殺されそうになり、神獣相手では先生にもどうする事も出来なかったそうで…。

今回に懲りずに盗みを働くなら、いずれは痛い目を見るでしょう…。

>でも、主の脅し文句は最近視たアニメの幼女幽霊を思い出しますね…。

…録画したまま、まだ全部見ていないんですよね。
そろそろ、見ておきましょう。

三女さん:「ここまでは、日常ものっぽい雰囲気ですね。」

ええ、私も同じように考えておりました。
ですが、起承転結でいうなら、まだまだここは「起」の部分。
お二人が決別(?)に至った過程が、これから描かれるのでしょう。

皆様、そろそろお飲み物が足りなくなってきたと思います。
すぐに、準備して参ります。

それにしても、この神聖な湧水で淹れたお茶は本当に美味しいです…。
後でお願いして、屋敷神様にお土産として持参したいですね。

275 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/06(Sat) 15:46
>>273(柚葉さん)

>では、私の心の声を…。
>『もう、お嬢様ったら…。時折考え無しに飛び出してしまわれるんですから…。

ああ、やはり…。
天から声が降ってくると、よけいに胸に痛いですね。
ごめんなさい、心配をおかけして。
おまけとして、傍にいる三姉妹の呆れ顔も目に浮かびますわ。

>いえ、それを申せば私もお嬢様の事は言えないような覚えが…。』
>(刑部姫様と宮本武蔵様の件を思い出しています…。)

はい、あのときは本当に胸がつぶれそうでしたわ。
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=narikiri&key=519003578&st=203&to=206&nofirst=true

でもあのとき柚葉さんはみたらし団子で鮮やかに宮本武蔵様を打ち倒されました。
誠に見事な手際であった、と思い出すたびに惚れ惚れいたします。
それに比べて今のわたくしは不甲斐ないばかりです。

>「だからこそ、姫様とお姉様はずっと一緒にいなきゃ駄目なんですよね。」
>はい、長女さんの言われる通りです…。(苦笑)

不甲斐なくはありますが、そのお言葉を聴けたことを僥倖と思い、己を励ましましょう。

>神使様と申されましても、やはり現代の娯楽の魅力には抗えないようですね。
>いえ、そもそも抗う必要などありませんか。

はい、現世の民情に親しんでくださる神様というのは、わたくしたちにとりましてもまことに
親しみを感じますわ。
京都は伊奈里神社の「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」様も神殿の奥で乙女ゲームを楽しん
でいらっしゃいました。
神様と民との接点が増えることはまことにけっこうなことではないでしょうか。

>貴重な情報を、有難うございます♪

「ツンリゼ」に興味を持っていただけたなら嬉しいですわ。
プレイヤーの世界とゲーム世界とが繋がり絆を育む、その世界観を楽しんでいただけたなら、
また新たな楽しみを共有できるのですもの。

ちなみにですが、似た設定の作品として「悪役令嬢転生おじさん」という作品が在ることも申し
添えたく存じます。
この作品は作者様自らこの「ツンリゼ」と「はめふら(乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役
令嬢に転生してしまった…)」との影響を受けた、とおっしゃっている作品。
ニコニコ静画でのアップ数は少ないですが、pixivでは連載化以前から多数の話をアップして
いらっしゃっいます。

>それにしても、もしお好きなのでしたら今年購入した最新のゲーム機とソフトを
>神使様にお貸ししてみようかしら…。

「それはとても興味深いですね。
 そちらの世界に戻ったらぜひお貸し願えればと思います。
 また、来年公開される劇場版『はめふら』もご一緒に鑑賞できればなお嬉しいです。」

>ではここを、『童心の章』と命名しましょう。

あら、それは素敵な命名ですね。
もしこの旅がハッピーエンドになるならば、そちらに戻った後で子どもたちのためのおはなし
会で話して聞かせる際の場面転換で用いさせていただきたいですわ。

>きっとこの地は、水神様への信心と恵みに対する尊崇に満ちていたのですね。

はい、神様の慈愛と民の尊崇とがちゃんと交わっている世界、こんな世界がずっと続いてほしい
です。
この後の旅も、ずっとそうなら良いのですが。

>…すみません、画家のお嬢様…。
>この光景、ちびキャラ風にして後で描いてもらえませんか?
>勿論、相応のお礼はさせて頂きますわ。

「うん、わたしも描きたい。がんばって描く…。
 そしたらまたご飯食べさせて…。」

>三女さん:「でもさ…姫様がもし目の前で幼女化とかしたらお姉様が暴走しないって言いきれる?」

(ヒソッ)いっそ、暴走してくれてもよろしいのですけれど…。

(ふと神使さんのジト目に気づきます。)
いえ、神使さん、わたくし何も言っておりませんよ?ええ…。


276 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/06(Sat) 17:33
>>274(柚葉さん)

>近年、釣りを楽しむ女の子達のアニメを幾つか楽しませて頂きましたけれど、
>迷惑な釣り人がいるのは今も昔も同じですね…。(溜息)

「放課後ていぼう日誌」や「スローループ」、どの作品でも主人公の女の子たちはちゃんとマナー
を守って釣りを楽しんでいるのに。
こうした作品を見て釣りに興味を持った方は、彼女らのマナーもぜひ見習っていただきたいですね。
往年の釣り漫画の名作「釣りキチ三平」でマナーを守らない釣り人はしっかりお仕置きされて
いましたが、未だ心無い釣り人が絶えないのは嘆かわしいことでございます。

>似たようなお話が有名な霊能力者の先生の活躍する漫画でありましたけど、
>先に来ていた盗人の釣り人は胴体を食い千切られ、同じ事をした生徒さんは
>本気で神獣に殺されそうになり、神獣相手では先生にもどうする事も出来なかったそうで…。

まあ、そのようなエピソードがあるのですか。
教えていただきありがとうございます。
わたくし、その作品はよく存じないのですが、元の世界に戻りましたらぜひ鑑賞したいと存じ
ます。
(お家に戻ってから三女ちゃんが加入しているアニメ配信サイトで見せてもらいました。
 「地獄先生ぬ〜べ〜」第21話「神との激突!裁きを受けるのは俺だ!!」。
 出てきた神獣は、姉妹龍神様を彷彿とさせる方でしたが、その裁きはとても厳正なものでした。
 姉妹龍神さんが「悪戯」で済ませて下さったこと、あらためてホッといたしました。)

>…録画したまま、まだ全部見ていないんですよね。
>そろそろ、見ておきましょう。

我が家のお仕事がお忙しいためにご覧になりにくいのでしたら、どうかお仕事に根を詰め過ぎ
ないようになさってくださいませ。

>ですが、起承転結でいうなら、まだまだここは「起」の部分。
>お二人が決別(?)に至った過程が、これから描かれるのでしょう。

それはわたくしも気懸りですね。
妹君様のあの取り付く島もない態度を思うと、よほどお二人の間に感情を拗れさせる何かが
あったのではないか、と心配で。


277 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/06(Sat) 17:47
>>265(アーチェロお嬢様)
>>267

>(漆黒の空の下、水田の上の中空で龍神のお二方が3対の腕を生やした巨大な妖怪と稲光を迸ら
せながら戦っておられます。)

姉妹龍神様が若く美しく成長され、時に人々の安寧を妨げる者を成敗する…。
さながら、『飛龍の章』と申しましょうか。
この光景、恐らくは無辜の民の目には容易に見えぬものでしょう。
それもまた、人々に要らぬ恐れを抱かせぬため…。

ただ悪鬼を調伏するのみならず、結界を張り、周囲を雲と霧で覆い、
その血に住まう人々に禍が降りかからぬよう懸命になっておられます。
お二人だけに留まらず、八百万の神々の苦労が偲ばれます…。

>(わたくしは両手で顔を覆って他所を向いてしまいます。
> あの難敵の正体を直感し、「まさか」との思いから正視できません。)

肌の色といい、身に纏う妖気といい、明らかにこの国の妖(あやかし)とは違うような…?
生き血を啜る『鬼』は決して珍しくはないとしても、相手は『鬼』を容易に伏する『神』…、
この国に住まう者なら、その威光に恐れをなす筈…。
そして何より、お嬢様の目を背けての悲しげな表情…。まさか…。

>「つまりは…外国(とつくに)より来たりし彼の世界の大妖、人の血を以て精を得る者か?」
>「そう、わたしは異郷の闇にて顕現せし者にして、未来永劫『真祖』と呼ばれるであろう者よ。」

ああ…やはり…。
いえ、天竺、唐国を脅かした大妖怪の例もありますから、海を越えて来られる妖(あやかし)も
決して珍しくはないのかも知れませんが…。

それでも同族の方がこの国におわす神々と矛を交えていたとなれば、
お嬢様の心中は決して穏やかではないでしょう。

それにしても、こちらの『真祖』様は力こそ強大なれど
何処か掴みどころのない雰囲気を纏っておられます。
龍神の姉妹様の攻撃を避ける時は戯れと言わんばかりに口許に笑みを浮かべておりましたが、

「いまだ若き神よ。
なら、いずれそれらと出会い、己のこともより深く知ることになろうよ。」

とお二人を諭される時には、真理をつき全てを見通す御方の顔をなさっておりました…。
そう、今もここで画面の中の旅路を見守っておられるこの御方のように…。

(私が奥方様の方に目を向けると、奥方様は私の心中をいとも容易く見通しておられるかのように
柔らかく微笑んで下さいました。)

それにしても、双方が矛を収められて安心いたしました。
ですが、『真祖』様の仰るように波乱はこれからなのですね…。
あくまでも見守る立場とはいえ、不安が込み上げて参ります。
お嬢さまは、大丈夫かしら…。

奥方様:「柚ちゃん、お茶のお代わりをもらえるかしら?」

はい、少々お待ち下さいませ…。

278 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/06(Sat) 18:44
>>277(柚葉さん)

>姉妹龍神様が若く美しく成長され、時に人々の安寧を妨げる者を成敗する…。

はい、幼く無邪気だったお姿から様変わりされて、己が立場を自覚し民草を護ろうとする気概
に溢れ、それに相応するように美しく凛々しいお姿になられました。
本当にご自身の魂の遍歴をあらためて体験していらっしゃるのでしょうね。

>さながら、『飛龍の章』と申しましょうか。

おおっ、なんだかとてもかっこいいですね。
この場に相応しいとてもドラマチックな響きです。

>ただ悪鬼を調伏するのみならず、結界を張り、周囲を雲と霧で覆い、
>その血に住まう人々に禍が降りかからぬよう懸命になっておられます。

なるほど、一大ページェントにも見える目の前の戦いに目を奪われ、それは思い至りませんで
した。
文字どおり「俯瞰」していらっしゃる柚葉さんには、こちらにいるよりよく見えることがある
のですね。
民への心遣いを絶やさない日ノ本の神々のお優しさに感じ入りますわ…。

>それでも同族の方がこの国におわす神々と矛を交えていたとなれば、
>お嬢様の心中は決して穏やかではないでしょう。

(目の前のいらっしゃるあの方から目を背けてしまう自分が情けないですが。
 柚葉さんがそう言ってくださるお声が耳に届いて救われる思いでおります。)

>龍神の姉妹様の攻撃を避ける時は戯れと言わんばかりに口許に笑みを浮かべておりましたが、
(中略)
>お二人を諭される時には、真理をつき全てを見通す御方の顔をなさっておりました…。

柚葉さんの声に励まされ、あらためて見上げるあの方の表情…。
決して驕慢でも嘲弄でもない澄んだ表情を見て、ようやく心が落ち着いてまいりました。
…姉妹龍神様への申し訳ない気持ちは未だ消えませんけれど。

>あくまでも見守る立場とはいえ、不安が込み上げて参ります。
>お嬢さまは、大丈夫かしら…。

ありがとうございます、柚葉さん。
あなたのお声のお陰でずい分と救われました。

そしてもしかすると、真祖様がはるか後世のわたくしたち子孫のことをも思って神々へ呼びかけ
ておられたのでは、と思わされました。
そして、子孫として恥ずかしくないように身を処してまいりたい、と思わされましたわ。


279 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2022/08/07(Sun) 17:00
暑い日は扇風機が重宝する。

280 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/07(Sun) 18:41
>>279

扇風機 障子の先に 星仰ぎ

いらっしゃいませ、お客様。
すみません、部屋のうちで涼みながら夕空の一番星を眺めていたのですよ。
不意に口をついて出た句を聞かれてしまって恥ずかしいです。
「扇風機」が夏の季語でございます。

今どきはどうしてもエアコンに頼りたくなりますが、出来れば自然の風で涼みたくなりますね。
この屋敷は森に囲まれ流水を引き込んで敷地全体を熱くなり過ぎないように工夫されています
が、このところは暑さも厳しく、やはり扇風機の恩恵に与りたくなりますね。

ところで、我が家には江戸時代の扇風機もあるのですよ。
この屋敷は元はお武家様のお住まい。
蔵の中のものを調べていたら出てまいりました。
団扇を複数枚軸に据え付けて作った手回し扇風機です。
二代目歌川国貞の浮世絵「あづまげんじ みたて五節句 さつき」に描かれているのと同じ
六枚羽です。
当時、団扇作りは武家の手内職だったそうで、妻女の方々がお作りになった団扇を使って
自宅用に作られた、と残された日記に書かれております。
お内儀様も娘様もたいそう絵心があったと見えて、団扇の一枚一枚の絵がたいそう美しゅう
ございます。
金魚、花火、朝顔…、止まっているときも絵を鑑賞できて飽きることがございません。
お客様も良かったら試しにお使いくださいませ。

ただし。
元はお武家様のもの。
そしてことわざに曰く「武士の三忘」。
すなわち、「武士が戦へ赴くときは自分にとって家、家族、我が身の3つのことを忘れよ」
との教えがございます。
いかに扇風機が心地よいとはいえ、それは己が務めを果たすため英気を養うための道具で
ある、との思いが宿っているのですよ。
夏休みなのを良いことに幾日もただ扇風機の前で長いことのんべんだらりとしていると、
この扇風機が怒って六枚羽を振ってビシバシとビンタをしてきますので、重々注意なさって
くださいね。


281 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/08(Mon) 10:08
>>279
>>280(アーチェロお嬢様)

お客様、ようこそお越し下さいました。
丁度今、甘酒のかき氷をお持ちしたところです。
頭痛対策に、暖かいお茶もご用意しております。
お嬢様と共に、召し上がって下さいませ。

はい、やはり昨今の猛暑は扇風機やエアコンに頼らざるを得ませんね。
御屋敷を囲む自然の涼しさの恩恵は誠に有難いものですが、
年若い見習いメイドさん達もおりますので、その子達には無理をしないように言っております。

それでも、出来るだけ扇風機と風通しで過ごして下さっているのは有難い事です。

>ところで、我が家には江戸時代の扇風機もあるのですよ。

それでは、ここは使用人である私がこの手回し式扇風機を回しましょう。
それにしても、この扇風機の付喪神様は少々手厳しい方でいらっしゃいますね。(汗)
流石は武家屋敷の所縁の方ですね。
では、ヒーリングで癒して差し上げた後にご活躍して頂きましょうか。

おや…?こうして私が手を離した後でも動いておりますね。
ではこのお屋敷の新たな風物詩として、学校の皆様との勉強会でも頑張って頂きましょう。
もちろん、念入りにお手入れをするのは使用人の務めですわ。(微笑)

282 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/08(Mon) 10:45
>>268(アーチェロお嬢様)

…そろそろ、波乱の訪れる予感がしますね。
さながら、『暗雲の章』と申しましょうか…。

>強き者の怒号。弱き者の哀訴。
>強き者の打擲。弱き者の悲鳴。

歴史に関する作品を見ていくと、何度も目にしている光景…。
水戸の御老公様をはじめとする、時代劇のヒーローの活躍する御伽噺が
何故あれ程多く作られ、人々に愛されてきたかを実感しますね。(溜息)

>これで役人も畏れ入って平伏するのでは?
>「…どうやら、そうはいかないみたいですね。」

お上の威光を振りかざす者に、真摯な信心の心などある筈もありませんか。
あのような無体な真似をする輩だからこそ容易に武士の魂である刀を抜く機会を履き違える…。
本当に良き役人であれば、不作となる前に常に民草の暮らしを気に掛け、何らかの対策を講じて然るべきもの。
ふんぞり返って威張り散らし、普段のお役目を疎かにしているのを棚にあげて民に責を押し付けるとは言語道断です!

それだけに、かつて学校の道徳の授業で聞いたお役目はおろか命を投げ出してでも民を救った役人や代官もいたという
エピソードが偲ばれます…。

>信じられません…。
>これが、あの、お優しい姉君様の為していることなのですか?

どうやら普段は心優しい姉君様も、刀を抜く機会を間違えた役人のように感情の遣り場と力の使いどころを
誤ってしまったようですね…。

>『真祖』の方が言っていた『もっと面倒な敵』が何かを。
>そう、わたし自身よ。

思い返せば『真祖』様の時も、無闇にあの方を悪鬼羅刹の類と捉えずにその所業を問い質していれば
力のぶつかり合いとはならなかったかも…。
『真祖』様も、姉妹様の真っ直ぐな気性を良きものと捉えながらも何処か危うさを孕んでいるのを
見通していましたね…。

その地に住まう民を思う気持ちは素晴らしいものであっても、あの結果では誰も救われず
より深刻な事態を招いてしまったのは事実です…。

どうやらこれが、姉妹様の別離となる要因となってしまったのですね。

283 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/08(Mon) 19:19
>>281(柚葉さん)

まあ、甘酒のかき氷ですか。
これは暑熱の候にこの上ない甘露でございますわ。
ありがとうございます。
ああ…ひんやりと爽やかな涼しさと共に身を解きほぐす優しく濃厚な甘味。
夏の夕暮れのこの落ち着いた一刻…、まことに心地良うございます。

>それでは、ここは使用人である私がこの手回し式扇風機を回しましょう。

まあまあ、柚葉さんのお手で扇いでいただけるなんて。
なんだかもったいないほどの至福のひとときでございます。
手回し式扇風機は電動式のものほど回転が速くありませぬゆえ、巡る扇の絵の美しさも鑑賞
しながらくつろげるのが嬉しいですね。

>それにしても、この扇風機の付喪神様は少々手厳しい方でいらっしゃいますね。(汗)
>流石は武家屋敷の所縁の方ですね。

はい、書き残された日記によれば、この家のお武家様は城の勘定方をなさっていて、藩の
財政を憂い、自らも質素倹約に努めていらっしゃったそうでございます。
それでご内儀様、お嬢様が家計の助けにと扇作りの内職に精を出されていたとか。
そしてこの扇風機も、一家のご主人に少しでも楽をしていただきたい、との想いを込めて
特注されたそうでございます。
そんな一家の絆を知る扇風機の付喪神様なれば、
「ただの怠け者に送る風など我にはござらぬ。」
との一徹な想いをお持ちなのでしょう。
まことに一本筋の通った立派な扇風機ですわ。

>では、ヒーリングで癒して差し上げた後にご活躍して頂きましょうか。

おや…、年代物で古びていた扇風機が艶を帯びてまいりました。
軸の回転も円滑の体を帯び、送られてくる風もいっそう爽やかになってまいりましたわ。
柚葉さんの癒しの力でご本人も大いに力を回復されたと見えます。
これはわたくしも考えが至りませんでした。
道具を大事にするということの大切さを実感いたしましたわ。

>おや…?こうして私が手を離した後でも動いておりますね。

おお…、柚葉さんのお優しさが扇風機に奇跡をもたらしたのですね。
何と不思議な縁(えにし)があるものなのでしょうか。

>ではこのお屋敷の新たな風物詩として、学校の皆様との勉強会でも頑張って頂きましょう。

まあ、それはまさに適材適所、頑張る皆様のためなら扇風機も良き風を送り続けてくれる
ことでしょう。
ですが −

>もちろん、念入りにお手入れをするのは使用人の務めですわ。(微笑)

こうして扇風機を優しく労わり、そしていつも甲斐甲斐しく働いてくださっている柚葉さん
を扇ぐことこそ付喪神様が最も望まれていることと思いますわ。
柚葉さんもご休憩の際はこの扇風機を使ってあげれば、これからも長らく良き風を送り続け
てくれることでしょう…。


284 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2022/08/08(Mon) 20:15
学校の宿題は終わりそうですか?

285 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/08(Mon) 23:06
>>282(柚葉さん)

>さながら、『暗雲の章』と申しましょうか…。

(天から降ってくるその声に、わたくしの身も心も引き締まります。
 眼前で起こっていることを唇を噛みしめて凝視しながら。
 これが画家のお嬢様の描かれた絵の中だとしても、そこには確かに生きた人間の理不尽
な苦難が確かにあるのですから。)

>歴史に関する作品を見ていくと、何度も目にしている光景…。

この光景を見ながら、ヒーローの登場を期待してしまうわたくしはやはり甘いのでしょう
か。
ですが、ヒーローを渇望した多くの人々の気持ちを今までになくリアルに感じてしまう、
それほどこの光景は口惜しい。

>お上の威光を振りかざす者に、真摯な信心の心などある筈もありませんか。

柚葉さんの声から本気の怒りが伝わってきます。
同じ思いを持っていていただいて心強いです。
もし柚葉さんが
『お嬢様、やっておしまいなさい!』
とおっしゃるならば、わたくし弓から放たれた矢となってあの役人たちに爪の一撃を加え
ていたかも知れません。

>本当に良き役人であれば、不作となる前に常に民草の暮らしを気に掛け、何らかの対策を講じて然るべきもの。

…ありがとうございます、少し頭が冷えました。
今のお言葉に、領主の娘としての我が身を思わざるを得ませんでした。
我が家は領民の生活に配慮してきたと思っておりますが、わたくし自身が本当に民のため
に対策を講じてきたか、深窓の奥で守られて彼らの苦労から遠ざかったりしていなかった
と言えるのか、と。
もどかしいですが今は見守りましょう。
姉妹龍神様が民を助けてくれることを信じて。

>それだけに、かつて学校の道徳の授業で聞いたお役目はおろか命を投げ出してでも民を救った役人や代官もいたという
>エピソードが偲ばれます…。

柚葉さんの尊敬されている二宮尊徳公もそのお一人ですね。
わたくしはあまり例を知らないのですが、元領主の娘としてそうした方たちのことをもっ
と知りたくなりました。
(後日、銚子の庄川杢左衛門や島根の井戸平左衛門といった農民のために尽くされた尊貴
なる役人がいらっしゃったことを知り、深く胸を打たれました。)

>どうやら普段は心優しい姉君様も、刀を抜く機会を間違えた役人のように感情の遣り場と力の使いどころを
>誤ってしまったようですね…。

胸が苦しいです…。
尊崇される神も、その感情や力をいかに御し人のために使うかでご自分と戦わねばならな
いのですね。
その過ちがこのような結果をもたらすのですから。
誰にも肩代わりできない重責を負って苦悩されているあの方。
わたくしに出来ることは何も無くても、この旅の終わりまでずっと傍に在り続けましょう。

>『真祖』様も、姉妹様の真っ直ぐな気性を良きものと捉えながらも何処か危うさを孕んでいるのを
>見通していましたね…。

直系のご先祖とは申せ遠いところにいらっしゃる方だと思っていましたが、本日そのお姿
を目の当たりにして、そして柚葉さんのお言葉を聞いて、自分が到底及ばない方だと思い
知りました…。

柚葉さん、実はわたくしこの旅であなたがお傍にいらっしゃらないことに寂しさを感じて
おりました
ですが、今は良かったと思っております。
柚葉さんの優しさに寄りかかることなく、遠い場所からご覧になっているその真摯なご視
点からのお考えを伺って、自分であらためてこの旅の意味を問い続けることを学んだ気が
いたします。
どうかこの旅の終着点まで、わたくしたちを見守っていてください。

>どうやらこれが、姉妹様の別離となる要因となってしまったのですね。

姉君様は普通に振る舞っていらっしゃっても、ふと苦衷が覗きます。
そしてそんな姉君様を妹君は切なげに見てながら、どうお声をかけて良いか決めかねてい
らっしゃるように見えます。

どうかお二人の関係に希望の在らんことを…。


286 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/09(Tue) 07:20
>>284

いらっしゃいませ、お客様。
本日も大変暑うございますね。
どうぞ中へ、庭の見える涼しい客間にお出でくださいませ。
別に、一部の子どもたちが噂しているような、
『お化け屋敷だから暗く湿ってやたらヒンヤリしている』
などということはまったくございませんからご安心ください。

夏休み最初のうち、川の上流のダムへ出かけてピクニックをしておりまして。
宿題がちょっと遅れ気味ですが、ここから挽回したいと思い、お友達を誘って勉強会をい
たすことになりました。
お客様ももしかして、宿題の山を前にどうしようか頭を悩ませていらっしゃるのですか?
でしたら、ご参加なさってはいかがですか?

大勢で勉強会と言いますと、中にはみんなで遊ぶ口実と思っていて
「勉強会なのに、なんで勉強するの!?」
などと不満を述べられる方もございますが、そうは問屋が、いえ我が家の扇風機の付喪神
様が卸さないのですよ。
江戸時代にこの武家屋敷で使われた手回し式扇風機ゆえ、
「風に当たって涼みたいなら勉励せよ!」
とのお考えをお持ちなのです。
勉強会で怠けていようものなら
「成敗じゃ、成敗!」
と言って六枚羽でビンタなさるのですよ。

さて、お友達の皆様がそろそろ参られます。
お客様も宿題を早めに終えて残りの夏休みを満喫したいのであれば、疾く覚悟をお決めな
さいませ。


287 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/10(Wed) 11:17
>>284
>>286(アーチェロお嬢様)

ようこそ、お客様。
夏休みの宿題ですか?
私は大学生ですので、それはありませんが…。
その代わり、卒業論文とそれに関する課題を進めております。

休み中にも何度か教授の所に通い、テーマと中間発表の準備に関してはOKを頂きましたので、
後は完成に向けて進めていく段階です。
無論、その中で色々と指摘を受けると思いますのでそれは今後の課題ですね。

思い返せば、夏休みの宿題は「限られた時間で効率よく課題に取り組み、完成させる」という意味で
大学の研究や卒業論文の基礎と言えるかもしれません。

さて、お盆休みに向けてラストスパートです。
お友達の皆様を集めての勉強会は、お盆休みまでに宿題を終える事を目標としております。
お盆休みを終えたら、休み明けのテストに向けての宿題の復習がありますので頑張って下さいませ。

>勉強会で怠けていようものなら
>「成敗じゃ、成敗!」
>と言って六枚羽でビンタなさるのですよ。

あららら…。
まずは喉の渇きをと思い、麦茶を飲んでリフレッシュというところで
何人かがだらけてしまわれて…。

では、怠けている方の分の水羊羹は半分付喪神様に…。
お嬢様、付喪神様に現身(現身)をお願い致します。

…そうそう、頑張りましょうね。(微笑)
それにしても付喪神様、想像の通り精悍なお武家様のいでたちでいらっしゃいますね。
顕現された後、居間の雰囲気がピリッと締まりました。

あら、流石は勘定方の所縁の方。
直ちに数学を理解して、問題が分からないという方に効率よく教えて差し上げておりますわ。
まあ、かつての主様はあの関孝和様とも親交があられたと…。
ここは、「扇屋(おうぎや)先生」とお呼びしましょう。

それでは私も、課題に取り組ませて頂きます。
もしお嬢様、学友の皆様、そして先生、ご用意の必要なものがありましたら、何なりと…。

(この後昼餉を終え、扇屋先生の手助けもあり夕方まで皆様実に宿題が進みました。
終わりまで、もう少しです。)

288 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/10(Wed) 11:55
>>270(アーチェロお嬢様)

>(わたくしたちがヒソヒソ話している間も、龍神の父娘の会話が進んでいます。)

事の顛末を見届けた後、父君である沙掲羅龍王(しゃかつらりゅうおう)様が参られました…。
娘を想う父としての側面と、同じ「神」の立場として審判を下さねばならない立場故の
感情が入り混じった複雑な表情をしております…。

>娑伽羅、そなたには疫病調伏の神に嫁してもらう。

まずは何より、姉君様の過ちから民を救わねばという処置…。
この地に住まう者を思う気持ちが見て取れます。
見事な采配ですわ。
加えて、姉様と民の間に亀裂を生じさせてはならないという優しさも…。

ですが、合わせ鏡の如き連携と絆でこの地を護ってこられた姉妹様が
別れざるを得ない…。
姉様の責任感や立場を頭では理解していても、感情で納得できないのですね。

>いえ、わたしが主から聞いていたところでは、実際の見合いの席が設けられたのはきちと日取
>りを決めてからのことだったと聞いていますが。

記憶を辿りながらも、画家のお嬢様の描かれた絵が舞台故に
実際とは少し違った形で再現されている部分もあるようですね。
これがこの後、どのような影響をもたらすのか気になるところです。

姉様の降嫁が決まり、これがお二人のすれ違いとなるのですね。
ここは『齟齬の章』とお呼びしましょう…。

牛頭天王と申しますと、あの京都の八坂神社の祭神尼…。
京都を再度訪れる時、念入りにご挨拶を…。
そういえば后となる方が居られない間、随分と酒豪であられたそうですね。
持参するのは、やはりお酒が良いかしら…。


289 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/10(Wed) 18:43
>>287(柚葉さん)

>私は大学生ですので、それはありませんが…。
>その代わり、卒業論文とそれに関する課題を進めております。

まあ、わたくしうっかりしておりました。
そうでした、柚葉さんは将来を見据えてわたくしなんかよりずっと大変な課題をクリ
アしなければならない大切な時期でした。
なのにわたくしったら、夏休みになってからもお世話になりっぱなし。

柚葉さんさえ良ければ、この夏は長期休暇を取ってくださってかまいませんよ?
もちろん有給となるようお父様にしっかり釘を刺しますわ。
そういえば、お父様からはちゃんと年二回のボーナスは出されているのかしら?
無いのでしたらわたくしから支給させていただきますわ。

>思い返せば、夏休みの宿題は「限られた時間で効率よく課題に取り組み、完成させる」という意味で
>大学の研究や卒業論文の基礎と言えるかもしれません。

わたくしも柚葉さんの大学のオープンキャンパスにお邪魔させていただきました。
まだはっきりと進路を決めたわけではありませんが、進学したときのことを見据えて
今から宿題に万全を期するようがんばらなければ。

>あららら…。
>まずは喉の渇きをと思い、麦茶を飲んでリフレッシュというところで
>何人かがだらけてしまわれて…。

扇風機から怒りのオーラが立ち昇っているのが見えますわ。
あの〜、横になっている方、スマホをいじっている方、真面目に机に向かわれません
と本当にビンタが飛んできますよ?

>では、怠けている方の分の水羊羹は半分付喪神様に…。

さすが、わが社交部の講師、締めるところはきちんと締められて。
みんなの背筋もピンと伸びました。

>お嬢様、付喪神様に現身(現身)をお願い致します。

承知いたしました。
この暑い中皆様を涼ませてくださっているのに、私たちの不甲斐ない様を黙って見て
いるのもご不満でしょうから。
では…。

>それにしても付喪神様、想像の通り精悍なお武家様のいでたちでいらっしゃいますね。

はい、見るからにもののふの凛とした威厳を湛えて、拝顔するこちらの身が引き締ま
ります。
おや、扇風機らしく背中に何枚ものお美しい羽根を生やしたお姿なのですね。

「アニメの『戦国コレクション』に出てくる上杉謙信公みたい。」

三女ちゃんの言うとおり、お武家様らしい精悍さに富む一方端麗な趣きのある方です
ね。

「…水羊羹、美味しくいただいた。
 拙者、当主を涼ませるのももちろん務めであったが、一日の務めを終えられた奥方
 様や娘御に風を送ることもあったゆえ、風呂上がりの女性を扇ぐにあたり、あまり
 に益荒男(ますらお)然としているのも憚られたゆえ、自然と中性的な容貌を備え
 るようになった。」

なるほど、ご家族皆の健やかな生活を支えるようお務めでしたのね。

(つづきます。)

290 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/10(Wed) 18:44
>>287(柚葉さん)(つづきです。)

「では、今よりは各々方がしかと宿題に励めるよう、風をお送りいたそう。」

まあ、背中の羽根で風を送ってくださいますのね。ですが…。

>顕現された後、居間の雰囲気がピリッと締まりました。

はい、この空気の中で怠けられる人はここに一人もおりません…。

「ふむ、貴君ら今は西洋数学に取り組んでおるのだな。
 少々拝見させてもらえるか?
 …うむ、これならば拙者でも解けそうであるな。
 何と申しても、我が主は − 」

>まあ、かつての主様はあの関孝和様とも親交があられたと…。

まあ!?関孝和様と言えば、たしか『算聖』とも呼ばれた和算、日本数学の大家と聞
いております。
さすが勘定方を務められた方、職務のために道を極めようとなさったのですね、きっ
と。

>ここは、「扇屋(おうぎや)先生」とお呼びしましょう。

「拙者を『先生』とは面映ゆいが。
 侍女殿の期待に応えることこそ今の我が務めと拳々服膺いたそう。
 貴君ら、今が天王山と心得、奮励努力されよ。
 拙者、皆に風を送りつつ適宜助言させていただこう。
 数学や古典で不明なところがあれば、遠慮なく申されよ。」

>それでは私も、課題に取り組ませて頂きます。
>もしお嬢様、学友の皆様、そして先生、ご用意の必要なものがありましたら、何なりと…。

「今は皆奮闘の最中ゆえ、侍女殿もどうかご自身の課題に注力していただきたい。
 そして彼らが事を成就したその時は、どうか茶を淹れてねぎらってやってくださ
 れ。」

(こうして、扇屋先生の涼風と叱咤激励に支えられ、柚葉さんのお茶を楽しみにしな
 がら頑張った結果、わたくしたち全員宿題を終えることができました。)


291 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/10(Wed) 22:46
>>288(柚葉さん)

>娘を想う父としての側面と、同じ「神」の立場として審判を下さねばならない立場故の
>感情が入り混じった複雑な表情をしております…。

つとめて平静、いっそ厳格な態度をとっておられるゆえ、どれほどの怒りを内包して
いらっしゃるかと、こちらもハラハラしておりましたが。
そうですか、柚葉さんは、かの龍王様の心の襞をちゃんと汲み取っておいでなのです
ね。

「神のお言葉というと、大概の人間は畏れが先立ってなかなかその考えに至らないも
 のですが。
 あなたの侍女殿はそうした壁を越えてごらんになっている。中々できることではあ
 りません。」

>まずは何より、姉君様の過ちから民を救わねばという処置…。
>この地に住まう者を思う気持ちが見て取れます。

多くの命を育む海を守護する竜宮の主にして、天空をも我が領域とする龍神…。
どれほど多くの生きとし生ける者に慈悲をかけておられることでしょう。
それだけに、ご自分の娘が犯してしまった過ちを更正せんとする断固たる意思が伝わ
ってきます。
そして姉君様と民の関係の修復を成そうという仁慈も。

…目の当たりにしていても中々感得できないことも、柚葉さんのお言葉を聞いている
と一つ一つを得心いたしますわ。

>ですが、合わせ鏡の如き連携と絆でこの地を護ってこられた姉妹様が
>別れざるを得ない…。

はい、一緒に旅をしてきて、わたくしも思いました。あのお二人は本当に一心同体で
あるのだ、と。
ああして必死に抗弁しようとする妹君様を見ていると辛いですわ。
ですが、これは「追体験」なのですよね?
姉君を拉致、封印するきっかけがこれであるならば、ずっとそのことを気に病んでい
たに違いない妹君が、再びの体験をどう受け止められるのか。
やはり今までの想いをさらに強固にしてしまわれるのでしょうか…。

>記憶を辿りながらも、画家のお嬢様の描かれた絵が舞台故に
>実際とは少し違った形で再現されている部分もあるようですね。

一番会い辛かったお相手と実際よりも早く会ってしまわれるなんて。
妹君様、なんとしても彼の方を拒絶したくて敢えて呼び出してしまったのかしら?

>ここは『齟齬の章』とお呼びしましょう…。

ああ…、姉妹龍神様はここからまた分かり合えない関係になってしまうのでしょう
か?
せっかくお二人で旅を続けて心を通わせていらっしゃったのに、何も変えることはで
きないのかしら…。

>牛頭天王と申しますと、あの京都の八坂神社の祭神尼…。
>京都を再度訪れる時、念入りにご挨拶を…。

今回の旅で、かの神様が人々を疫病から救ってくださっていることを学ばせていただ
きました。
わたくしも、ぜひ柚葉さんとご一緒にご挨拶にまいりたいです。

>そういえば后となる方が居られない間、随分と酒豪であられたそうですね。

「わたしも詳しくはないのですが、伝え聞いたところでは恐ろし気な見た目ゆえに女
 性と縁遠く、それで酒に溺れるような飲み方をされていた、と聞きます。
 ですが、悪疫調伏を重ねるうちに多くの人々の尊崇を集めるようになり、その縁を
 喜び立ち直られたとか。
 侍女殿のご提案のとおりお酒を持って訪ねられれば、きっと喜んでくださるのでは
 ないでしょうか。」

我が町の土地神様とも気が合いそうなお酒好きの方なのですね。
この旅が終わり余裕ができたなら、京都旅行の計画を練りたいですね。
あ、でも、夏休みの宿題が遅れがちですから、そちらを優先しないといけないのです
けれど…。


292 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/14(Sun) 12:17
>>271(アーチェロお嬢様)

>まあっ、悪疫の妖怪をいともたやすく消滅させてしまわれました。
>そして悪疫が去った土地に、今度は姉君様が水脈より水をお呼びになり土地を潤していかれます。
>「これが『琴瑟相和(きんしつそうわ)』と申しましょうか、まことに良き夫婦の共同作業ですね。

はい、一時の感情の昂りでその地に禍を齎してしまった時はどうなる事かと思いましたが、
それを伴侶となられる方と共にきちんと元に戻す務めを果たしておられます。


でも…それに対して浮かぬ顔の妹君様…。
大事な姉君を取られてしまうと、感情で納得出来ないのですね。

ようやく分かりましたわ…。
私達の屋敷の敷地内の鍾乳洞に、姉君様が黙って封印されていた訳が。

事の発端となった洪水は、その地を預かる身でありながら己の感情を制御できずに起こしてしまったもの。
それにより、その地に住まう民に多大な被害を齎しただけではなく
父君様にもご迷惑をかけてしまった…。

そしてその責を負って降嫁する形となり、共にその地を司ってきた妹君様に
寂しい思いをさせる事になってしまった…。

伴侶となられる牛頭天王様とは夫婦としてこれからであり、妹君様がそれを阻む形になったとしても
それを決して責めなかったのは全ては己の責任だという気持ちの現れだったのですね。

>思い切り喧嘩がしたい。
>妹の最後の我儘だと思って、受けてくれない?

ふう…。流れる川の水は多くの恩恵を齎して下さいますが、
時として激しく荒れ狂い、全てを無に帰す事さえあり得る…。
水を司る龍神の姫君様の気性ですね。

一度は荒れ狂わなければ、長い年月と共に溜まってしまった澱みを洗い流せないのでしょう。
それは致し方なし、ですね。

293 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/14(Sun) 12:46
>>272(アーチェロお嬢様)

>神使様、わたくしの魔力が作った防護結界はちゃんと効いておりますか?
>「はい、お陰様でこうして無事にお二方の戦いを見ていられます。」

お嬢様、神使様の事をよろしくお願い致します。
ですが、これ程の大嵐です。
風雨で濡れてしまわれるのを完全に防ぐことは無理でしょう。
私、一度席を外しますね。

>さすが音に聞こえた剛の方。
>そうであればこそ龍神様と添うこともできるのでしょうね…。

ええ、風雨に打たれながらも腕を組み、静かにお二人を見守られる御姿はとても凛々しくて…。
それでいて何処か父のようでもあり、兄のようでもあり…。
そしてこれからは「夫」として、義理の兄としてお二人を守っていかれる事でしょう。
私も思わず、胸にときめくものを感じてしまいました。(微笑)

(この後、神社のスタッフの方に事情を説明してお風呂のご用意をとお願いしたところ、
善女龍王様と神使い様の使われる神泉の露天風呂を紹介して頂きました。)

承知致しました。使われる前に、ここは湧水で一度清める必要があるのですね。
では水汲みは、私にさせて下さいませ。

(準備を終えて戻ったところ、姉妹様の気持ちに決着がついたのを見届けました。)

>姉君様、妹君様、神使様、…あ、あれ、牛頭天王様!?
>え、でも、あなた様は絵の中の回想の世界の方では…?

はい、先程奥方様が「少し待っていてね」とこの場を離れられて…。
そして直ぐに、画面の中の方を眼前に連れて来られたのですから
私も思わず目を見開いてしまいました。
流石は奥方様です…。

そして少しばかりお話を聞かせて頂いたのですが、

「改めて妻を出迎える時に、夫としてだらしのない姿は見せられぬ。
あれから酒を断って、この日が来るのを待っていた。
そうでなくては、義理の妹にも認めてもらえぬだろうからな。」

と仰っていました。
本当に、素敵な殿方でいらっしゃいますわ。(微笑)

(すみません、一旦切ります)



294 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/14(Sun) 13:45
>>272(続きです)

>「…わたしからの贈り物、受け取ってくれるわね?」

>「うん、もちろんだよ、ありがとう…。」

ああ…良かった…。
あの姉君様の封印されていた洞窟でお嬢様と私が生み出した『虹珠』が、
妹君様の手に…。

先程の頑なな御姿を見て、こうなる事は叶わないのではと本当に心配でしたから…。
あら、『虹珠』から出ずる光が新たな虹となり、先程の嵐で荒れ狂っていたに架け橋のように…。
まるで、和解されたお二人を祝福するかのように…。

お二人の絆の氷解、そしてお嬢様と私が奉納した宝玉からの虹の祝福…。
これ以上無い程の、素敵な締め括りですね。
では、この『虹天の章』をもって旅路の終わりと致しましょう。

神使様、お風呂の準備が出来ております。
その、牛頭天王様が如何に剛の方とは申しましても風雨に曝されて
お召し物が濡れたまま放置とあってはわざわざお越し頂いた上で失礼というもの。

是非とも、案内をお願い致します。

>承知いたしました。
>わたくしの全力を以てこの湖を雨水で満たしてご覧に入れましょう。

あ、お嬢様、善女龍王様、少々お待ち下さいませ。
少しばかり、お時間を頂けますか?

(お嬢様と二人で、湖面の風景が美しい場所に移動しました。)

お嬢様、姉妹神様の旅の同行、お疲れさまでした…。
加えて最後の嵐の中、結界を張る上でかなりの御力を使われたと思います。
そして人と魔と神との絆の証しとなる「降雨の儀」において、更に御力を消耗するのは明白…。

今、ここに最も相応しい絆の証として私の『贄の血』を…。

(そっと、アーチェロを抱擁します)

風雨に曝された事により、アーチェロの体温もいつも以上に下がっているわ。
結界で守っていたとはいえ、神々の嵐に晒されたのですもの。
さあ、私達の『アカイイト』をもって、その身体に温もりを宿し、私を安心させて…。

295 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/15(Mon) 19:14
>>292(柚葉さん)

>ようやく分かりましたわ…。
>私達の屋敷の敷地内の鍾乳洞に、姉君様が黙って封印されていた訳が。

目の前で起こっていることにばかり気を取られていると気づくべきことに気づけない
ことがございます。
童心に帰られた姉妹龍神様ですが、わたくし心配が拭えませんでした。
現実のときに近づくにつれてお二人のわだかまりがまた頭をもたげはしないかと。

ですが、柚葉さんのお言葉を聞いて安心いたしました。
姉君様が己が過ちにどれだけ深く痛恨の思いを抱かれ、それゆえに独り決意された縁
結びも、妹君様にどれほど辛い想いをさせていたか、よく分かっていらしたのですね。
だから「封印」という妹君様の専断をも敢えて受け入れておられた…。

その一方で妹君様も姉君様の想いにあらためて触れてそのお優しさを心から感じられ
た…。
だからきっと、きっともう大丈夫なのでしょう。

ありがとう、柚葉さん。気付かせてくださって。

>ふう…。流れる川の水は多くの恩恵を齎して下さいますが、
>時として激しく荒れ狂い、全てを無に帰す事さえあり得る…。
>水を司る龍神の姫君様の気性ですね。

内に秘められた激情の嵐は龍神のご姉妹が共に持たれたもの。
まして今はお二方ともが別離の時を迎えたと感じられたなら、その激しき想いは人の
世で解放してはならないほどに激烈なものでしょう。
その思いのたけを思い切りぶつけ合われるのは、龍神として本当に自ら立たれるため
の決意表明でもあるのだと存じます。

旅を共にさせていただいたこの身でございます。
そのお二人の姿、この目にしかと焼き付けましょう…。


296 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/16(Tue) 11:16
>>293(柚葉さん)

>お嬢様、神使様の事をよろしくお願い致します。

ええ、ここまでわたくしを案内してくださった神使様、美味しいお茶を淹れてくださ
っていた神使様。
もう大切なわたくしのお友達です。
しっかりお守りしなくては。

目の前で姉妹龍神様お二人の体が輝いてまいりました。
荒魂(あらみたま)の姉君様の赤い光、和魂(にぎみたま)の妹君様の青い光。
そして二人の周囲では稲妻が走って雷雨が降り始めています。
わたくし全魔力を以て防護結界を張ってから、お二人の喧嘩をつぶさに見届けますわ。

>ですが、これ程の大嵐です。
>風雨で濡れてしまわれるのを完全に防ぐことは無理でしょう。

…はい、全神力の解放、さすがにすごいです。
神の力の衝撃波はかろうじて防御できても物理的な風雨までは防ぎきれません…。

>私、一度席を外しますね。

あら、柚葉さんの「気」が遠ざかっていきます。
何だか心細いです。
ですが、きっとお考えのあることなのでしょう、わたくしはただ期待に背かないよう
にがんばるだけですわ。

>ええ、風雨に打たれながらも腕を組み、静かにお二人を見守られる御姿はとても凛々しくて…。
>それでいて何処か父のようでもあり、兄のようでもあり…。

はい、こんな凄まじい喧嘩をご覧になっているのに、表情のなんと落ち着いておられ
ることでしょう。
新たに縁を結びし「妻」と「義妹」を見守られるお姿、見入ってしまいます。

>そしてこれからは「夫」として、義理の兄としてお二人を守っていかれる事でしょう。

ええ、荒事ここに極まる光景なのに、かの方々の前途を思うと胸が温かくなってまい
ります。

「ん〜、いい男だねぇ。
 これよ、これ。
 女房を温かく見守る、夫たるものこうでなくっちゃねえ。
 うちの旦那を思い出すよ…。」

「お母さん、目が輝いてるねー。」

>私も思わず、胸にときめくものを感じてしまいました。(微笑)

あら、柚葉さんをときめかせるなんて。
なんだかちょっと牛頭天王様が憎たらしく思えてまいります。
(頬が自然と膨らみます。)

(そして喧嘩が終わって後、わたくしたちは戻ってまいりました。)

>はい、先程奥方様が「少し待っていてね」とこの場を離れられて…。
>そして直ぐに、画面の中の方を眼前に連れて来られたのですから
>私も思わず目を見開いてしまいました。
>流石は奥方様です…。

はあ〜、まさかお母様がご本人をお連れしたとは。
以前、朱乃様をお連れしたときにグリッタちゃんが
「オルキデア様って、どれだけ交友関係が広いの〜?」
とおっしゃっていましたが、本当にお母様の交友関係は謎過ぎますわ…。

「いやぁ、わたしはただたまたまなりゆきで知り合ってたまたま意気投合しただけだ
 しぃ、驚くようなことぉ?」

はい、もういいです、詳しく聞いていると頭が痛くなりそうなので。
真祖様は神々と喧嘩なさるし、本当にわたくし、この方たちの血を引いているのかし
ら…?

>そして少しばかりお話を聞かせて頂いたのですが、

そうなのですか。
お話を伺って、ますます姉君様に相応しい方だと感じ入らざるを得ませんね。
本当に姉妹龍神様のことを思って誠実に向かい合おうとご決意されたのですね。

お三方ともそれぞれの壁を乗り越えたからこそ、素晴らしい縁を結ばれたこと。
それを目の当たりにできて、わたくし心から嬉しゅうございます。


297 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/16(Tue) 17:24
>>294(柚葉さん)

>ああ…良かった…。
>あの姉君様の封印されていた洞窟でお嬢様と私が生み出した『虹珠』が、
>妹君様の手に…。

姉君様の手から妹君様の手へしっかり渡されて、見つめ合うお二人の瞳の色も愛おし
さが確かに満ちている…。
本当に良かったです。

>あら、『虹珠』から出ずる光が新たな虹となり、先程の嵐で荒れ狂っていたに架け橋のように…。
>まるで、和解されたお二人を祝福するかのように…。

『虹珠』は、わたくしの魔の気と柚葉さんの『贄の血』がその基(もとい)。
わたしたちの町の皆の願いを託して生まれたもの。
お二人の和解はこの地の皆の喜びであることを、『虹珠』自らが教えてくれているの
でしょう。

とても嬉しい情景です。
これでわたくしたちの務めも達成されたのですね…。

長いような短いような、そして忘れられない旅となりました。
そして柚葉さんが語られた言葉の数々のお陰で、お二人の魂の遍歴の物語としてはっ
きりと感じ取ることができました。

『童心の章』、『飛龍の章』、『暗雲の章』、『齟齬の章』、『虹天の章』。
この絶妙の命名、この場限りにしておくのは惜しいですわ。
…ぜひ叙述し、形にして残したいです。
そして土地神様に献納したり、子どもたちに読み聞かせたり…。
と申しましても、わたくしの書く文章だけでは…。

そうですわ、ここは画家のお嬢様のお力をお借りするのはどうかしら?
絵本にしていただけたなら、きっと素晴らしいものになることでしょう。
もちろん、ちゃんと文章を書いてしっかり推敲してからお考えいただくべきかと思い
ますけれど。

>神使様、お風呂の準備が出来ております。

「ありがとうございます。
 それでは牛頭天王様をご案内させていただきます。
 はい、なんでしょうか、天王様?
 『姉妹龍神はわたしよりも疲れているから二人を優先で』と?」
 …ああ、はいはい、天王様も姉妹龍神のお二方も、ここで入浴の順番で揉めないで
 ください。
 後がつかえてしまいますから。
 天王様が入られるなり、姉妹様が入られるなり、天王様と沙掲羅龍王様がお二人で
 入られるなり、浴場へ行かれて、早々に順番を決めてください。」

「ま、まだ夫婦(めおと)になっていないうちから一緒に入るなんて!
 妹として許さないわよ!」

>あ、お嬢様、善女龍王様、少々お待ち下さいませ。
>少しばかり、お時間を頂けますか?

なんでしょう、柚葉さん?
…あ、承知しました。
善女龍王様、しばしご猶予をお願いし奉ります。
いつでも「降雨の儀」ができますよう、準備してまいります。

(言葉にせずともわたくしには分かりました。)

…お母様、ついてこないでくださいね?

「おお、こわ…。分かってるわよぉ。」

(つづきます。)

298 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/16(Tue) 17:27
>>294(柚葉さん)(つづきです。)

(深い森の中、しんと静まり返った美しい湖畔に柚葉さんと共にまいりました。)

>お嬢様、姉妹神様の旅の同行、お疲れさまでした…。
>加えて最後の嵐の中、結界を張る上でかなりの御力を使われたと思います。

柚葉さんが見ていてくれる、そのことでいつも力をいただいていました。
ですけれど…、神々の力に抗するのはやはり疲れますね。
こうして深い緑の中、柚葉さんといるだけで癒されますけれど、でも…。

>そして人と魔と神との絆の証しとなる「降雨の儀」において、更に御力を消耗するのは明白…。

はい、今回の旅行は何と申しましても、降雨を達成できなければ終わることはできま
せん。
土地神様と町の皆さまの期待がわたくしの肩にかかっているのですから。
万全の体調で臨みたいと思います。

>今、ここに最も相応しい絆の証として私の『贄の血』を…。

(柚葉の体がわたくしに触れ、わたくしの身も心も侵していく、至福のとき…。)

ありがとう、柚葉、ようやく二人きりになれたのね。
とても有意義で、心満たされる旅ではあったけれど、あなたが居ないことの寂しさは
何物を以てしても埋めることはできない。
当たり前のことだけれど、あらためて思い知ったわ。

>風雨に曝された事により、アーチェロの体温もいつも以上に下がっているわ。
>結界で守っていたとはいえ、神々の嵐に晒されたのですもの。

風雨だけではないわ。
あなたが居ないときの心の穴、どうか満たして…。

>さあ、私達の『アカイイト』をもって、その身体に温もりを宿し、私を安心させて…。

ああ…、待ちわびたわ。
この瞳の温かさ、紡がれる言葉の優しさ、そしてこのうなじの芳しさ…。
さあ、わたくしにその身を任せなさい…。

(牙がゆっくりと柚葉のうなじに沈んでゆく。
 そうして感じるのだ、彼女の温もりを、魂を。
 そしてわたしは注ぐ、この身の内の切なさを、情愛を。
 ただただ一心に…。)


299 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/17(Wed) 19:35
(龍神の姉妹様の、事の結末を無事見届けました。)

>>296-297(アーチェロお嬢様)

>あら、柚葉さんをときめかせるなんて。

奥方様:「そういえば柚ちゃん、この娘ったら、貴女が牛頭君に熱い視線を送ってる時にね…」

(この後奥方様とお嬢様がお約束のやり取りをされて、
私もお嬢様に後で埋め合わせをせねばと思いました。(苦笑))

でも、伴侶となられる方と歩む筈だった時を阻まれようとも
決して妹君を責めようとはせず、只管時を待ち続けた…。

あの風雨の中、黙って見守る姿こそがそれを象徴しております。
それも、今度はお酒を断ち、只管己を律して…。

だからこそ、冷えたお身体を温めて下さいませ。
今度こそ、共に歩む姉君様と共に…。

>「ま、まだ夫婦(めおと)になっていないうちから一緒に入るなんて!
> 妹として許さないわよ!」

…まだまだ、前途多難かしら。(苦笑)
でも、今度は暫くの間はお三方の楽しい時が続きそうですね。
千切れた糸を、結び直して…。
そして失われた時を取り戻していかれる事でしょう。

>『童心の章』、『飛龍の章』、『暗雲の章』、『齟齬の章』、『虹天の章』。
>この絶妙の命名、この場限りにしておくのは惜しいですわ。

勿体ないお言葉、有難うございます。
そうですね。それでは是非とも画家のお嬢様の御力をお借りしたいものです。

では文章については、私達できちんと完成させましょう。
その上で思い描かれる光景を、描いて頂ければと思います。

個展や他のお仕事も抱えて多忙な中、私的なお願いではありますが
何卒宜しくお願い致します。(ぺこり)
その際は、「秋の味覚」をもってお礼をさせて頂きます。

>(言葉にせずともわたくしには分かりました。)

以心伝心…。
お嬢様と私の瞳が互いを映すだけで、その時をお互いが望んでいるのが伝わって参ります。
それこそが、見えない糸で結ばれている私達なのですから…。
それを実感するだけで、自然と胸が高鳴るのは私も同じです…。(微笑)


300 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/17(Wed) 20:03
>>272(アーチェロお嬢様)
>>298

>この瞳の温かさ、紡がれる言葉の優しさ、そしてこのうなじの芳しさ…。
>さあ、わたくしにその身を任せなさい…。

(やがて私のうなじから牙が離れ、少し身体を離すとアーチェロと私は互いの微笑を
その瞳に映す…。そして自然と優しく手を取り合い、再び私達を待つ皆の許へ…)

>(やがて静かに雨が降り、湖の青い水面が広がっていきました…。)

それでは妹君様、私達の街へこの夏に恵みの水を何卒お願い致します。
そして秋の収穫の時期にまた、ご挨拶に参ります。

あ…。お嬢様の齎した雨が止むと共に、再び『虹珠』から光が…。
何て綺麗な虹…。
これもまた、お嬢様と私達がお役目を終えた事に対する祝福なのですね。

あの鍾乳洞と内部を彩るレインボームーンストーン…。
そして再び巡り合えた龍神の姉妹様…。
全ては一つに、繋がっていたのですね。

あら?何やらここまでいい香りが…。
神使様が、私達が街の皆様よりお届けした品々を用いて宴の準備をされているようですね。

旅を終えたばかりだというのに、直ぐにまた主のために尽くす姿勢、
私も見習わなくては。
それではお嬢様、私、お手伝いに参ります。

お嬢さまは姉妹様の後に、露天風呂で疲れを癒して下さいませ。
龍神様とその神使様が利用される場所ですので、広くて立派な場所でしたよ。
では、ごゆっくり…。

(その後、賑やかで和やかな宴を終えた後に私達は家路に着きました。)

301 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/19(Fri) 08:26
>>299(柚葉さん)

>「そういえば柚ちゃん、この娘ったら、貴女が牛頭君に熱い視線を送ってる時にね…」

お母様、わたくしの悋気などというどうでもよろしいですわ。
ことわざに曰く「焼き餅焼くならきつね色」、自分のものならなおのこと自分で適度
に焼きますので、煽っていただかなくてけっこうでございます。

「餅は餅でも桜餅みたいにきれいに赤く仕上がっているわねぇ。
 いいじゃないのぉ、焼いたなら焼いたで柚子ちゃんにその分甘えちゃえばぁ。」

洞窟で覗き見した方に言われたくありません。
それに、牛頭天王様が凛々しい美丈夫でいらっしゃることは否定しませんわ。
柚葉さんとて異性のアイドルに惹かれることもございましょう。
それをいちいち拘ったりするのは心が狭いと申すものでしょう?

「姫様、頬が普段の二割増しくらい膨らんでいますよ。」

…長女ちゃん、とっても冷静な指摘ありがとう。

>でも、伴侶となられる方と歩む筈だった時を阻まれようとも
>決して妹君を責めようとはせず、只管時を待ち続けた…。

ご自身が他者からの信頼を得るのに長い時間を必要とされた方です。
姉妹同士が行き違いながら心を通わせていく大事さをよくご存じでいらっしゃったの
でしょう。
これからはご自身が、伴侶たる娑伽羅龍女様とも、義妹である善女龍王様とも、長い
時をかけて信頼を築いていかれることでしょうね。

>それも、今度はお酒を断ち、只管己を律して…。

孤独の中にあって、お酒は牛頭天王様の大切な友達だったことでしょう。
悪疫調伏の神として立ち直られてからも、酒量は減らされても手放されることはあり
ませんでした。
けれど縁談があった時点できっぱりと酒を断たれた…。縁の重みを考えられたがゆえ
に、逃げ場を自ら捨てられたのだと思います。
牛頭天王様の本気が姉妹龍神様にも伝わったこと、それもまたお二方がそれぞれの新
たな道へと踏み出される力になったのでしょうね…。

>…まだまだ、前途多難かしら。(苦笑)
>でも、今度は暫くの間はお三方の楽しい時が続きそうですね。

ご自身らで選ばれた素敵な関係です。
どんな形で絆を強めていかれるか、できたらまた拝させていただきたいですわ。

>勿体ないお言葉、有難うございます。
>そうですね。それでは是非とも画家のお嬢様の御力をお借りしたいものです。

ええ、この旅が素晴らしい形で幕を閉じられたのも、お嬢様の描いてくださった絵が
あったればこそですわ。
この旅をこれから多くの人にも追体験していただくには、ぜひともお嬢様のご助力を
いただきたいですね。

>個展や他のお仕事も抱えて多忙な中、私的なお願いではありますが
>何卒宜しくお願い致します。(ぺこり)

「わたし…すごく嬉しい…。
 わたしの絵が、龍神様たちが幸せになるお手伝いをできたこと…。」

>その際は、「秋の味覚」をもってお礼をさせて頂きます。

「栗ご飯、さんまの塩焼き、芋煮…。(じゅるり)
 絵本描くの、最優先事項…。」

「あー、わたしもたくさんの人に見せたくなったなー。
 『吸血姫さん、龍姫姉妹さんの仲直りのために頑張る』。
 うん、人形劇でやろうよー、ねえ、お母さん。」

「朱瑠?なに、人形劇って?」

「だからー、わたしたちの髪の毛で人形を動かすのー。
 自由自在に動かせるこの髪ならたくさんの人形を操るのもお手の物だし―。」

「あちゃー、まぁたこの子のパフォーマー魂に火がついちゃったか…。
 でもまあ、旦那さんの牛頭天王様の良い男っぷりを見せるのは、わたしもやってみ
 たいねえ。」

あらあら…、朱乃さんも乗り気でいらっしゃいますね。
これはさらに姉妹龍神様の伝説が世の中に広められていきそうですね。

…ん?
『吸血姫さん、龍姫姉妹さんの仲直りのために頑張る』?
ってよく考えたら、それって、わたくしも登場するんですか!?
それは要らないのでは…?

「えー?
 だって、最後の龍姫姉妹さんの喧嘩のシーン、アーチェロさんが出てこないと、じゃ
 ないですかー。」

そんな…。
ああ〜、わたくしが目立ったって誰得なんですか〜。

(わたくしは頭を抱えてしまいます。)


302 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/19(Fri) 11:50
>>300(柚葉さん)

>(やがて私のうなじから牙が離れ、少し身体を離すとアーチェロと私は互いの微笑を
>その瞳に映す…。そして自然と優しく手を取り合い、再び私達を待つ皆の許へ…)

柚葉、わたくしの瞳があなたしか映らない。
あなたの瞳も、そうよ、わたくしだけ映していなさい。
牛頭天王がどんなに凛々しくお美しくあろうとも、あなたにはわたくしだけいれば良
いのよ?そうではなくて?

そうよ、わたくしは愚か。
わたくしの心は姉龍を独り占めしようとした妹龍の独占欲へと傾いてしまう。

そんなわたくしを許せるのなら、どうかもう少し、このままでいさせて。
わたくしたちが、あなたを愛する多くの人たちの許に戻るまで。
あなたがまた彼らに微笑みかけるのを静かに見ていられる、そんな自分に戻れるまで。

(そしてわたくしたちは皆さまのところに戻り「降雨の儀」に取り掛かります。)

>それでは妹君様、私達の街へこの夏に恵みの水を何卒お願い致します。
>そして秋の収穫の時期にまた、ご挨拶に参ります。

「ええ、ありがとう。
 人と魔と神とが集いしこの場で降らせてもらったこの雨を護り、さらに澄ませて皆
 に送り届けるわ。
 そうして得られた収穫がまたわたしのところにもたらされる。嬉しいことだわ。
 その日を楽しみにしているわね。
 今のこの喜び…、どうやら『虹珠』も感じているようだわ。」

>あ…。お嬢様の齎した雨が止むと共に、再び『虹珠』から光が…。
>何て綺麗な虹…。
>これもまた、お嬢様と私達がお役目を終えた事に対する祝福なのですね。

はい、本当にきれい…。
わたくしたち皆の祈りが一つになって世界がそれに応えてくれた、そう思えて胸が震
えます。
帰りましたら町の皆様にもお知らせしたいですわ。

>あら?何やらここまでいい香りが…。
>神使様が、私達が街の皆様よりお届けした品々を用いて宴の準備をされているようですね。

まあ、香りに気づいたら急にお腹がすいてまいりました。
町の皆様からいただいて神様に捧げられた供物をいただく、「直会(なおらい)」と呼
ばれる大切な催しですね。
神人共食(しんじんきょうしょく)」といわれ、神様の力が宿った食事をいただくこ
とでわたくしたちは神様の恩恵を授かる、という大変ありがたい宴。
今回の旅の総仕上げ、皆で祝わせていただきましょう。

>お嬢さまは姉妹様の後に、露天風呂で疲れを癒して下さいませ。

「あの、そのことですが、我が主(あるじ)が皆様全員を歓待したくご入浴の準備を
 これから整えます。」

まあ、それはありがたいですが、ではわたくしもお手伝いしても?

「いえ、これは主にしかできないことなのです。
 その様子、ご興味がある方は、これからご覧になりますか?」

善女龍王様にしかできない?
それは拝見したいですね。

(つづきます。)

303 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/19(Fri) 11:52
>>300(柚葉さん)(つづきです。)

(わたくし他希望者が神使様に案内されて露天風呂にまいりますと、既に妹君様が来
 ておられました。)

まあ、これは我が家のお風呂以上に広々として眺望絶佳、素敵な露天風呂ですね。

「『広々』ですって?
 あのね、わたしは龍なの。この程度の広さでは本性を出したとき体を伸ばしてくつ
 ろぐにはとても足りないわ。」

妹君様、露天風呂に、いえ、目の前の眺望に向けて手を伸ばされて、何か詠唱されて
いますが…。

!!
こ、これは、そこここの岩場から湯気の立ち昇る水流が湧いて出て、どんどん増えて、
お湯が一面を覆っていきます。
あの絵の中(>>268)で、姉君様が濁流を起こして一面を水で沈めたときのような勢
い、されど湧いてくるのは澄んだお湯。

…湧き出るお湯は治まってきましたが。
はああ…、これはまたなんともすごいです。
ネットで見た、草津温泉最大級といわれる露天温泉「西の河原露天風呂」をも凌ぐ広
大な温泉、それもまるで日本庭園の池泉のように自然色豊かで、木々に囲まれ、岩が
あちこちに配されて、まさに絶景…。

「お見事です、我が主。
 ああ、ちょうどあの向こうの大岩が良い仕切りになりますね。
 あの岩から向こうで、姉君様と牛頭天王様が二人きりで入浴を楽しめますよ。」

「くっ…。
 あんたのその気の利くところ、ときどきとても憎たらしいわ…。

 あ〜、そういうことだから、みんな好きに温泉に入ってくれていいわよ。
 わたしも入るから。」

(そうしてわたくしたちは露天風呂で思い切りくつろがせていただき、宴を大いに楽
 しんだ後で家路に着いたのでした。)


304 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2022/08/26(Fri) 13:05
なんか天気が不安定だなぁ。

305 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/26(Fri) 16:29
>>304

いらっしゃいませ、お客様。
ハッキリしない蒸し暑い天気ですね。8月も間もなく終わりですが暑さはまだ続きま
すからお体を大切になさってください。塩レモン甘酒を作ってみました。どうぞお体
を潤してくださいませ。
本日これから地元の皆様のご希望により裏庭の鍾乳洞巡りを行いますので、ご一緒に
涼みに来られませんか?中はヒンヤリして、納涼これに勝るもの無しかと存じます。
そして鍾乳洞を守護される龍神様のお友だちが今夜来られる予定です。その方がごあ
いさつ代わりに雨を降らせて熱気を払ってくださるそうなのですよ。お客様が鍾乳洞
を一巡りして外に出る頃には天然の打ち水により程良く涼しくなっていることでしょ
う。
きっと夜空も冴え冴えと晴れわたり、夏の大三角や秋の四辺形も美しく輝いているの
が見えるかと思いますわ。


306 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/27(Sat) 20:54
>>304

ええ、特にこの時期は夕立が家事に携わる者にとって不安要素なんです。
折角の洗濯物が濡れてしまったら大変ですので、
今の時期は特に天気予報には気を付けています。

それから夕方のお買い物の際も、夕立には注意ですね。
雨だけならまだいいのですけれど、雷となると危険ですからね。

つい先日は、商店街のお買い物の際に突然の雷雨に見舞われてしまったんです。
たまたま近くに、御贔屓の銭湯がありましたのでその際は助かりました。
もしお客様も遭遇された際には、近くに建物があれば速やかに避難を…。

その後少し帰りが遅くなるとお嬢様に連絡したところ、
雨が止んだタイミングを見計らってお嬢様と屋敷の皆が迎えに来て下さいました。

そして皆で温まって外に出る頃には、外は一面の星空となっていました。
夏の大三角や秋の四辺形を見ながら、楽しい家路となりました。

お客様も急な天気の変化、そしてそれらに伴う気温の変化には気を付けて下さいませ。
もしよろしければ、塩レモン甘酒のお代わりをお持ち致します。

307 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/28(Sun) 09:19
>>306(柚葉さん)

(横から失礼いたします。)

柚葉さんがお買い物で出かけているときに雷雨があって心配でしたが連絡をいただけ
てホッといたしました。
そして雨が止んだときにお迎えにまいりました銭湯では、みなでほっこりと命の洗濯
をさせていただけました。柚葉さんの体も温まったようで安心いたしましたわ。
番台のお姉さんのおっしゃるところでは、先日の雨でダムが満水になってからこちら
の給水される水で沸かしたお湯はお客様からも「心地良くて元気が出る」と好評だそ
うです。それを伺っていっそう身も心も休まりましたわ。
安らいで銭湯を出て見上げた風呂上がりの夜空は、とても美しくて輝いて見えました。


308 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/08/30(Tue) 22:26
>>305
>>307(アーチェロお嬢様)

敷地内の鍾乳洞巡りも、季節の恒例の行事となりそうですね。
そして今年の夏、新たに絆を結んだ龍神の姉妹様には町の皆様と共に
今後ともお世話になる事でしょう。

そういえば町内会長さんからの回覧板によると、
この鍾乳洞の主様を通じて恵みの雨を頂いた事に感謝し、
街の皆で鍾乳洞に小さな祠を立てるための有志を募りたいとの事です。

微力ながら、私も協力させて頂く所存です。

>そして雨が止んだときにお迎えにまいりました銭湯では

雷雨は突然の事でしたので如何ともし難いのですが、
やはりあのような状況はどこか心細かったのですよ。
…お嬢様が迎えに来て下さった時、本当に安心感を覚えました。
そして一緒に身も心も温まった事で、全ての不安が雲散霧消しました。

>番台のお姉さんのおっしゃるところでは

はい、私も身体の癒しだけでなく微力ながらも内に秘めた霊力までも
高まっていく心地でした。
お嬢様も、そして街の皆様も癒しの効果を感じておられたのですね。

今年の夏の思い出のひと時が、龍神様と街の皆様の絆を深める切っ掛けとなった事は
本当に嬉しく思います。
この夏を終えて、収穫の時期がまた楽しみですね。

309 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/08/31(Wed) 07:13
>>308(柚葉さん)

>敷地内の鍾乳洞巡りも、季節の恒例の行事となりそうですね。

はい、この季節の納涼の場として地域の皆様方から大変好評でしたものね。
それにただ涼むだけではなくて、日ごろ心に溜められた澱(おり)が洗い流されるか
のように感じる方が多いようです。
鍾乳洞に入って最初のうちは涼しさにはしゃいでいる方もいらっしゃいますが、中を
巡って、ヒカリゴケに照らされた美しい光景に見入り、瑠璃の湖(うみ)の神々しさ
に言葉もなく嘆息され、洞を出る頃には皆一様に安らいだお顔をなさっています。
これも龍神様が浄めてくださる洞の霊験なのでしょう。姉妹龍神様と町の皆様との絆
を目の当たりにする思いですわ。なんとなれば、あの湖は水脈を通じて妹君様のダム
湖より流れる川ともつながっておりますから。

>そういえば町内会長さんからの回覧板によると、

まあ!町の皆様からそのようなお声が上がるなんて本当になんて素晴らしい。主様へ
の感謝の想いが形になれば更なる深い絆が結ばれることでしょう。ぜひ実現を、立派
な祠を建てたいですわ。
え、三女ちゃん、タブレットを見ろ、とは何でしょう?
…まあ、ショッピングサイトに祠がこんなにいろいろ?こんなに数多くあるなんて、
やはり神様との縁を求める方がたくさんいらっしゃるのですね。数千円のものから数
百万円のものまで多種多彩。ですがどれも職人の方が丹精を込めて造られたものなの
でしょう。
ですが、せっかくですから鍾乳洞に建てる祠は材もしっかりしたものを選んで風雪に
も耐える立派なものにしたいです。商店街には神具を作って二百年余を数える老舗の
指物師のお店もございます。その方に思う存分腕を振るっていただければ、きっと素
晴らしいものが出来上がることでしょう。
わたくしもぜひ協力させていただきたいです。

>…お嬢様が迎えに来て下さった時、本当に安心感を覚えました。

遅くなってしまってごめんなさいね。雷雨になったとき焦ってすぐに飛び出そうとし
ましたが、次女ちゃんに引き戻されましたわ。
「ちょっと落ち着けって。お姉様は銭湯で雨宿りしているんだから。流水に弱い姫様
 がこんな土砂降りの中に出て行ったら、銭湯に着くころにはヘロヘロになって、か
 えってお姉さまを心配させるだろうが。」
と叱られてしまいました。
おかげで体力を消耗することなく、柚葉さんの安堵された顔を見られました。銭湯で
はみんなと一緒に気持ちよく温まることができましたわ。

そういえば、脱衣所で偶然お会いしたお颯様からは
「契約している農家にも、水が潤沢に使えるようになった、って喜ばれているよ。」
とおっしゃっていただいて嬉しかったですわ。

>はい、私も身体の癒しだけでなく微力ながらも内に秘めた霊力までも
>高まっていく心地でした。

まあ、柚葉さんにもそう感じていただけたなら、それこそあの姉妹龍神様の遍歴の旅
の結実でございましょう。こんなにうれしい結果が出たのですね…。

>今年の夏の思い出のひと時が、龍神様と街の皆様の絆を深める切っ掛けとなった事

>本当に嬉しく思います。

町の皆様方にとっても霊験あらたかであったこと、この夏の素晴らしい素敵な思い出
になりますわ。きっと収穫の時期にはまた皆様の感謝の気持ちに触れることができる
でしょう。その想いを姉妹龍神様に伝えるためにも立派な祠をお建て申し上げたいで
す。

…そうですわ、祠と言えばそこに安置するご神体も必要になりますわね。それを通じ
て人々の感謝の心がより確かに龍神様に届くでしょうから。お二人をかたどったご神
像、あるいは洞の中にあるレインボームーンストーンのうちの一つを使わせていただ
くとか。
ご神像でしたら…なんとなく
『それなら、この子に作ってもらえばいいじゃないのよぉ。』
『おなか、すいた…。』
という声をそのうちに聞くことになりそうな予感がいたします…。


310 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2022/09/01(Thu) 06:00
本日9月1日は防災の日。

311 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/09/01(Thu) 07:12
>>310

いらっしゃいませ、お客様。
朝晩は暑さも和らいでまいりましたね。このまま涼しくなってくれるとありがたいの
ですが。

はい、本日は防災の日。かつて関東大震災が起こった日にちなんで制定されたと伺っ
ております。またこの頃は二百十日にあたり台風への注意を喚起する意味もあるとか。
本日より二学期が始まりますので、わたくしの学校でも防災訓練が行われます。避難
訓練と初期消火訓練ですね。
夏休み中の登校日に本日のことを先生から通知されております。その際お友達が
「学校で火事があったらアーチェロが雨降らせてくれたら一発で消火できるじゃん」
と言ったので、わたくしも
「はい、そのときには全力で雨を降らせて皆さんのお守りしたいです」
と申したのですが、先生から
「災害というのはひとりひとりの普段の心構えができてないと適切な対処は出来ない
もんだぞ」
とたしなめられてしまいました。お恥ずかしい限りです。ですので、今日は率先して
消火訓練に取り組みたいと思っております。
また、この地域でも住民の皆様により防災訓練が行われる予定ですね。
それと心しておきたいのは毎年各戸に配布される「重要支援者マップ」ですわ。災害
時には何があってもこの人たちを守る、という高齢者、障がい者などの住所を載せた
名簿です。
そういうときこそ、翼を持ち膂力もあるわたくしのお役に立てるところですもの起こ
ってほしくないことですが万一の場合には全力で各家を飛び回る所存でございます。


312 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/09/01(Thu) 22:02
>>310

お客様、お茶のお代わりをどうぞ…。

この御屋敷でも、「防災の日」において恒例となっている行事は幾つかあります。
お屋敷は広いので、まずは避難ルートの確認。
防災バッグの中身の確認。

そして消火器、消火栓の場所の確認と使い方の講習。
生活空間においてはどうしても生活が優先となってしまいがちですので、
消火器や消火栓の周りに余計なものを置いていないかは常日頃チェックしています。

先輩のメイドさんがお嬢様の「安全」を守る立場にあられる事から、
生活空間における安全の確保にも余念がありません。

最後に、地震が起きたことを想定しての防災バッグを確保しての
お屋敷の外への避難で締め括りとなります。

そして地域の防災に関しても忘れてはいけませんね。
回覧板によると、次の町内会の会合で新たに「重要支援者マップ」が配布されるとの事です。
町内会の各班においては、町内会費の徴収やマップなどの配布は
重要支援者の日頃の様子を見守る上でも重要なお仕事の一つです。

やはり災害は起きてほしくはありませんが、そのような時こそ地域の皆様との繋がりは
大事な欠かせないものになります。

そのような時はきっとお嬢様ももてる御力の全てで頑張って下さるかと思いますが、
お嬢様に極力心配をお掛けせず、冷静に努めて支えるのが私達メイドの役割です。

313 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/09/02(Fri) 12:27
>>312(柚葉さん)

(横から失礼いたします。)

>この御屋敷でも、「防災の日」において恒例となっている行事は幾つかあります。

ごめんなさい、柚葉さん。わたくしって家のことは柚葉さんに任せきりね。
この家の主として家族の安全に責任を持たなければならない立場なのに。
でも柚葉さんが諸々全部取り仕切ってくれると安心してしまうの。
でも甘えてばかりではダメね。チェックしてくださっている避難ルート、防災バッグ、
消火器や消火栓、わたくしも自分で確認しておかないと。
レイナさんも柚葉さんがいてくださるから防災については柚葉さんに主導してもらっ
た上で情報を確実に共有するように心がけているようですね。
我が家の防災の要を務めてくださっている柚葉さんに、わたくしもレイナさんも本当
に感謝しています。

以前はわたくしこういったことに思いが至らなくて恥じ入ることもございました。
消防署の方がいらっしゃったことがありました。新任の若い女性の署員の方でとても
張り切っていらっしゃるのは見ていてわかりましたけれど。今柚葉さんが確認してく
ださっていること、ちゃんとできているか細々と質問してこられたのですけれどわた
くし明瞭に答えられなくて。あの時のことは思い出すたびに反省しきりです…。
ただ、その署員の方が
「今から全部わたしが直接確認させてもらいます。」
とおっしゃるので、普通そこまでしないのでは?と不審に思って伺ったところ、
「劇場などには、有資格者による消防設備の定期点検が義務付けられています。こち
 らのようなおばけ屋敷も同様です。」
とおっしゃられて。どうも近所のお子さんが「おばけ屋敷」と言っていたのを鵜呑み
にされたようで…。誤解だと知って真っ赤になって謝ってこられました。

我が家で気をつけておかなければならないことをもう一つだけ付け加えさせていただ
くなら神棚は確実にお守りせねば、ということかしら。
あそこは屋敷神様の御座所で、あの場所があってこそ屋敷神様が神力を蓄え、屋敷を
守護していただけるのですから。

>そのような時はきっとお嬢様ももてる御力の全てで頑張って下さるかと思いますが、
>お嬢様に極力心配をお掛けせず、冷静に努めて支えるのが私達メイドの役割です。

はい、それはもちろん万が一のときは地域の皆様のために全力で力を尽くさせてもらいます。
柚葉さんにこうして常日頃から準備をしていただいているのですもの、それに応える
のことこそわたくしの望みそのものですわ。


314 名前:羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日:2022/09/03(Sat) 12:08
>>313

>ごめんなさい、柚葉さん。わたくしって家のことは柚葉さんに任せきりね。

どうぞお気になさらず。私もお屋敷に関してはレイナさんを通じて教わった後、
家事に携わる者として話し合いを進めながら今に至っています。
こうして情報の共有が出来ていれば、いざという時に対処が出来ますので。

>消防署の方がいらっしゃったことが

いくら何でも、公共のアトラクションとしての施設には見えないのでは…。(汗)
ま、まあ、お仕事熱心なのは何よりです。
いずれにせよ広い家屋と木材が多く使われているだけに、
消火器や消火設備は必須ですね。

私も設備そのものに関しては素人ですので、この機会に消防署の方に
お話を伺うのがよろしいかと。
いざという時、設備に不良があれば大変ですので。

>我が家で気をつけておかなければならないことをもう一つだけ付け加えさせていただくなら
神棚は確実にお守りせねば、ということかしら。

(この後、防火、防災について一通りのことが終わった後、屋敷神様にご挨拶しました)

「うむ、良い心掛けじゃ。これからもよろしく頼むぞ。
じゃが、儂にも気がかりな事がある。それは羽藤、そなたの事じゃ。」

え…?私、ですか…?

「そなたの献身の心は立派なものとして認めておるが、天災、人災の渦中となれば
それが己が身に災いとなりかねん。
いざとなればそなたの主と下僕は飛んで逃げる事も可能じゃが、そなたにはそれが出来ぬからの。
万が一の事あらば、己が身を最優先に真っ先に逃げよ。
神棚や屋敷が多少壊れたとて、儂は滅びはせぬ。
後でいくらでも直せる。
じゃが、お主の命は失われたら二度と取り戻せぬからの。」

(黙って屋敷神様の言葉に聞き入っています)

「良いか?例えばお主を慕う蝙蝠の姉妹の姿が見当たらぬからと
助けに入るなどの無茶は絶対に許さぬ。
儂とそなたの主の力をもってすれば、どうとでもなる。
無事に外へ送り出してやるわい。
お主はお主の心配だけをしていればよい。
互いに後で無事に再会出来る事を信じて、脇目も振らず外へ逃げるのじゃ。」

その通りですね…。
どうあれこの屋敷の中で一番脆いのは他でもない私…。
私が命の危機に晒されて、お嬢様やレイナさん、三姉妹さんを巻き込んでしまえば
それこそ本末転倒です。
くれぐれも、肝に銘じておきます…。

それでも、万が一の時に皆と御屋敷を守って頂くためにも屋敷神様の神棚は
大切にさせて頂きます。
神棚の周辺の耐火、耐震についてお嬢様ともまた話し合いを…。

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